読んだ本2021/04/03

すぐに読める本をまとめて紹介します。


行田尚希 『午後十一時のごちそう 三ツ星ゲストハウスの夜食』
ハーフの見かけと、手際の悪さから仕事場で疎んじられ、落ち込んだ御木本小町は鎌倉旅行を計画しますが、予約したホテルはオーバーブッキングで部屋が用意できませんでした。やっとホテル側が見つけてくれた宿にいくと、愛想のない男が応対します。そこは男二人が切り盛りするゲストハウスで、朝夕の食事はつかないのに、夜食がつき、その夜食はゲストが思い出の料理をリクエストしてもいいらしいのです。小町がリクエストしたのは母親の思い出のケーキでした。
小町はホテルの仕事をしていたので、結局このゲストハウスに就職しちゃいます。お客さんは全然来ませんけど、それでもやっていけるのには理由があったんです。

表紙の見かけで判断してはいけません。結構面白かったです。シリーズになってもいいぐらいです。

椹野道流 『最後の晩ごはん 初恋と鮭の包み焼き』
芦屋の定食屋「ばんめし屋」で働く元俳優の五十嵐海里は、朗読を習っていました。いよいよお客さんの前で朗読劇を…という時に、作家の淡海が書いてくれた登場人物に不快感を感じ、感情移入ができません。そんなわけで、海里は淡海の取材に同行し、役をつかもうとします。ロイドが一緒に行くと言って着いて来ます。元々眼鏡ですから、簡単に同行できますから、いいんですけど、笑。

さて、海里の家族の関係と朗読劇の出来がどうなるのか、気になりますね。
次巻に期待しましょう。

望月麻衣 『京都寺町三条ホームズ(16)見習いキュレーターの健闘と迷いの森/
      前編』
葵は家頭邸で行う円生の展覧会を任せられますが、なかなかいい案が思いつきません。
そんな頃、京都市北区役所から”京の町をもっと素敵にしたいプロジェクト”に「船岡山エリアを活性化させるための手伝いをしてほしい」という申し出が来ます。葵は円生の展覧会が気になりますが、手伝うことにします。
一方ホームズは祇園で地下クラブを経営する敦子からの依頼を受けますが…。

あの、この本、私は京都の新しい場所の開拓のために読んでいますので、特に男性の方、ミステリーだと思って読まないでね。ガッカリしますよ。
望月さんは道産子ですが、現在京都にお住まいです。
「アサヒビール大山崎山荘美術館」がよさそうなので、今度京都に行ったら行ってみようと思います。
船岡山エリアってどこかと思ったら、大徳寺の辺りなのね。大徳寺には行ったことがありますが、周りを歩いたことがないので、歩いてみたいわぁ…なんて感じですので、あしからず。

太田紫織 『櫻子さんの足下には死体が埋まっている 櫻花の葬送』
神居古潭の廃トンネルで重症を負った男を救い、家に戻ると、そこにいたのは警察。櫻子は警察に連れて行かれてしまいます。
正太郎はなんとか櫻子を連れ戻すことができましたが、すべてのことを終わらせるために、櫻子と惣太郎の死んだ過去と向き合うことにします。

この本もどちらかと言えば、旭川の最新情報を仕入れるために読んでいるという感じがあります。ライフ・ラプサンまで焼茶を飲みに行きましたもの。
今回で完結。ナガカッタ…。二人の未来に幸あれ、笑。

風野真知雄 『潜入味見方同心三』
将軍暗殺計画の捜査もあるのに、大奥にも行かなければならなくなる月浦魚之進。大奥のあんこ豆腐って何か、海狗腎は効くのか、おやじは何故おじやを出さなくなったのか、大泥棒たちが集まる秘密の「五右衛門鍋」の会はなんのための懇親会なのか、など色々と調べなければならないことがあり、大忙しです。
とぼけた感じの内容もいいですし、初心な魚之進の活躍がこれからも期待できます。

ジェーン・スー 『生きるとか死ぬとか父親とか』
ジェーンさんのエッセイです。
彼女は幼い頃結構いい生活をしていたようで、羨ましいですわ。
父親は色々と商売に手を出し、儲かったこともあったのですが、晩年は娘の世話になる始末です。でもそれを全然恥じていません。娘の金は自分の金、自分では出せない家賃の家に住もうとしたり、親戚付き合いも金がある人(娘)が出せばいいという感じです。
娘なら頭にくるでしょうが、読んでる方にしてみると、とても魅力のあるおやじさんなのです。
それにしても売れると作家はどれだけお金が入るのかしら?
私には一年分の家賃なんて払えませんわ、笑。
お勧めのエッセイ本です。

