「ヴィンセントが教えてくれたこと」を観る2021/04/15

本屋大賞が発表になりましたね。
大賞は町田その子の『52ヘルツのクジラたち』、翻訳小説部門ではディーリア・オーエンズの『ザリガニの鳴くところ』が1位です。
少しずつ大賞作品を読んでみようと思いますが、図書館ではなかなか借りれないでしょうね。


(ネタバレあり)

ヴィンセント・マッケンナは偏屈な嫌われ者のクソオヤジです。
りんごを盗み、腹ボテの娼婦と交わり、酒とギャンブルでいつもお金がありません。
銀行の融資課に行き、家を担保にして金を借りようとしますが、すでに限度額に達しているので借りられず、貯金を解約しようとしますが、口座はマイナス。
それなのにまた酒浸り。

ある日、氷を割ろうとして、すべってころんで頭を打って、気を失ってしまいます。ドジですね。
翌朝、隣の家に母と息子が引越して来ます。引っ越し業者の車がヴィンセントの家のフェンスと木を倒してしまい、罵り合う声のうるささに、ヴィンセントは目を覚まし、彼らを口汚く罵ったので、親子はびっくりします。
まあ、なんて下品な人!
母親はマギー・ブロンスタンと言い、浮気した夫と離婚するため別居をすることにしたのです。夫とは親権を巡って争っています。医療技術者の仕事をしています。
息子のオリヴァーは運動が全く駄目で、今度通うことになった学校でも転校早々いじめの対象になってしまいます。

ヴィンセントは少しでもお金が欲しいので、オリヴァーのシッターを申し出ます。
マギーは他に頼る人がいないので、心配ながらもオリヴァーをヴィンセントに預けることにします。
ヴィンセントのことですから、マギーには内緒でオリヴァーを競馬場やバーに連れて行き、ろくでもないことを教えます。
オリヴァーが学校でいじめられていることを知ると、鼻のへし折り方まで教えちゃいます。ドッジボールで顔にボールを当てられ頭にきたオリヴァーは、教えられた通りにケンカをしてしまいます。

ヴィンセントの妻のサンディは認知症で老人施設に入っています。
施設の料金を滞納しているため、もっと料金の安い施設に移ることを勧められています。
妻のためになんとかしてお金を用意したいヴィンセントは、施設から薬を盗み売りますが、大したお金にはなりません。仕方ないので孫の口座から全額引き出し、最後の望みと馬券を買います。大バカですね。
負けて家に帰ると、借金取りがいて、妻のジュエリーを持って行こうとします。
止めようとして、ヴィンセントは脳卒中を起こして倒れてしまいます。
ヴィンセントが迎えに来ないので、一人でバスに乗って帰ってきたオリヴァーが見つけて病院に運んだので、ヴィンセントは助かります。
リハビリに励み、何とか家に帰れることになったのですが…。

その頃、オリヴァーは学校で「私たちの周りの聖人」を探し、発表することになります。
オリヴァーが選んだ聖人は…。

原題を見てしまうとわかってしまいますね。
「聖人は人間だから、悪いところもあるよ」ってことで、ハッピーエンド。

ビル・マーレイが嫌われもので偏屈だけど優しいところもあるクソオヤジを見事に演じています。
オリヴァーの発表で泣かせられるのですが、クズはクズのままで終わるところがいいですね、笑。
エンドロールまでしっかりと見ましょうね。