誉田哲也 『背中の蜘蛛』2020/02/15



池袋で男の殺傷死体が見つかった。
捜査にあたっていた警視庁池袋署刑事課長の本宮は、捜査一課長からあることを頼まれ、そこから事件は解決した。
それから半年後、新木場で起こったロッカーの爆発で、薬の売人を張り込んでいた警官を含んだ殺傷事件が起こる。
今度は何者かの電話でのタレコミで容疑者が浮かび上がった。
捜査に関わった警視庁組織犯罪対策部の植木はそのことに違和感を抱き、調べ始める。
彼と同じく捜査一課の管理官になった本宮も疑惑を抱き、2つの事件に関わるある男の存在に気づく。

この本の中のことがもうあるかもしれない社会になっています。
私たちはネットを使い、プライバシーを垂れ流しにしているようなものです。
その人が何に興味・関心を持っているのか。
どこに行く(行った)のかも容易に知られてしまいますよね。
後ろめたいことをしている人にとっては嫌な監視社会になっているようです。
こういう技術を政府や警察などが使わない手はないですよね。
倫理の問題になりますが、あくまでも一般市民を守るために使われても仕方ないかなとも思ったりもしますが・・・。

同じようなものを扱った本を前に読んでいたので、それほど新しく感じませんでした。
誉田さんの作品はいくつか読んでいますが、武士道シリーズ以外は私には合わないみたいです。
今回の作品は期待して読んだのですが、元運用再三係の男とある姉弟とのことなんかいるのかしらと思ってしまいました。
姉弟のことが誉田さんらしいという意見もあるようですけど。
なんか動機が弱いと思ってしまいました。

誉田さんファンで彼の新しい面をみてみたいとか現代社会の危うさを感じたい人にはいいかも。