中山祐次郎 『走れ外科医 泣くな研修医3』
『泣くな研修医』と『逃げるな新人外科医』の二冊は面白く読みましたが、この本はちょっとという場面があり、あまり楽しめなかったです。
担当になった21歳の末期ガン患者の行きたいところに連れて行くんですよ。未成年ではないからいいのかしら?
富士山登山までやっちゃって、家族や主治医の了承を取っているのでしょうか?そこのところが書いていないので、気になりました。
富士登山中に何かあったら、周りに多大なる迷惑をかけるし、患者が死んじゃうことだってありえますよね。
装備や食料も足りなくなった様子も描いてあって、普通の登山者でも心配になります。読んでいて感動どころじゃなかったです。

清水秀茂 『獣医さんのイタい恋』
獣医さんが書いたものなので、産業動物獣医師のリアルな日常を垣間見ることができるので、獣医になりたい人の参考になると思います。
しかし、出てくる人たちがこれっぽっちも尊敬できなくて、困りました。
主人公の杉山は寡黙な人で、言わなければならないことも言えず、人付き合いが下手なので、他の人たちはそれを良いことにして、杉山に自分の過失をかぶせます。
彼は農業共済組合連合会の運営する県北家畜診療所に異動してきた日に、同僚の志崎あかねのことが好きになり、それから献身的な愛を捧げます。それがイタいというんじゃなくてキモいんですよ。犬に噛まれた腕を医師に見てもらうこともせず、痛みが愛の証なんて、気持ち悪ぅ~。周りも怪我に気づけよ!
所長は今年で定年だから何事も起こすな、大仕事は俺にさせるなという奴です。
杉山が犬に腕を噛まれているのも気づかず、話も聞かずに犬を殺したことを責めたてるんですよ。最低の上司です。
同僚の小泉は、農業共済組合の理事であり市議会議員でもある父親の庇護の下、彼女であるあかねから杉山を遠ざけようと画策します。彼は獣医2年目のあかねに、(女なんだからor自分と結婚するんだから)そんなに頑張って仕事を覚えることないんじゃないということを平気で言う奴です。
志崎は頑張ってはいるんだけど、周りが見えません。杉山が彼女のせいで犬に噛まれ、別の人が殺した犬を殺したと非難されていることさえ気づきません。小泉が杉山が彼女をストーカーしていると言って、県北家畜診療所の仕事を止めさせようと画策したことさえわかっていません。彼女ににはトラウマがありますが、それにしてもねぇ。
牧場主の方々もそれぞれ癖がある方々で、こんな所で働きたくないですわぁ。
畜産業に関わる方々ってこんな人ばかりですかぁ?

井上荒野 『静子の日常』
一年前から息子夫婦と同居した静子さんは75歳。
息子夫婦ともいい距離の取り方をしており、仲良く暮らしています。
フィットネスクラブに通い出し、水泳は初心者クラスから中級者クラスへと進みました。クラブの張り紙の多さに辟易しています。
ある日、自動販売機で缶ビールを買い飲んでいると、近くに新聞配達の青年がいて仲良くなり、孫娘が隠していたバーボンを一緒に飲んだりします。
孫娘のるかは高校に入ってから元気がありません。16歳の女子高生が75歳の老人よりもヒマなんですって。
るかはプロレスラーのバーボン鷲田に似ている新聞配達の山田暁のことが気になっていて、彼と仲の良い静子が羨ましいです。
そんな頃、息子の愛一郎の様子が変です。
それに気づいた静子は息子の秘密を突き止めることにします。

こんなおばあさんがいたらいいですね。いいえ、自分がこんなおばあさんになれたらいいなぁと思います。
ほんわか、いい気分になるお勧めの本です。


犬たちは元気に遊んでいます。


弟が兄に遊ぼうと言っています。兄はガルルと怒って噛みつきますが、甘噛みで血はでません。これが獣医さんの言う遊びなのかな?


弟は部屋中を駆けずり回るのでハアハアして、舌がベロ~ンです。


兄は終わると息も乱れず、あくびをして変顔です、笑。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://coco.asablo.jp/blog/2021/04/03/9363440/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。