美味しい映画2021/12/28

美味しそうな食べ物が出てくる映画が好きです。
今年観た映画で三作品を紹介しましょう。
どの映画もとっても美味しそうですよ。


「エイブのキッチンストーリー」
NYのブルックリンに住むエイブは食べ物が好きで、食べ物よりも好きなのが料理という男の子。
人と話すよりも料理していた方がいいというぐらいです。
12歳の自分の誕生日にケーキを作るエイブですが、母親は料理には関心がないようで、家には重曹しかありません。ケーキが膨らまないではないですか。

実はエイブの家は父はパレスチナ人、母はイスラエル人。
父母は無宗教だと言っていますが、父方の祖父母はムスリムで、母方の祖母は亡くなっていますが、祖父はユダヤ教徒です。
彼の名前のエイブラハムを父方の祖父母はイブラハムと呼び、母方の祖父はアブラハムと呼びます。だから彼はエイブと名乗っています。

エイブの誕生日に集まったというのに、いつものように父方と母方の祖父母の間で文化的、宗教的な諍いが起ります。
自分の部屋に戻ったエイブはネットでいろいろな国の料理を掛け合わせたフュージョン料理を見つけます。
新しいブラジルのファラフェルを作ったのがチコという料理人でした。
エイブは家を抜け出し、チコに会いに行き、彼からアカラジェをご馳走になります。

夏休みになり、エイブはクッキングサマーキャンプに入れられますが、やっていることが低次元なので行かないことにし、チコがどこにいるか調べて押しかけます。
ラーメンタコスを食べて貰おうとしますが、フュージョンではないと断られます。彼を可哀想に思ったのか、チコから平日に数時間、料理を教えてもらえることになります。
最初は洗い物とゴミ捨て、しばらくして仕込みがすむと屋台でレモネードの販売、それからやっとナイフを持って皮むきと食材の味見と、徐々に料理を教えてもらえるようになりました。

しかし、エイブがサマーキャンプに行っていないことがバレてしまい、パソコンも携帯も取られ、外出禁止になってしまいます。

感謝祭の日、エイブは家族の絆を取り戻すために祖父母を招き、イスラエルとパレスチナのフュージョン料理を作り、食べさせることにします。
しかし…。

パレスチナとイスラエルですから、昔から色々なことがあり、なかなか仲良しにはなれませんよね。それでも家族になったんですから考えて欲しいのですが、祖父母は大人げないにもかかわらず頑固で曲げません。間に立つエイブ君が可哀想ですねぇ。
料理人のチコがいい人でエイブに逃げるな、立ち向かえと教えます。
これからも祖父母の間にもめ事は起りそうですが、エイブ君は料理を通してなんとか両国間に平和をもたらしてくれるでしょう。
エイブ役のノア・シュナップがとっても可愛いです♡。
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「世界で一番しあわせな食堂」
フィンランド、ラップランド地方の小さな町、ポポヤンヨキでバスから降りる中国人の父(チェン)と子(ニュニョ)。
バス亭近くの「シルカ食堂」に入り、店が閉まるまで食堂に来る人みんなにフォントロンという男を知らないかと聞いています。
ホテルがないかと聞かれた食堂の女主人のシルカは、彼らに自分の家の部屋を貸してあげることにします。

翌日も彼らは食堂に来る客たちにフォントロンのことを聞いています。
そこに突然中国からの観光客がやって来て、シルカは大慌て。
彼女が困っているのを見て、チェンは手伝うことにします。
実は彼は料理人だったのです。
このことがきっかけになり、シルカがフォントロン探しを手伝ってくれるのと引き換えに、チェンはシルカの食堂で働くことになります。

初めはチェンの作る料理を避けていたフィンランド人たちでしたが、いつしか彼の作る料理を食べると体調がよくなることに気づき、彼の料理のファンになっていきます。
そしてチェン親子とシルカも心を通わせるようになります。

チェンの作る料理の美味しそうなこと。
息子のニュニョがゲームばかりしていて、この子はなんなのと最初は思いましたが、彼にも色々とあったのです。
「美味しい料理は人を幸せにする」
チェンの料理を食べた人ばかりか、チェンまでも癒やされ、幸せになっていく映画です。
フィンランドの自然が美しく、旅に出たいなと思いました。
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「ホノカアボーイ」
レオは彼女にフラれ、大学を休学し、ハワイ島のホノカアの映画館で働き始めます。
ある日、ビーという老女のところに小麦粉を持っていき、台所にあった魚の煮付けをつまみ食いしてしまいます。
なんとその魚はネコのえさ。
ビーに「またいらっしゃい。今度は人間のえさを作ってあげます」と言われます。
それからビーは毎日レオに食事を作ってくれ、レオはビーのところで食事をするのが習慣になります。

しばらくしてレオはあずま屋のマライアに一目惚れをしてしまいます。
ビーは新しいドレスを着てレオに見せますが、レオは気づきもしません。
実はビーはレオに亡くなった夫の面影を重ねていたのです。
それなのにレオはマライアとのデートに夢中になり、ビーとの食事を忘れてしまう始末。
その上レオは自分の誕生日の日にビーの家にマライアを連れて行きます。
料理を食べてしばらくして、マライアは具合が悪くなります。
彼女はピーナッツアレルギーなのに、食事の中にピーナッツが入っていたのです。
怒ったレオはビーに電話をかけ、何故ピーナッツを入れたのかと責めます。
その日、マライアの病室には元彼が来ていました。

レオとの電話の後、ビーは脳内出血を起こし倒れてしまい、その後遺症で両目が見えなくなってしまいます。
レオはビーに謝り、映画館が閉鎖した後もホノカアに残り、ビーと一緒に暮らすことにします。

嵐が来た日の翌朝。
レオが目覚めると、「行ってきます」という声がして、どこにもビーはいません。
「この町では死んだ人はみんな風になる」という言い伝えがあります。
ビーは風になったのでしょうか。

一年後。
社会人になったレオがホノカアにやってきて、ビーの家に行きます。
アーカンベーをするビーに「ごちそうさま」と言うレオ。
虹がでています。

なんとものんびりした田舎町ホノカアって日系人の町なんでしょうか。
登場人物たちがみなほっこりしています。
レオ役の岡田将生君が純粋な何も知らない若者、そのままでした。
この時にしか演じられない役ですね。
現実を忘れたい時に見るといいかも。
ハワイに行きたいわぁ。
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