蒼空チョコ 『こうして僕らは獣医になる』2020/02/13



実は私、獣医になりたいと思ったことがあります。
『野生のエルザ』シリーズを読んで、アフリカで獣医をやるのもいいなぁと若気のいたりでのんきに思ったりしていました。
結局、兄の「獣医学科の奴らはそこら辺にいる犬を捕っていって解剖するんだぞ」という言葉と、6年間学業を続けなければならず、学費が高いということもあり、諦めました。
獣医に向いていたかどうかはわかりませんが、インドで鶏が首をはねられるのをじっとみていることができたので、解剖などは平気そうです。
今から考えると、ちゃんとした試験のある国家資格を取っておけばよかったと思います。
国家資格があれば、何歳になっても働けますから。
高校生の皆様、よく考えてね(笑)。

馬好きの親から勧められ、獣医大学に現役入学した日原祐司は三人のクラスメートと親しくなります。
それぞれが実家が畜産業だったり、親が獣医師だったり、エキゾチックアニマル好きだったりと、日原とは違いちゃんとした将来への見通しがあって獣医大学へと進んでいました。
大学には独自の『パートナー動物』制度があり、日原は腎不全で高齢の雄猫コウと共同生活を送ることになります。
日原は初めて経験するパートナーとの別れや解剖される動物の世話などを通し、特別な志もなく獣医大学へ進んだ己を省み、命を扱うことの意義を学んでいきます。

私だけかもしれませんが、獣医って人間の医師と同じ、つまり動物病院に勤めている獣医しか頭になかったのです。
でも、獣医の仕事ってそれだけではないんです。
本の中には獣医大学卒業の四万人の国家資格所持者のうち、小動物(いわゆる動物病院の獣医)が四割、公務員が二・五割、産業動物系が一割、その他(大学関係者と製薬会社系)が一・五割、不明が一割と書いてありました。
ホント、私の知識って浅いです。
本気になって調べてないということもありますが、よく考えてみればわかったことなのにねぇ。

ちょっと悲しい現実。
ペットが死んだら、「燃えるゴミ」と同じ廃棄物になるそうです。
家のイヌたちは個別火葬をしてもらい、散骨するか、私の骨と混ぜてもらい、一緒にお墓に入りたいのですけど。

今は色々な本が出版されていて、昔よりも仕事に関する本が多くあり、自分の仕事を考える時に役に立ちます。
この点、今の学生さんたちがうらやましいですわ。
獣医に興味があったり、獣医学部に進学しようかなと思っている人、読んでみてください。
すべてこのままということはないですが、獣医学部の様子がわかると思います。