中山七里 『七色の毒』2021/02/07

刑事犬養隼人・シリーズの二作目。
一作目の『切り裂きジャックの告白』は読んでいたのに、もう一度読んじゃいました。これ読んだよな・・・と思いながら、笑。
2作目は絶対に読んでいないという自信があります・・・(たぶん)。


七色というのですから、七つの短編集です。

「赤い水」
名濃バス株式会社の高速バスの運転手の居眠り運転が原因で1名が死亡、重軽傷8名という大事故が起こります。マスコミのカメラの前で謝る運転手を見て違和感を感じた犬養が死亡した多々良のことを調べていくと…。

「黒いハト」
ある中学校で少年がいじめを苦に教室の窓から飛び降りて亡くなった。母親の携帯に遺言らしい声が残されていたため、所轄署は事故性のない自殺として処理。しかし学校側がいじめの事実を隠そうとしたため、改めて捜査することになる。

「白い原稿」
公園のベンチでロック歌手兼小説家の桜庭巧己がナイフが胸に刺さった状態で発見される。その3時間後、自称小説家の荒島が出頭してくる。彼はある文学賞を桜庭のせいで受賞できなかった恨みから犯行に及んだと言うのだが…。

「青い魚」
45歳独身の帆村は1人で釣具店をやっていた。三ヶ月前に20代の美人女性が現れ、なんと一緒に暮らすようになり、結婚まで約束するようになる。しかし兄だという男がやってきてから雲行きが怪しくなってくる。
ある日、三人で船を出してハギ釣りに行くことになる。

「緑園の主」
犬養はホームレスの塒が放火され、そこで寝ていた男が救急搬送されたという事件現場を訪れていた。その時に別の事故現場に行くように命じられる。中学生が部活動の後、帰り道で倒れ、搬送先で亡くなり、体内からタリウムが検出されたというのだ。目を覚ましたホームレスは死んだ中学生が火をつけたと証言する。

「黄色いリボン」
桑島翔には秘密があります。彼は毎日学校から家に帰ると女の子の格好をして化粧をして、ミチルとして過ごしているのです。
ある日、いないはずのミチルにダイレクトメールが来ます。それから知らない男や警察までやって来て、ミチルのことを聞いてきます。

「紫の献花」
名濃バス株式会社の運行管理係だった高瀬昭文が自宅で刃物で刺され死亡していました。彼は高速バス追突事故後、バス会社を退職していました。不思議なことに退職直後に生命保険に加入しており、その受取人が高速バス事故で怪我を負った樫山有希でした。樫山と高瀬には面識がありません。それなのに何故樫山を受取人に…?

なんで犬養にはわかるのかという思いで次々に読んでいきました。
人の中に潜む悪意って怖いですね。
犬養のように人(男限定)の嘘が嗅ぎ分けれれるのも良いようですが、私はそんな特技いらないです。騙されていたいかも(笑)。