「博士と狂人」を観る ― 2021/06/22
メル・ギブソンとショーン・ペン主演の映画。
久しぶりのメル・ギブソン。「マッドマックス」や「リーサル・ウェポン」の時の彼しか知らないので、こういう映画にも出るのだと嬉しい驚きです。
実話に基づいたお話です。
「Oxford English Dictionary(オックスフォード英語辞典)」って知っていますか?
世界でもっとも権威があるとされている英語辞書の一つです。
OEDは普通の家庭にはないでしょうね。何しろ最新版の第二版は本体20巻、補遺3巻ですから。
英文科の学生とか英語の専門家じゃなきゃめったに手に触れないでしょう。
この辞典は12世紀半場以降の英語(一部はさらに古い)をすべて採録することを編集方針とし、1857年にロンドンの言語学会で出版の提案がなされ、1928年に全10巻の完全版が発行されました。(「ブリタニカ国際大百科事典」)
OEDには11世紀半ばから現在までの語彙が収録されており、各語、語義ごとに初出の文献の用例を掲載し、順次時代を追って、現在にいたるまでの意味や用法の変遷が記録してあります。
ジェームズ・マレーはスコットランドの小さな町に仕立屋の息子として生まれました。家は貧しく、高等教育を受ける余裕がありませんでしたが、向学心が強く、あらゆるものに興味を示し、独学しました。
マレーは学士号を持たない学者でしたが、1879年から編集主幹となります。
彼は英語を話す全ての人々に辞書作りのために本を読み引用文を送ってくださいという声明文を出します。
彼のところに続々と郵便が届き、その中にほぼすべてが使える、大量の資料を送ってくる人がいました。
ウィリアム・チェスター・マイナーでした。
ウィリアム・チェスター・マイナーはアメリカの上流階級出身の元軍医で、南北戦争のトラウマから精神を病んでいました。
ロンドンで殺人を犯し、心神喪失で無罪になりますが、ブロードムーア刑事犯精神病院に保護措置により拘束されていました。
マレーとマイナーの友情を基に、マイナーとマイナーが殺した男の妻との交流や出版社との軋轢など辞書編纂以外の見所が満載です。
英文科の学生とか辞書に興味のある方が観ると、より面白く観られるのではないかと思います。
よく70年ちょっとで出来たものですねぇ(溜息)。
純粋に辞書編纂の苦労を知りたかったら、『船を編む』をお読みください。
映画は観ていないのでなんとも言えませんが。
今週のおやつ。
上から撮ったのでなんだかわかりませんが(笑)、抹茶ケーキです。
冷凍なのでまだ食べていませんが、美味しければいいなぁ。
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