「ワンダー 君は太陽」を観る2020/11/04

図書館のYAコーナーでこの本(↓)を見かけて気になっていたのですが・・・。


なんか変わった表紙で、手がでませんでした。
適当に映画を選んで見始めてから、この本が原作であることに気づきました。
(ネタバレあり)


オギーはスターウォーズが大好きな男の子。でも他の子とは違うところがありました。遺伝子の疾患(トリーチャーコリンズ症候群)で人とは異なる顔で生まれてきて、27回にも渡る顔の手術を経験しているというところです。
彼の顔を見た人がびっくりするので、外に行くときは大きなヘルメットをかぶります。
今までは学校へは行かず、母のイザベルが教えていました。
しかし、10歳の中等部に上がる年齢になった時、学校に行くことになります。
(ポスターの写真が初めて学校へ行く時のです)
校長のトゥシュマンは事前にオギーを呼び、三人の同級生ー金持ちの家の子・ジュリアンと自分のことばかりしゃべっているシャーロット、そしてちょっと貧乏な家の子・ジャックーに学校を案内させました。
ジュリアンはなんか嫌な奴臭プンプンですねぇ。
彼は理科は絶対に取るなと言いましたが、面白そうだと思うオギー。

学校に初めて登校する日、ママは「相手より大きい人間になってね」と言い、パパはママに聞かれないように(笑)「押されたら押し返せ。人を怖がるな」、「ルール1・授業中に答えを知っていても、手をあげるのは一回だけ。ルール2・孤立してもお前は一人ではない」と言いました。
ママはちょっと怖いけど、パパは息子思いのいい人ですねww。
担任はブラウン先生。彼はウォール街で金融業をやってから教師になった人です。
彼は「どんな人間になりたいか、自分はどんな人間か、いつも問いかけてくれ」とみんなに言います。

同級生はオギーを遠巻きにし、話しかけてきません。話しかけてきたとしても意地悪な質問ばかりです。
自分の顔のせいだと思うオギーは、親にもそのことを言えず、くやしくて荒れまくります。
母は「心は人の未来を示す地図。顔は人の過去を示す地図なの。あなたは醜くないわ」と言いますが、オギーの心には届きません。

オギーには姉のヴィアがいました。
オギーが生まれてから、家族の中心はオギーでした。
「オギーは太陽で、ママとパパと私はその周りの惑星」と思うヴィア。
両親に心配をかけないように考え行動する、手のかからない子でした。
唯一の味方はおばあちゃんでしたが、彼女は亡くなってしまいました。
高校初日、友人のミランダが変わっています。
派手になり、新しい友人と一緒にいて、ヴィアに話しかけてこないのです。
そんなヴィアにジャスティンが話しかけてきます。
彼はヴィアが演劇に興味があると勘違いしたのです。
ヴィアは演劇に挑戦してみることにします。

母のイザベルはオギーが生まれてから手がかかるため、修士号を取って絵本のイラストレーターと美術の教師になるという夢を諦めていましたが、修士号取得のための論文を再び書き始めます。

オギーの学校生活はなかなか変わりません。
でも、隣に座っているジャックに理科のテストの答えを教えてやったのをきっかけに、彼と仲良くなります。初めてできた友達です。
しかし、ハロウィーンの日、仮装したオギーに気づかず、ジャックはジュリアンからオギーとのことをからかわれ、つい校長に頼まれたから一緒にいるんだと言ってしまいます。

悩んでいるヴィアに気づいたイザベルはハロウィーンの日に学校を休ませ、女二人で過ごすことにします。
キャンデーを食べ、リラックスしたので、さて、何があったのと聞き始めた時に、学校からの電話です。
オギーを迎えに行く母を見て、淋しさを覚えるヴィア。
オギーだけではなく、自分のことも見て欲しいのです。
学校から帰ってきて、荒れているオギーを、ヴィアはパレードに誘います。
偉いですね。なんだかんだあっても弟のことを愛しているんですね。
オギーからジャックとのことを聞き、自分とミランダとのことを話し、普通の子なら誰でも体験することだと諭します。

ジャックはオギーのことを親友だと思い始めていました。
しかし、ハローウィンの日、ショックを受けたオギーは彼を許せませんでした。
また一人でランチを食べるようになりますが、サマーがオギーのところにやって来て、ジャックと何かあったのか聞いてきます。
オギーはサマーも誰かから言われて来たんだろうと疑うのですが、サマーはキッパリと否定します。
いつしかオギーの周りに友達が集まるようになります。
ジュリアンたちはそんなオギーを疎ましそうに見ています。

そんなある日、ジャックはオギーのことを「ゾンビ」と言ったジュリアンを許せず、殴ってしまい、停学2日になってしまいます。

ヴィアは思い切って劇『我が町』のオーディションに出て、主役の代役に決まります。ヴィアはそのことを内緒にしていましたが、ボーイフレンドになったジャスティンがばらしてしまいます。
芝居を見に行くと言うイザベルに、ヴィアは今まで私のことを気にもかけていなかったのに、今になって何故口出しするの、見に来ないでと言ってしまいます。
オギーは僕の顔が醜いから、みんなに見せたくないから来て欲しくないのだと思ってしまいます。
芝居当日、ミランダはヴィアに体調が悪いと嘘を言って主役を譲ります。
ミランダの両親は離婚し、サマーキャンプに行かせられ、別人ごっこ遊びをしてヴィアになったので、それが後ろめたくて話しかけられなかったのです。
彼女はヴィアの暖かい家族が羨ましかったのです。
劇を見に来たというのにイザベルは眼鏡を忘れ、ネートの眼鏡を奪って娘の舞台を見ます(笑)。パパ、可哀想。
芝居は大成功に終わります。

理科の研究発表でオギーとジャックはタッグを組み、カメラ・オブスキュアを作り、1位になります。
ジュリアンはそんなオギーが気にくわず、嫌がらせがひどくなっていきます。
それを見ていた友人の一人が担任に知らせたことから、ジュリアンの両親は校長に呼ばれます。
彼らは息子がいじめをしているとは思っていません。学校に寄付をしていることを鼻にかけ、息子を停学にするなら学校を止めさせるとまで言いますが、校長は最後まで頑として折れませんでした。
ジュリアン君、君は大好きな学校から転校することになって初めて自分の行為を反省しました。遅いのよ。

学期の最後は野外学習です。
子ども達はいないので、イザベルとネートはワインで乾杯。
イザベルは書き上げた論文を見せ、ネートはプレゼントを用意していました。
一方、オギーはというと、上級生がオギーのことを「ゾンビ」とからかったため喧嘩をしてしまいます。
劣勢の時に友人3人が駆けつけてくれ、喧嘩に勝って嬉し泣きするオギー。
みんなで見た湖の夕日はさぞ美しかったことでしょう。

終業式にはアッと驚くことが・・・。

「偉大さは強さの中にはない。強さを正しく使うことの中にある。
最も偉大である人とは、自分自身の魅力で多くの人の心を動かす力を持っている」
                        ヘンリー・ビーチャー

このヘンリー・ビーチャーの言葉通りの人がオギーですね。

映画を観て、何で図書館のYAコーナーのお勧め本なのかわかりました。
続編の『もうひとつのワンダー』と『365日のWonder ブラウン先生の格言ノート』が発売されているので、興味を持った方は読んでみてください。
私はアガサ・シリーズが終わったら原文で読んでみる予定です。