中島久枝 『ひかる風 日本橋牡丹堂菓子ばなし(四)』2019/08/13



「仲冬 お武家好みの腰高饅頭」
牡丹堂に山野辺藩から呼び出しが来ました。
腰高饅頭の注文でした。
喜んだ牡丹堂の面々ですが、知り合いたちがやってきて大変なことだと脅かしながらもさまざまな助言をしてくれます。
しかし、饅頭を納めた後、山野辺藩からは何も音沙汰がありません。

「晩冬 女占い師と豆大福」
老舗の伊勢松坂の主が相場で大損し、店が勝代という元吉原にいた女に乗っ取られました。
彼女とは牡丹堂も因縁があり、何を仕掛けられるのか心配でした。
その頃、いつもは元気な孫の幹太が熱を出し、お福はつきっきりで看病をします。
心配し過ぎて、占い師のところにまで行く始末。
果ては変な女占い師にとりつかれてしまいます。

「初春 小萩の思い、銀の朝」
年があけ、小萩は十八になりました。
小萩は茶人の白笛の愛妾の春霞から茶会に出すお菓子を考えるようにと頼まれます。
彼女の考えたお菓子とは・・・。

「仲春 勝負をかけた揚げ饅頭」
牡丹堂は揚げ饅頭を通りで売り始め、結構好評です。
やっと山野辺藩から呼び出しがかかります。
伊勢松坂と牡丹堂で菓子比べをして、いい方を御用菓子屋とするというのです。
牡丹堂では揚げ饅頭を持っていくことにします。

牡丹堂の美味しいお菓子は店の職人たちの仲の良さからできているんです。
小萩が早く一人前の職人となれるといいですね。
でも、まだまだ超えなくてはならないことがありそうです。