中島要 『うき世櫛』2020/04/06



母に引続き父までも失ってしまった結は奉公に出るが、使いものにならないとひと月ほどで首になってしまいます。
このままでは生きていけないと思った結は父と暮らしていた長屋で首をくくろうとしていたところ、たまたま長屋を下見に来た元芸者の女髪結い、お夕に救われ、髪結いの弟子としてお夕の所で世話になることとなります。
お夕は左頬に刀傷があり、そのせいで芸者を辞め、髪結いになったのですが、天保の世、お上は贅沢を戒めており、女髪結いは贅沢だと取り締まりの対象になっていました。
お夕のところにいるしかない結ですが、不器用なためなかなか修行も進みません。
しかし、お夕に髪結いを頼んで来る女たちの人生を垣間見ることにより、少しずつ結も成長していきます。

主人公の結は現代にいたら確実にいじめられますね。武士の娘だというのに、言動に全くそういう感じが全くないのですもの。
彼女の幼なじみのるりなんか、わがままばかり言って、あまり好きにはなれませんでした。
唯一、よかったのがお夕さん。気っぷがいいですね。
結が主人公のようですが、間違えましたね。お夕さんの方が絶対によかったですよ。

これもシリーズ化を狙って書かれたのかしら?
『お江戸やすらぎ飯』と同様、ちょっと残念な時代物でした。

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