和田はつ子 『団十郎菓子 料理人季蔵捕物控』2022/01/10

道路の雪も解け、心配性のパパが許したので、ママもお散歩に行けるようになりました。


今日は住宅街には人がいません。みんな繁華街に遊びに行ったのでしょうか。


一膳飯屋「塩梅屋」の主・季蔵のところに岡っ引きの松次が一人でやってきます。
彼が言うことには、二月ほど前から塩梅屋の下働きをしている三吉が納豆売りを、そして弟分の船頭・豪助が浅蜊売りをしているというのです。
しばらく会っていない豪助はともかく、三吉が納豆売りをしていることに季蔵は全く気づいていませんでした。
塩梅屋から給金をもらっているのに、どうしてまた納豆売りをしているのか、打ち明けて欲しかったと思う季蔵でした。

そんな頃、豪助が塩梅屋にやってきます。
浅蜊売りの件を問いただすと、豪助の妻のおしんの漬物の売れ行きがよくなく、気落ちしたおしんが、不幸は父親と姉の祟りだと言い出し、霊媒師・飛鳥女のいいなりになって供養の金を出している。今度は店を売って、飛鳥女が近く催す競りで織田信長の持ち物だった『敦盛』の笛を落とすと言ってきかない。このままではおしんが騙されてすっからかんにされそうで心配しているのだと言います。
季蔵はおしんを守るために競りに参加することにします。

豪助の件が上手く解決した後、懇意にしている菓子屋「嘉月屋」の主の嘉助がやってきます。
彼は三吉が深川の仲町にある團十郎菓子の店を任されている。行く行くは三吉を養子に迎え、嘉月堂を継いでもらうことも考えていたが、菓子屋仲間の間で問題になっている半分屋が作って売っている團十郎菓子の急先鋒となった三吉を跡継ぎに考えることができなくなったと言います。
季蔵は嘉助が帰った後、三吉がいるという店まで行ってみます。
三吉は白地に龍をあしらった褞袍を着て、顔に隈取りをし、同じような格好をした女と一緒に團十郎菓子を売っていました。静観することにする季蔵でしたが、それからしばらく経った明け方に三吉がやって来て、一緒に團十郎菓子を売っていたお葉菜が死んだと言います。
どうも三吉はお葉菜のことが好きだったようです。
三吉はお葉菜殺しの容疑をかけられてしまい、季蔵は三吉の容疑を晴らすために奔走します。

三吉の容疑が晴れたというのに、今度はお奉行の烏谷が苦境に追い込まれます…。

大忙しの季蔵です。
美味しそうな料理も出てきますが、料理の描写がこんなにいるのかと思います。
残虐な殺人と美味しい料理なんて、そぐわないですもの。

今回は疾風小僧も出てきます。
そして瑠璃に思いを寄せる季蔵のライバルが現る!?
このシリーズも42冊目なんですね。
そろそろ季蔵にも幸せになってもらいたいですね。

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