中山七里 『夜がどれほど暗くても』 ― 2020/09/01
中山七里デビュー10周年記念12ヶ月連続新作企画、第3弾。
これで7冊読みました。
(ネタバレあり)
志賀倫成は大手出版社春潮社のスキャンダルを売り物にする雑誌「週刊春潮」の副編集長でした。
ある日、警察がやってきます。
疎遠になっていた息子の健輔がストーカーしていた大学講師の女性を、夫と共に自宅で殺害し、自殺したというのです。
追う立場から追われる立場へ。志賀の生活は激変します。
職場では世間を騒がし、四方八方から叩かれている「春潮48」に異動になります。
インタビューやアンケート調査で社外に行くと、ニュースで顔を知られているため、やぶ蛇になり、絡まれ、暴言を吐かれる始末。
結局志賀がやれる仕事はテープ起こしなど社内でできるものだけになってしまいます。
左遷だったのかと落ち込む志賀。
やがて妻はまともに日常生活を営めなくなります。
一緒にスーパーに行こうと歩いている所を被害者の娘・菜々美がカッターナイフを持って襲って来ました。
別の日には妻のワンピースが引き裂かれていました。
もう外に出るのが嫌だという妻と言い合いをしてしまい、思わず叩いてしまった次の日に、妻は家を出て行ってしまいます。
そんな頃、志賀はネットニュースで見た犯罪被害者と加害者の家族の精神的ケアをサポートしているNPO法人<葵の会>に興味を惹かれます。
思い切って<葵の会>を訪れてみると、菜々美と鉢合わせをしてしまいます。
主宰者から菜々美の話を聞いた志賀は彼女のことを調べてみることにします。
どうやら身寄りのない彼女は一人で自宅にいて学校に通っていますが、学校ではいじめに遭っているようでした。
気になった志賀が彼女の家を訪れてみると、壁には悪意のある落書きが書かれており、窓ガラスは割られていました。
菜々美は被害者であるのに、何故こんな目に遭わなければならないのかと愕然とする志賀でした。
そこに菜々美が現れ、彼女と話した後に刑事の葛城が話しかけてきます。
彼と話すうちに菜々美が同級生から身体的暴力を受けていることがわかります。
志賀は放課後に学校を訪れ、菜々美を見守ることにしますが・・・。
ネット社会になってから、事件の被害者や加害者が特定しやすくなり、匿名なのをいいことに憂さ晴らしのようなことをする人が増えてきましたね。
ネットの書き込みなどは見ない方がいいですよ。
本にも載っていましたが、学校の裏サイトはひどいらしいです。
私が今中学生で、裏サイトで悪口を書かれているのを見たら、それから一生、人間不信に陥ってしまうでしょうね。
父親が息子の冤罪をはらしていくという内容かと思って読んでいたら、そんなこと最後までやりませんでした(笑)。
カラダを張って菜々美を守り、いつしか仲良くなっていくんですよ。
悪い話ではないのですが、こういう被害者と加害者家族の関係って非現実的ですよね。
それに身寄りのない中学生が自宅に一人で住むことは可能なのですか?
なんか無理のある設定だと思います。
最後の犯人判明も、あまりにもあっけなくて残念でした。
まあ、犯人捜しの話ではないので仕方ないのでしょうけど。
1ヶ月で1冊本を書くのは大変だと思います。
色々なことを書こうとして、中途半端になってしまうことがありそうです。
チャレンジ精神は素晴らしいのですが、無理しなくてもよかったのではないでしょうか。
とにかく後5冊、特に11月の『復讐の協奏曲』を読むのが楽しみです。
弟犬はどうやって寝ているかお見せしましょう。
今まで使っていた夏用ベッドは汚くなったので、以前使っていた秋冬用のベッドを使わせています。
そうすると、中に潜り込んで寝ています。
私の足音を聞き、顔を出してきました。
暑くないのかしら?
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