長岡弘樹 『教場X 刑事指導官・風間公親』2022/03/03

「教場」シリーズも五作目。
題名を見ておわかりのように、風間が警察学校に赴任する前の「風間道場」時代を描いた、短編集です。
「風間道場」では、各署にいる新人刑事の中から経験三ヶ月程度の者が一名選ばれ、本部へ派遣され、風間の下で三ヶ月間、OJT方式でみっちりと”刑事道”の教えを受けるのです。


一年半ほど前から県下では通り魔事件が続発していた。同一の人物が連続して犯行を重ねているのではないかと警察は見ていた。

「第一話:硝薬の裁き」
質屋「ポーンショップ海藤」でガンマニアの海藤克剛が死んでいた。テーブルの上には遺書らしきものがあり、使われたのは密造した拳銃だった。

「第二話:盲信の果て」
山間部にある民家で大学教授の梨多がテラスで写真を撮っていて、転落死したらしい。事故死と思われたが、何故か彼の首にはカメラのネックストラップがかかっていなかった。

「第三話:橋上の残影」
歩道橋で刃物で腹部を刺された男の死体が発見された。顔と指先が焼けただれており、身元を特定するのは不可能だった。三ヶ月前にも近くで通行人が腹を刺される事件が起きていた。二つの事件は同一犯人によるものなのか?

「第四話:孤独の胎衣」
工芸家の浦真幹夫が自宅で遺体となって発見された。頭部を灰皿で殴られているようだ。室内の薪ストーブに煙道火災が起こっており、床に散らばった皿の中の一枚には埃がついていなかった。

「第五話:闇中の白霧」
姉夫婦の家に遊びに行っていた県警本部の捜査一課の紙谷朋浩は、姉の家の隣に住む女性が昏倒する場面に遭遇する。すぐに救急車を呼ぶが、女性はその場で死亡する。

「第六話:仏罰の報い」
著名な有機化学者・清家総一郎の自宅で、娘婿の甘木保則の遺体が見つかる。
第一発見者は清家で、通報したのも彼だった。何者かが侵入し、正確に心臓の位置を背中から刺し、逃走した形跡があった。
清家は実験中の事故で失明していた。

毎回選ばれた新人刑事が現場に呼ばれ、風間の指導により追い詰められ、自らの頭で真相を推理し、被疑者と対峙し、自白を引き出していきます。

最後の「仏罰の報い」に、「風間道場」で新人刑事を鍛えていた風間が、何故警察学校に赴任することになったかが書かれています。
次回は風間と関係のある未解決事件を扱うのでしょうか。
マンネリ化していた「教場」シリーズに動きがあるかな?


<今日のわんこ>

「ママは全く痩せませんが、僕はいっぱいご飯をもらっても太りません。いっぱい遊んでいるからです。ママはもっと僕と遊びなさい」by 弟

弟に怒られちゃいました。
実は全く痩せていません。やっぱり食べ過ぎかしら…。

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