M.C.Beaton 「Agatha Raisin and The Blood of an Englishman」 ― 2020/10/30
アガサ・レーズン・シリーズ、25作目。
作者死亡のため、後5冊で終わります。
表紙を見ていたら、フランス語らしきものを見つけました。フランス語にも訳されているのかしら?
フランス語のタイトル(「今夜、劇場で」かな?)は英語のタイトルと全く違いますね。日本語ではどうなるのかしら。
フランス語のタイトルからわかるように、今回の殺人事件は劇場で起こります。
Winter Parvaにアマチュア劇団のパントマイムを見に行ったアガサとミセス・ブロクスビー。
パントマイムの終演後、人食い鬼役を演じていたパン屋のBert Simpleが殺されているのが見つかります。
彼はカーテンコールに現れず、探しにいったプロデューサーのGareth Cravenが舞台の下で亡くなっている彼を見つけたのです。
殺人事件から一週間後の朝、探偵事務所でスタッフと打ち合わせをしていると、
Gareth Craven がやってきます。
殺人事件の後、新聞やマスコミに押しかけられて大変なので、アガサたちを雇いたいというのです。
アガサは自分一人でWinter Parvaに行き、住民たちや劇団員たちから話を聞くことにします。
今までの様子で予想できますが、小さな町の住民達の口は固いですし、アガサの慇懃無礼さが住民に嫌われますから、なかなか犯人候補が見つかりません。
今回も何回もアガサは命を狙われます。
事件捜査はなかなか進展しないのですが、アガサの男性関係は華やかです。
まず、アマチュア劇団員のイケメン、教師のJohn Hale。
アガサは美人のトニや男友達たちを彼に近づけないようにします。
しかし、アガサは全く理性を失っていなかった。彼が彼女のことを愛しているのではなく、お金を愛していることに気づきます。
次の男性は元夫ジェームズの友達で、アガサたちの結婚式にも来ていたらしい、農場経営者のPaul Newton。
彼とは婚約まで行きますが、息子がとんでもない奴でした。
そうそう、彼のことで気になったのが、一度だけ関係を持ったアガサを悪し様に責めたことです。
息子があんな奴なら、誰だって嫌になるでしょう。それなのに、なんて奴。結婚しなくてよかったわよ。
ホント、アガサって男運が悪いわね。
ミセス・ブロクスビーが男がそんなに必要なのと聞きますが、アガサは彼女のそばに男を侍らしておきたいみたいです。
彼女の男友達たちは相変わらずです。
ビルは仕事で忙しく、アガサに捜査の邪魔はするな、気をつけろというぐらいです。
ロイは自分がマスコミに取り上げて欲しいだけということがわかり、アガサから相手にされなくなっています。
チャールズも気ままで、来たかと思えばすぐ帰ることを繰り返しています。
今回も彼は婚約します。婚約者は彼がアガサと仲がよいことを聞き、こっそり彼を尾行しますが、それに気づいたチャールズはそういうことが大嫌い。
結局破談になりますが、彼女よりも彼女の財産の方を愛しているチャールズは全く気にしていません。
ジェームズ同様、チャールズも結婚に向いていませんね。
ジェームズは長い間不在にしていましたが、帰ってきて、アガサが命を狙われていることを知ると、アガサを彼の家に泊めてくれます。しかし色々と細かい彼ですので、アガサは息が詰まる思いでした。二人はもう二度と一緒には暮らせないですね。
トニは今回は特に問題ありませんでした。危機一髪のアガサを助けます。
アガサ同様に男運が悪いのですから、二人で仲良くして、助け合えばいいのですけどね。
サイモンはトニの側をウロチョロしていますが、トニは無視しています。
彼は仕事よりもトニ、例えアガサが危ない目に遭っていたとしても、トニです。
こいつ、いりません。
最後に何やら怪しい女、セラピストのJill Daventが登場します。
アガサに何もなければ良いのですが・・・。
この本にはおまけ(?)としてクリスマスを扱った "Agatha Raisin and THE CHRISTMAS CRUMBLE”がついてます。
アガサは2回もクリスマスパーティで失敗しているのに、またパーティをやろうとするのです。
というのもミセス・ブロクスビーがクリスマスを一人で迎える6人の老人のことを話したため、アガサは彼らのためにクリスマスパーティを開くことにしたのです。
懲りてないわねぇ。
料理なんかできないのに(前に七面鳥を焼こうとして散々な目に遭っているわよね)、ロイと一緒にクリスマスプディングを作るのです。色々とありまして、結果としてハエと殺虫剤付きのプディングになりました。
そして、ここが肝心です。
クリスマスパーティで人が死んじゃうんです。アガサのクリスマスプディングのせいで。
アガサ、殺人で逮捕か・・・。
後5冊、楽しく読まさせていただきますわ。
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