「92歳のパリジェンヌ」を観る2020/10/29

ロンドン、ニューヨークと来たら、パリしかないでしょうと、よく内容を見ずに、楽しそうな母と娘だなぁと思って見たら、とんでもない映画でした。
フランスのリオネル・ジョスパン元首相のお母様のことを妹さんのノエル・シャトレが書いた本を基にして作られた映画です。
(ネタバレあり)


フランス語のタイトルは「la dernière leçon」で日本語にすると「最後のレッスン」になります。
それなのに、「92歳のパリジェンヌ」ですかぁ。
日本語のタイトルとポスターを見て、私と同じように勘違いしてクリックしちゃった人がいるんではないですか。
言っちゃいますけど、これは尊厳死を扱った映画です。

元助産師のマドレーヌ・ランジェールは車の運転をしている時に危ない目にあったり、階段を上るのが辛くなって隣に住んでいる男性に抱いて部屋まで運んでもらたり、夜中におねしょをしてしまったりと色々なことができなくなっていました。

92歳の誕生日に家族の前で言います。
子供の負担になる前に、二ヶ月後の10月17日に私は逝きます、と。
息子のピエールはヴィクトリア(ヘルパー)の影響だ、鬱だから薬を飲ませろ、老人ホームに入れればいいと言います。
娘のディアーヌはピエールに母を任せてと言い、マドレーヌを説得することにします。
マドレーヌは死んだ後のためにせっせと部屋の片付けをし、誰に何を残すのか、付箋に書いて貼り付けています。

ある日、ディアーヌがマドレーヌを買い物に連れて行くと、マドレーヌは試着もせずに試着室で寝込んでいました。
そんなマドレーヌを見て、ディアーヌは一緒に暮らそうと言うのですが、マドレーヌは頑として受け入れません。
次の日、トイレで立てず、オーブンに料理を入れたままマドレーヌは寝てしまいます。
ディアーヌは何回も電話をしているのに出ないのが心配になって、息子のマックスとバイクで駆けつけます。
マドレーヌは病院に入院することになります。(フランスの病室って男女一緒なの?)マドレーヌは医師にまで私は35日後に死ぬ気だと言います。
ピエールは死なせるわけにはいかないと言いますが、ディアーヌは迷い始めます。
夫のクロヴィスは義母は止めてもやる、無理に生かすのか、とディアーヌを責めます。

病院でマドレーヌはおねしょをしてしまい、看護師は彼女に紙おむつを渡します。
マドレーヌはやってきたディアーヌの前でスカートをめくり、おむつをした姿を見せます。
ディアーヌはそんな母の姿に耐えきれず、一緒に病院を抜け出します。
一緒にキャビアを食べ、昔の写真を見、お風呂に入ります。
一人ではもうお風呂に入れなくなった母の肩を優しくなでながら、ディアーヌは言います。
「決めたわ。受け入れる。でも日付は知りたくない」

ディアーヌはマドレーヌの生き方や人生観、信念を誇りに思っています。
マドレーヌは絶対に諦めない人で最後までやり遂げる人なのです。
しかし兄であるピエールはマドレーヌが社会を変えようとし、いつも出歩き、家にはいなくて、愛人がいっぱいいたのを覚えていました。
母はいつも自分勝手なことをし、自分はないがしろにされていたと思っているのです。
尊厳なんてどうでもいい、最後まで勝手にさせないと薬を探して持っていってしまいます。
そのためディアーヌとマドレーヌは沢山の医師に電話をし、診察を受け、眠れないと訴え、処方箋をもらいました。

最後にディアーヌとマドレーヌはマドレーヌの初恋の人、ジョルジュに会いにいきます。
その四日後。
マックスはオーストラリア行きの飛行機の券を破きます。
母と娘は花いっぱいの部屋で魚介類を食べ、ワインを飲み、最後の時を過ごします。
やがてパーティがあるからとディアーヌはマドレーヌを残し、部屋を去ります。
ディアーヌの家にはクロビィス、マックス、ヴィクトリアなどが集まっています。
ピエールは一人、車の中。
そこに電話が・・・。

年を取るということは、できないことが増えていくということです。
できなくなることを受け入れられるかどうかによって生き方が異なるでしょうね。
ピエールとディアーヌを見ていて、男と女の違いかなとも思いました。
娘の方がマドレーヌの考えを受け入れられるんじゃないかと思うのです。
特に母親だと。
兄や夫を見て思った、あくまでも私の主観ですけど。

そうそう、ディアーヌがマドレーヌの若い頃の真っ赤なドレスを着て、看護師の男性と一緒に走る場面が好きです。

楽しいパリジェンヌが見られるかと思ったのに、ちょっと辛い映画でした。
あ、そうそう、孫君(マックス)↓、可愛いですよ。なんせセーヌでサーフィンしちゃうんですから(笑)。


こんな孫、いいです。


弟ヨーキーがトリミングに行ってきました。
まだ大きいカボチャが見つからないので、小さいかぼちゃとスヌーピーと一緒に写真を撮りました。


今回は毛がいっぱい残っていますね。
ヨーキーは毛の色が変わっていきます。もうお年なので(6歳)、毛が白くなっていくようです。


この写真を撮った後、ママと遊びたいのでカボチャを口にくわえて離さなくなりました。遊びたがり屋のヨーキーです。
しばらく付き合いましたが、いつまでも止めないので、部屋に戻しました。
戻してもカボチャは咥えています。
その様子は後日、お見せしましょう。

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