おじいちゃんが頑張る映画2021/11/16

観た映画が溜まっているので、4作品一遍に紹介します。
まず最初はアルゼンチンからポーランドまでという長い旅をしたおじいちゃんのお話です。


「家へ帰ろう」
アルゼンチン、ブエノスアイレスに住む年老いたユダヤ人の仕立屋ブルスティン・アブラハムは明日老人ホームに入ることになっていた。
しかし自分の仕立てた最後のスーツを見て、決意する。
第二次世界大戦の時に自分の命を助けてくれた友人にこのスーツを渡すのだと。
アブラハムは一人で飛行機の手配をして、ブエノスアイレスからマドリッド、パリを経由してポーランドへと旅立つ。
旅の途中で様々な人に出会い、助けてもらう。
はたして故郷の町ウッチで友に会えるのだろうか。

頑固なアブラハムに何故みんな優しいんでしょうか。
マドリッド行きの機内で隣に座った男性、ホテルの女主人、パリの駅で困っているアブラハムに話しかけてきたドイツ人女性、ポーランド人看護師など出会った人はみな彼のために力を貸してくれます。
特にドイツ人女性のことが印象的です。彼女は文化人類学者でイディッシュ語を話せますが、彼女がドイツ人だとわかった時にアブラハムは頑なな態度を取ります。
それでも彼女は乗り換えのホームでドイツの地に足をつけたくないと言うアブラハムのために知恵を絞ってくれます。
ヨーロッパでは戦争から何年経とうが、戦争の記憶は薄れていないんですね。
そういえばアブラハムが勘当した末娘が腕に囚人番号(たぶんアブラハムの番号だと思います)を入れ墨していました。彼女の本当の気持ちはそこに現れています。
是非ハンカチを持って観てください。


「ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅」
ウディ・グランドが一人で高速道路の脇の歩道を歩いていると、警官に声をかけられる。
彼は「100万ドルが当たりました」というインチキ広告を信じ、100万ドルをもらいにネブラスカまで歩いて行くと言う。
長男のロスは父親を老人ホームに入れた方がいいと言うが、次男のディビッドはそうもできず、警察から連絡が来るたびに父親を迎えに行っている。
口やかましい母のケイトはそのたびに激怒する。
父が言うことを聞かないので諦めたディビッドは、父をネブラスカまで車で連れて行くことにする。
旅の途中でウディは頭から血を流したり、入れ歯をなくしたりして困らせた上に、故郷にいる兄弟家族に100万ドルのことを話してしまい、彼が大金持ちになったという噂が町中に広まり、面倒なことに様々な人がウディに会いにやって来る。
さて旅の終わりにウディは納得できたのか…。

ちょっと気が弱そうだけど、心根の優しい息子がお父さんの故郷に行き、知らなかった父と母のことと100万ドルに固執する父親の気持ちを知ります。
なんてことのないお話ですが、お母さんのお下品さと町の人々の強欲なところがとっても印象に残りました、笑。
最後の息子の心意気が憎いです。


「グラン・トリノ」
クリント・イーストウッド監督・主演の映画です。
グラン・トリノとはフォードが1972年から1976年の間に生産した車だそうです。

ウォルト・コワルスキーは朝鮮戦争に従軍後フォードの組立工をしていたが、今は引退して悠々自適の生活をしている。
愛想の悪い頑固で偏屈な老人で、妻は亡くなり、2人の息子たち家族とは上手くいっていない。ヴィンテージ・カーのグラン・トリノを大事にしている。
どうも隣に住むモン族の人たちを苦々しく思っているようだ。
ある日、隣の息子のタオがグラン・トリノを盗みに来るが、ウォルトがライフルを持っていくと逃げていった。タオは不良グループに入っているいとこたちにそそのかされたようだった。
不良たちはしつこくやって来てはタオを連れていこうとし、タオの家族はそれを阻止しようとしていた。
たまたまウォルトの家の敷地に入ってきたので、ウォルトはライフルを持っていって彼らを追い返す。
その翌日、ウォルトの家の玄関前に隣の家族からのお礼の印の花や食べ物が置かれていた。
迷惑に思うウォルトだったが、タオの姉のスーが3人の黒人に絡まれているのを助けてから、だんだんとタオたちと親しくなっていく。
やがてタオはウォルトの紹介で建築現場で働くようになる。
しかしそれをよく思わない不良たちがタオに絡み、顔に根性焼きをする。
それを見つけたウォルトは激怒し、不良たちを痛みつけ、タオに手を出すなと脅しつけた。
不良たちはその報復としてタオの家にマシンガンを撃ち込み、スーを拉致して酷い暴力を振るった。
ウォルトは自分の軽はずみな行為を反省し、老い先短い自分のことを考え、タオたちのためにどうすればいいのかを決める。
彼のとった行動とは…。

おじいさんになってもイーストウッドは格好いいですね。
命を懸けて大事なものを守るというのは男の美学ですか。
何故モン族の人たちがアメリカに移住しているのかが気になりました。


「ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像」
ヘルシンキで小さな美術店を営むオラヴィ・ラウニオは引退を考えていた。
オークションの下見に行った先で、サインがなく作者不明とされていた一人の男の肖像画に目を奪われる。名のある画家の作品ではないかと思ったのだ。
その頃、音信不通だった娘のレアから息子のオットーの職業訓練を店でさせてくれないかと頼まれる。
例の肖像画を誰が描いたかをオットーと共に調べ、やがて二人はロシアの巨匠イリヤ・レーピンが描いたことを突きとめる。
オークション当日、オラヴィは一万ユーロで肖像画を落札する。
しかし絵を売ろうとすると、絵の価値に気づいたオークションハウスの社長が邪魔をし、売ることができなかった。
失意のオラヴィに美術館から連絡が来る…。

仕事に邁進し、一人娘をないがしろにしていたオラヴィですが、最期にやっとオットーを仲立ちにして仲直りができてよかったですね。
なんでレーピンがサインをしなかったのか。それには理由があったのです。
何故かは映画を観て確かめてください。ロシアと一人の男というところでわかる人にはわかるでしょう(たぶん)。
フィンランドのヘルシンキの街並みが美しい映画です。

どの映画もおすすめです。

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