アン・タイラー 『この道に、いつもの赤毛』2022/04/20

タイトル(『Redhead by the side of the Road』)を表すものが表紙にあります。わかるかなぁ…。


アン・タイラーというと、平凡で善良な、どこにでもいるような孤独な人を温かな目線で描く作家です。
この本の主人公のマイカもそんな人です。

マイカは44歳。ボルティモア郊外に住み、コンピューターの出張修理をしながら、アパートの管理人をしている。
結婚は一度もせず、今決まった彼女がいるが、一緒には暮らしていない。
毎日決めた日課に従って行動している。

ある日、アパートの入口の階段に一人の青年が座っていた。
彼はブリンク・アダムズと名乗り、ローナ・バーテルの息子だと言う。
マイカは驚く。ローナは大学時代の元カノだ。一体彼に何の用があるというのだ。
話を聞いてみると、彼は自分がマイカの息子ではないかと思っているようだ。
どう考えてもローナと会わなくなって20年以上経つので、18歳の彼が息子である可能性はないし、ローナとはそういう関係ではなかった。
小学校の教師をしている彼女のキャス・スレイドが食事にやって来て、ブリンクと一緒に食事をする。
キャスはブリンクがマイカのところに泊まると聞くと、泊まらずに帰って行った。
次の日の朝、キッチンのカウンターに置いてあったブリンクの携帯が鳴ったので、覗いてみると、どうもブリンクは母親に言わずにマイカに会いに来たようだ。
母親に連絡するように言うと、ブリンクは怒って出て行ってしまった。
マイカはローナに息子のことを知らせることにする。

いつものような一日を送ろうと思ったのに、キャスからマイカは別れを告げられる。
キャスが住むべき家がなくなると心配しているのに、マイカは同居しようと言わなかった、それなのにブリンクには空き部屋を提供した、とマイカをせめる。
キャスが同居してもいいなんて思っていたなんて、女心ってわからん、と思うマイカ。

淡々となんのハプニングも起こらずに終わる人生だと思っていたら、ブリンクという思わぬバグ(でいいかな?)が見つかり、マイカの人生は乱され、図らずとも再起動が必要になってしまいます。戸惑いながらも、新しい世界へ一歩踏み出すマイカ。
人生にはちょっとした冒険が必要なのかもしれませんね。

アメリカ版の心がほっこりするお話です。

<今日のわんこ>
相変わらず、おもちゃの好きな弟。
新しいカモシカを出したら、その日のうちに音が出なくなりました。
彼の顎の力はすごいです。


今日は古い雪だるまで遊びました。
なかなか離しません。


兄も呆れています。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://coco.asablo.jp/blog/2022/04/20/9483514/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。