坂木司 『アンと愛情』2020/11/10



『和菓子のアン』から始まり、『アンと青春』と続き、今回は三作目です。
デパ地下の和菓子店『みつ屋』でアルバイトしている主人公の梅本杏子(通称アンちゃん)は20歳になりました。
そう、成人式がありますね。
何歳になっても自分に自信がないのは変わらず、成人式用の着物もなかなか選べません。
好きな色と似合う色は違います。例えば黒って地味って感じですが、そこに柄が入ると派手に変わるのです。和服は洋服を選ぶのと同じではないようです。
コロナ禍の成人式はどうなるのでしょうね。
オンライン成人式って感じになるのかな?
それとも密にならないように、分けて開催するのかしら?
普通とは違う成人式でガッカリする人もいるでしょう。
でも、違う成人式も20~30年後にはいい思い出として、自慢できるかもしれませんよ。

このシリーズのお決まりの謎を紹介しましょう。
①宇宙モチーフで一年に一回(12月~1月)作られ、ドラマチックで華麗な物語を孕んでいる、お菓子に棒が刺さっている和菓子って何?
②なんでデパートってみんな一階が化粧品売り場なんでしょう。
③須賀神社の懸想文(ラブレター)売りは何故顔を隠していたのでしょう。
④お煎餅とおかきはどう違うの?
など他にも色々な謎があります。知らなかったことばかりです(恥)。

私はアンちゃんの自己評価の低さがあまり好きではありません。
まだ20歳なので、仕方ないのかもしれませんが。
彼女と同い年のテキパキとした仕事のできる女性がバレンタインフェアのお手伝いにやって来ます。
案の定、アンちゃんは自分と彼女を比べてしまい、自分の不出来さに落ち込んでしまいます。
でも同僚たちは違う評価をしています。
和菓子屋の場合、催事場か、デパ地下か、駅中か、町中か・・・どこにお店があるかによって必要な人材が変わるんですもの。
早く自分の良さがわかって、彼女ならではの力を発揮してもらいたいですね。

アンちゃんが気づいたことが若い人に参考になるかもしれません。

(考えが浅いのは、裏を返せば深く考える前に動ける自由さがあるってことじゃない?)
(弱点は、強みなのかもしれない)

高校と大学の違いって何でしょう。

「もしかしたら高校の勉強って、ざっくりと全体を教えてくれていたんじゃないだろうか。それで気になる勉強が見つかった人は、大学で細かく分野を選んで研究するように、とか」
「・・・資料の探し方、ネットと使い方、そういうのまで含めてが、きっと勉強なんだ。高校までとは違う、与えられた教科書をぼんやり眺めるのとは違う、自分で決める、勉強」
「大学はきっと、こういう「ぱかん」をたくさん見つけに行くところなんだ。なら、楽しいに決まっている。だって「わかる」って、すごく楽しいもん」

こういう風に思わずに大学に行ってしまいましたが、興味のもてることが見つかれば、勉強するのって面白いんですけど・・・。

尊敬していた人との別れを経験し、アンちゃんも色々と思うことがあり、自分の道をしっかりと歩んでいけるようになってきたようです。
これからの彼女は『みつ屋』の正社員になってもいいし、大学に行ってもいいし、まだ若いので、何でもチャレンジできますよね。

アンちゃんが友達と旅行するところとして金沢が出てきたのですが、行くことがあったら、『柿一』に行ってみたいと思って調べてみたら、そんな名前のお店はありませんでした。雅風堂のことかしら?
鈴木大拙館の庭と建物が素敵らしいらしいので、行って水鏡の庭で人生とはなんとやとか考えてみたいです(嘘)。
コロナが終息したら、まず最初に岐阜に双子ちゃんに会いに行き、その次に金沢で食べ歩きしたいものです。

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