「星の旅人たち」を観る2021/07/05

コロナ禍で旅行に行けないので、映画で行くことにしました。
「ノマドランド」ではアメリカンの広大な土地を堪能しましたが、今度はスペインの聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼の旅、800㎞の旅です。
簡単に言うと、日本のお遍路みたいなものかな?

監督はエミリオ・エステベスで、主役を演じるのが実の父、マーティン・シーン。
エミリオも息子役で出ています。
ここの家族は俳優一家で、チャーリー・シーンはこの頃映画で顔を見ていませんが、エミリオの弟です。


カリフォルニアで眼科医をしているトム・エヴリーが友人とゴルフをしている時に電話がきます。
世界を見たいと言って旅に出ていった一人息子のダニエルが、聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼の初日に、ピレネー山脈で嵐に巻き込まれて亡くなったというのです。
トムは遺体を引き取りにスペイン国境に近いフランスの町、サン・ジャンに行きます。
汽車でトムは息子との会話を思い出していました。

前にトムはダニエルに二人で旅に行こう、親子の旅は楽しいよと言われていました。それなのにトムは冷たく「普通の人はフラッと旅になんか出ない」と言ったのです。
ダニエルは「人生は選ぶんじゃない、生きるんだ。ジャッジしないでくれ」と返していました。

駅には3回巡礼の道を歩いたという警官・セバスチャンが迎えに来ていました。
モルグで息子と対面し、彼の巡礼手帳とバックパックを渡されます。

レストランで座っていると、ヨストという若者が相席してもいいかと聞いてきます。
彼はトムが汽車にいたのを覚えており、自分は兄の結婚式まで痩せて妻と主治医を喜ばせたいから巡礼の旅に出るのだと話します。

その夜、バックパックの中を見ているうちに、トムは息子が辿れなかった巡礼の道を歩いてみようと思いつきます。
次の日、セバスチャンのところに行き遺体を火葬してもらい、彼に"The Way”を歩くとトムは言います。
60歳を過ぎてトレーニングもしていないのに歩くのは無謀だと言われます。
しかしトムは一人ではない、息子と二人で歩くのだと言います。
四国巡礼は同行二人、弘法大師が共にいてくれると言いますが、トムの場合は息子なのですね。

トムが出発するときにセバスチャンは見送りにきてくれます。
息子のために"The Way"を歩くというトムにセバスチャンは道は自分のために歩くものだと言い、クルス・デ・フェロで役立つからと言って石をくれます。
実はセバスチャンも息子を亡くしていたのです。

トムは息子の遺灰をまきながら歩き始めます。

途中で前に会ったヨストに再会し、トムにからんできたカナダ人女性・サラやアイルランド人の作家・ジャックと出会い、成り行きで四人で一緒に歩くことになります。

サラは煙草を止めるために、ジャックは小説を書くために歩くと言いますが、トムは頑なに歩く理由を明かそうとはしませんでしたが、口が軽いヨストが他の2人に話してしまいます。

ある日、エル・シドの墓があるというカセドラルの入り口にトムが不用意に置いたバックパックが盗まれてしまいます。
しかし盗んだ子供の父親が戻しに来ます。
彼はダニエルの遺灰をムシーアにあるバルカ聖母教会まで持って行き、そこで海にまくといいと教えてくれました。

ダニエルたちは聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラに向けて歩き続けます…。


聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラまでは800㎞ですから、約一ヶ月かかるそうです。
ちなみに四国巡礼は1200㎞です。
四国の場合は山道と言ってもそれほどたいしたことなさそうですが、この巡礼の道はピレネー山脈を超えなきゃならないそうですから、超えるまでがちょっと大変そうです。
嵐の時はダニエルのように命を落とす人がいるのでしょうかね。
宿泊施設でみんなでテーブルを囲み、ワイン片手に楽しく食事をする様子がとてもよかったです。
巡礼だからとかまえずに、楽しみながら歩いて行こうという感じ、信仰のためというより、観光目的の人の方が多そうです。
巡礼の三種の神器というのがあり、ホタテ貝と瓢箪、杖だそうです。
ホタテ貝は聖ヤコブの象徴で、巡礼者であることを表すもの、瓢箪は水筒の役目、杖は長い道のりを歩く道中の身体の支えになります。
日本では遍路用品が色々とあり、お金がかかりそうですね。
もっと気楽に出来ないものかしら…。

トムはこの巡礼の旅に味をしめ、旅に出るようになったようです。
旅に出られるようになったら、この道を歩いてみるのもよさそうです。
スペインにはまだ行ったことがないので、ポルトガルと一緒に行きたいです。

そうそう、原題が"The Way”なのに、なんで「星の旅人たち」なのかしらと不思議に思いました。
息子の死を扱っていますが、深刻な映画ではなく、十分に旅の醍醐味を堪能できる映画ですので、スペインワイン片手に気楽にお楽しみください。
大きい画面で観るといいですよ。私はパソコン画面で我慢していますが。


夜中の三時過ぎにママが目を覚ますと、やってくる兄犬。
それから一緒に5時過ぎまで寝ます。


この頃、妙にかまって欲しがります。
今朝も僕、部屋に帰るの嫌ですと、このようにふせをして居座っていました。


弟はトリミングのせいか、顔がちょっと変ってきました。
おじさんの顔になっています。
8月には7歳、人間では44歳になります。立派にオヤジです。