ほしおさなえの『活版印刷三日月堂』全6巻を読む2022/03/19



白木蓮が満開です。
未だに辛夷との違いがわかりません。
近くに辛夷の木があると、見比べられるのですけど…。


読みたかった活版印刷三日月堂シリーズがkindleで発売されたので、読んでみました。


「活版印刷」は活字を組み合わせて作った活字組版を使った印刷方法のことです。
1970年代以降に写真植字やDTPが現れるまで、文字印刷の主流だったそうです。
昔の本は活版印刷で作られていたのですが、私は全く覚えていません。
ちなみにDTPは「DeskTop Publishing」の略で、パソコン上でデータを作成することだそうです。
(詳しく知りたい人はここを覗いてみて下さい)

活版印刷三日月堂シリーズは全6冊です。
『活版印刷三日月堂 星たちの栞』
『活版印刷三日月堂 海からの手紙』
『活版印刷三日月堂 庭のアルバム』
『活版印刷三日月堂 雲の日記帳』
『活版印刷三日月堂 空色の冊子』
『活版印刷三日月堂 小さな折り紙』

川越の街の片隅に印刷所・三日月堂がありました。
店主が亡くなり、空家になっていましたが、ある日、店主の孫娘の弓子が帰って来て、住みつきます。
帰ってきた当初、弓子は川越運送店一番街営業所でパートをしていました。
一番街営業所の所長であるハルの息子が高校を卒業し、北海道の大学に行くことになります。
ハルは、自分が高校の卒業祝いに親から贈られたように、自分の息子の高校卒業祝いに三日月堂製の名入れレターセットを贈りたいと思います。
弓子に聞くと、手キンでなら印刷できると思うと言います。
ハルさんは早速レターセットを作ってもらうことにします。
このことがあってから、弓子はもう一度活版印刷をやってみようと思い始めます。

それからハルさんは色々な人に声をかけてくれ、活版印刷を見て興味を持った人からも注文が入るようになり、三日月堂も何とか軌道に乗ってきます。
作ったのは、珈琲店・桐一葉のコースター、文芸部の栞、結婚式の招待状、朗読会のプログラム、ファースト名刺、豆本、ウエスタンの本、歌集…。

活版印刷を通して、人と人が出会い、ふれあい、心暖まるお話が紡がれていきます。

活版印刷についての詳しい説明もありますし、短編集なので読みやすいです。
その中には特に心に残るお話もあるでしょう。
私が好きなのは、『活版印刷三日月堂 海からの手紙』の中の「あわゆきのあと」と「海からの手紙」など多数です。ハンカチをそばに置いて読むといいかも、笑。
是非、手に取って読んでみてください。
お勧めのシリーズです。

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