「幸せなひとりぼっち」を観る2020/11/11

本屋大賞・2020年ノンフィクション本大賞は佐々涼子さんの『エンド・オブ・ライフ』に決まりました。
在宅医療についての本ですので、興味のある方は是非読んでみてください。



スエーデン映画。
原題が「オーヴェという男」で、ベストセラーの本を映画化したようです。
ポスターは英語版の方が好きです。
主人公のオーヴェの雰囲気出てますもの。
(ネタバレあり)

オーヴェは59歳。最愛の妻を亡くし、43年間働いてきた会社を首になり、生きていても仕方ないと思い自殺しようと思います。
首を吊ろうとした時に、前の道に車が入って来るのが見え、見に行くと、前の家に引越してきた家族でした。
上手く駐車できないようなので、運転を代わってあげます。

次の日の朝、駐車禁止の張り紙を貼ってから、いつものようにパトロールに行くオーヴェ。ガレージの戸締まりを点検し、ゴミの分別をチェックし、違反した車のナンバーを控え、外に出ていた自転車をしまい、砂場のおもちゃを片付け・・・。
ルールを守らないことが許せないのですね。
こんなおじいさん、いいえ59歳なのでおじさん(?)かしら、周りにいたら私なんか絶対に話しかけないわ。それでもみんな話しかけるのは何故でしょう?
奥さんが亡くなって間もないので、気にしてくれているのかもしれませんね。

再度、首を吊ろうと、ロープを首にかけたところ・・・今度はチャイムが。
前の家の子供がお礼にペルシャ料理を持って来てくれ、ついでにはしごを貸してくれと言います。
気分を変えて、再度トライすると、今度はロープが切れてしまいます。
その後どうしたかというと、わざわざ店までロープの耐久性の文句を言いに行きます。切れても仕方ないような細いロープですけど。もっと太いのを買いましょうね、笑。

今度はどうするのかと思ったら、昔の親友で今は半身不随になっているルネの家に行って貸していたホースを返してもらいます。
この二人、何やら因縁がありそうです。
ルネの奥さんはオーヴェと仲直りをしようとして、ランチに誘うのですが、オーヴェは頑として受け付けません。
ホースを使うと言えば、そうです、車の排気ガスを使うのです。
意識を無くし、昔のことを思い返していると、ガレージを叩く音に起こされます。前の家の夫がはしごから落ちたというのです。
妊娠しているイラン人の妻・パルヴァネは車の運転ができないので、オーヴェが彼女と子どもたちを病院まで連れて行くことになってしまいます。
パルヴァネが医師と話す間、オーヴェはこどもたちの面倒をみますが、警備員に危険人物と見なされ、病院から追い出されてしまいます。
オーヴェってくそ真面目な要領の悪い人ね。

次の日、駅でオーヴェはプラットホームから飛び降りようとしますが、彼より先に側にいた男が倒れて線路に落ちてしまいます。
その人を助けに線路に降り、ちょうど電車が来たのでそのまま線路にいようかと思ったのですが、子供が彼を見ているのに気付き、思いとどまります。
子供に見せたらトラウマになっちゃうもの。

そんなわけで、何回も自殺未遂を繰り返し、いい加減にしろよと思ったところに、パルヴァネが現れ、運転を教えて欲しいと頼んできます。
本当は嬉しいのに最初は断りますが、他の奴が教えているのが気にくわなくて、結局は運転を教えることにします。
なかなか一筋縄ではいかないですね(笑)。
パルヴァネと彼女のこどもたちと接するうちに、段々とオーヴェは変わっていきます。
彼はもともと心優しい人なのですが、それを表現できない不器用な人なのです。
たぶん奥さんはそれを知っていたのでしょうね。それでなければ彼のような人と長年一緒に暮らせないでしょう。私だったらサッサと逃げ出しますわ。

自殺を諦めたかと思ったら、今度は銃を持ち出します。
でも、またチャイムが。
今度は妻の教え子が友達のミルサドを泊めてくれないかと言ってきたのです。
ソーニャ先生なら泊めてくれると言われ、仕方なく泊めてあげます。
妻は彼にとって絶対的な存在なのですね。

次の日の朝、ルネが家族の意思に反して介護施設に連れて行かれると聞きます。
オーヴェはルネのために介護施設の不正を暴き、他の住民達と共に職員を追い帰します。
これでルネとオーヴェは仲直りできました。

自殺はできなくても、今度は身体が危険信号を出しました。
オーヴェは道で倒れてしまったのです。
医師は命に別状はない、心臓が大きすぎるだけと言い、それを聞いたパルヴァネは「本当に死ぬのがヘタクソね」と大笑い。
しかし笑っているうちに産気づいてしまいます。

パルヴァネも無事に出産をし、オーヴェも落ち着いたかという時、朝の8時なのに、オーヴェの家の前は雪かきがされていません。
パルヴァネは大急ぎでオーヴェの家に行きますが・・・。

人生って思い通りにはいかないものですね。
オーヴェの性格がこうなってしまったのも、どうしようもないなという感じです。
唯一の心のよりどころが妻のソーニャだったのね。
お墓で愚痴ったり、寝たり・・・死んでも奥さん大変そうです(笑)。
福祉国家であるスエーデンは一見よさそうなのですが、是正すべきところもあるのも仕方ないかなと思いました。

とにかくオーヴェ役の人、役にピッタリです。
頑固で偏屈、不器用、意固地、意地っ張り・・・でも寂しがり屋な感じが出ていました。

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