石田衣良 『炎上フェニックス 池袋ウエストゲートパークⅩⅦ』2021/09/30



お馴染みのトラブルシューター、マコトとGボーイズのキング、タカシたちが池袋に起るトラブルを解決していくシリーズ。
今回は4つの今、問題になっている社会問題を扱っています。

「P活地獄篇」
P活とはパパ活で、PJがパパ活女子のこと。
コロナ禍の今、非正規労働者で飲食店などに勤めていた人たちは働くところがなくなり、P活をやる羽目になってしまった女子もいるのでしょうね。パパ活の是非はここでは述べませんけど…。

マコトのところに高校の先輩のトウヤが相談に来ます。マッチング・サイトで出逢った女性が辞めようとしたら、恐喝され、身の危険を感じているというのです。
ハッカーのゼロワンとGボーイズの登場です。

「グローバルリングのぶつかり男」
大分前にニュースでぶつかり男を見たことがあります。
地下鉄かJRの通路を歩きながら、次々と若い女性にぶつかっていくのです。何が面白いのか、全く理解できません。当たり所が悪ければ、怪我をしますよね。何を考えているのでしょうね。
ぶつかり男と言えば、私も被害に遭ったことがあります。私の場合はぶつかり「老人」でしたけど。JRのホームの階段を上っている時に、降りてきた老人に思いっきり突き飛ばされたのです。びっくりしました。手すりに掴まったので、なんとか落ちずにすみました。自分が階段を降りようとした時に邪魔だったからでしょうが、階段から落ちていたら…と思うと怖いです。

マコトがぶつかり男を探そうと思ったきっかけは近所の焼肉屋の隠居・晴美バアがぶつかり男にぶつかられ、怪我をして入院したからです。
ぶつかり男は水曜日に登場します。何で水曜日なのか。マコトの勘が冴えます。

「巣鴨トリプルワーカー」
マコトがコラムを連載している雑誌の副編集長から旅行ライターのゴロウを紹介されます。彼は旅行代理店に勤めながら旅行ライターをし、コロナ禍でデリバリー配達員もするようになったそうです。
最近彼の自転車が仕事中にいたずらされ、その上脅迫状まで届いたというのです。
マコトはしばらくゴロウと行動を共にすることにします。

「炎上フェニックス」
タカシから呼び出しが来ます。行ってみると、MBCの元アナウンサーがいました。彼女はストーカー被害に遭い、加害者が自殺。その後彼女のsnsや局の公式HPに彼女を非難する書き込みが殺到しているというのです。
マコトたちはその中から特に内容のひどい人と会うことに…。

毎回どんな社会問題が取り上げられるのか、楽しみにしています。
今回は解決策があっさりしているように思いました。
短編ではなく読み応えのある長編も書いてくださると嬉しいのですけど。
世相が反映されているので、後で読むと思い出せていいかも。

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