ほしおさなえ 『言葉の園のお菓子番 見えない花』2021/04/14



勤めていた書店が突然閉店したため根津にある実家に帰った一葉は、別の仕事をしてもいいのではないかと思い、じっくりこれからのことを考えることにしました。
昨年亡くなった祖母の部屋に本棚を置くことにし、段ボールの中の本を棚に入れている時、祖母が連句を作っていたことを思い出します。
毎月第四土曜日に連句の集まりに通っていて、一葉も誘われたことがありましたが、一度も行ったことがありませんでした。
そういえば祖母は病院から戻れなくなったら、本棚のノートを見てほしいと言っていました。
ノートを探して見てみると、句とその下にメンバーの名前が書かれていました。
パージをめくっていくと、薄い紙が…。
そこには十二の月とそれぞれにお菓子の名前が書いてあります。
そういえば祖母はわたしは「ひとつばたご」のお菓子番だと言っていました。
その紙の裏を見ると祖母からの手紙が書いてありました。
一葉にお菓子をもって「ひとつばたご」に行って欲しいというのです。
一葉は連絡先のメールアドレスを探し、お菓子を持って挨拶に行くと書いて送りました。返事はすぐに来て、連句会に来て欲しいとのことなので、行ってみることにします。
今は三月。祖母のメモには「長命寺桜もち」と書いてあります。向島にあるお店です。一葉は午前中にこの店に寄って桜もちを買ってから連句会に行くことにします。

連句会は西馬込にある池上梅園で行われ、メンバーはみな心根の優しい人ばかりでした。
一葉は毎月連句会にお菓子を持って参加することになり、いつしか連句の楽しさに目覚め、新しい世界に足を踏み入れることになります。
そして思ってもいなかったことが新しい仕事へと繋がっていきます。

連句ってどんなものか知りませんでした。
「複数の人が、十七音節(五七五)の長句と十四音節(七七)の短句を、一定の規則に従って交互に付け連ねる様式の詩文芸」だそうです。
と言っても、どんなものかわからないかもしれませんね。詳しく知りたかったら、どうぞ本を読んで下さい。
私はこの本を読んでもよくわかりませんでした、恥。
ルールがあって、覚えるのが大変そうなのだけはわかりました、笑。
テレビの「プレバト!!」なんかで俳句をやっていますが、作ってみると、物の見方が変りそうですね。
手始めに歳時記を買って読んでみることにしました。

そうそうお菓子のメモが気になった人もいるでしょうね。(私だけ?)
残念ながら1月から8月までのお菓子しか書かれていません。
どのお菓子も有名店のもので、私が食べたことのあるのは、長命寺の桜もちと言問団子だけ(たぶん)です。
食べてみたいと思ったのは、麻布昇月堂の一枚流し麻布あんみつ羊かんです。
あんみつと羊羹のいいとこ取りかしら。
物語は3月から8月までだったので、もしかしたら9月から2月までの、一葉が仕事を決めるまでを描いた続きがあるかもしれませんね。期待しましょう。
9月から12月まで、どんなお菓子か興味があります、笑。


夫のランチのパンです。
パン屋のパンはやっぱり美味しいものね。


これぐらいで2週間持たせる予定ですが、ちょっと多いかも。
前からネット販売していたのかどうか知りませんが、パン屋さんが送ってくれるのはありがたいです。