東野圭吾 『希望の糸』2022/10/01

久しぶりに読んだ東野圭吾はとっても読みやすくて、すぐに読み終わってしまいました。
加賀恭一郎シリーズだと思っていたら、主人公は彼じゃないではないですかぁ。


目黒区自由が丘の喫茶店で殺人事件が起り、警視庁捜査一課の刑事、松宮脩平は所轄の長谷部とコンビを組み捜査にあたることになる。
被害者は花塚弥生、五十一歳で、『弥生茶屋』というカフェの経営者だった。
松宮たちは常連客などから話を聞いていくが、誰ひとり被害者のことを悪く言う人はいない。
憎まれたり恨まれたりするような人でないなら、金銭問題のトラブルか?
スマートファンの発信履歴に十一年前に離婚した元夫の番号があった。
今になって連絡したのは何故なのか。
松宮は元夫から話を聞くことにする。

そんな頃、松宮のところに前に利用した不動産会社から電話が来る。
ヨシハラアヤコという女性が松宮の現在の連絡先を教えてもらえないかとやって来たというのだ。
母親に彼女のことを聞いてみると、連絡を取るのはやめておいた方がいいと言うだけで、埒が明かない。
松宮は電話をしてみるが…。

松宮と加賀は従兄弟で、加賀は主任になっていて、聞き込みなどはしなくなっているようです。
忘れてしまったのですが、加賀恭一郎シリーズは家族を扱うんでしたっけ?
今回は自由が丘喫茶店主殺害事件と松宮の出生の秘密の二つがメインです。
普通だったら、最後に涙…なのかもしれませんが、ここで泣かせようとしているのかと読めてしまい、冷静に読み終わってしまいました。
『新参者』以降の日本橋付近を彷徨う加賀が出てくる話の方が、私は好きです。

「刑事ヴァランダー シーズン4 ザ・ファイナル」を観る2022/10/02

いよいよ最後のシーズンです。


<シーズン4>
第一話:「白い雌ライオン」
クルトは南アフリカで行われる国際警察会議での講演を頼まれ、南アフリカを訪ねる。
その頃、ケープタウンでスウェーデン女性が行方不明になり、彼女の夫は捜査に不満を持ち、警察署に抗議に来ていた。クルトは彼をなだめるように頼まれる。
彼女は福祉センターに教科書を取りに行って行方がわからなくなっていた。
夫からその福祉センターまでの地図をもらい、クルトは地図を見ながら福祉センターに行ってみる。
そうすると、地図が間違っており、女性は間違った場所に行ってしまったことがわかる。

第二話:「愛の形」
ある夜、車を探していたクルトはバイクに乗った三人の男に頭を殴られる。
それ以来、目がかすんだり、ボーとしたり、約束を忘れたりするようになる。
娘のリンダはシリア人とは別れたらしく、別の人と結婚をし、娘が一人いる。クルトは保育所まで孫のクラーラを迎えに行ったり、いっしょに遊んだりして、いいおじいちゃんになっている。
娘との仲も元に戻ったようだが、義理の息子と彼の父は刑事であるクルトのことをあまりよく思っていないようだ。

クルトの父親が入居していた老人ホームで認知症の女性が行方不明になった。
七年ぶりにホームに行ったクルトはその女性を見つけ、彼女から女性が死んでいるのを教えられる。
亡くなった女性の家に行くと、何者かが押し入った形跡があり、娘が行方不明になっていた。どうも女性はバイカーたちとトラブっていたらしい。

第三話:「失われゆくもの」
クルトは弾の入った銃をレストランに置き忘れたため、停職処分になっている。
医師から若年性アルツハイマーなので、周囲に伝え、準備をするように言われる。

ある日、急に娘がやって来て、日曜の朝から夫のハンスの父、ハーコンが行方不明になっており、警察は型どおりの捜査しかしないので、クルトに助けを求めた。
クルトはハーコンの妻、ルイースに会いに行くが、夫が行方不明にもかかわらず、彼女の態度はそっけなく、不自然だった。

ハーコンの友人のステン・ノルランダーがクルトに会いたいというので、会いに行く。
ステンはハーコンがプーチンが潜水艦をスウェーデン領海に送り込んでいるのをこのまま放置しておくと事故を招き、1980年代の領海侵犯のようになると気にしていたといい、ハーコンは殺されたのかとクルトに尋ねる。
その夜、クルトはハーコンの机の中に隠されていたテープを見つける。
そのテープには1980年代のソ連潜水艦の領海侵犯事件についての議論が録音してあった…。


南アフリカでは女性刑事と何かあるのではと期待していたら、全くありませんでした。彼女はクルトの趣味ではなかったのですね。
第二話では、「リガの犬たち」で出会ったピアニストのバイバがやって来て、クルトと束の間の逢瀬を楽しみます。
そのままいっしょに暮らすのかと思ったのですけど。
最後まで女性に縁のないクルトでした、笑。

最終話でクルトが若年性アルツハイマーだと判明します。
記憶が定かではなくなりつつあるのを感じながらも、クルトはハーコンとルイース夫婦の間の秘密を暴いていきます。
そして最後は、娘リンダが…。

思っていた通りに重苦しい最後でした。
ステンが言っていましたが、国民の六割が鬱って本当でしょうか?
住むなら北欧よりも、もっと太陽の光の溢れた場所が良くなりました。

次に何を見ようかしら…。 

凪良ゆう 『汝、星のごとく』2022/10/04

『流浪の月』で本屋大賞を受賞した凪良さんの新作。


瀬戸内海の小島で暮らしている十七歳の青埜櫂と井上暁海。

櫂は京都からこの島に転校して来た。
男出入りの多い母が男を追って来たのだが、結局は男に捨てられた。
男に振られるたびに泣いて縋ってくる母の面倒をみるのはもう御免だ。
櫂の夢はサイトで出会った久住尚人とコンビを組み、櫂が原作、尚人が作画で漫画を描いてプロの漫画家になること。
漫画は『ここではない世界』へ自分を飛ばすツール。

暁海の父は女を作り、家には帰って来ない。
母は怒りと憂鬱に塞ぎ込み、メンタルクリニックに通っている。
暁海は思う。
父と母が離婚したら、専業主婦の母と私の生活はどうなるのか。
進学どころではなくなる。
一年先の未来さえ見えない…。

こういう二人が出会い、愛し合うが、彼らは母という毒親から離れられない。捨てられない。
やがて二人の心はすれ違い、人生を別々に過ごすことになるが…。


暁海の父の相手、瞳子さんの言葉がいいです。

「自分の人生を生きることを、他の誰かに許されたいの」
「誰かに遠慮して大事なことを諦めたら、あとで後悔するかもしれないわよ。そのとき、その誰かのせいにしてしまうかもしれない。でもわたしの経験からすると、誰のせいにしても納得できないし救われないの。誰もあなたの人生の責任を取ってくれない」
「…もちろんお金で買えないものはある。でもお金があるから自由でいられることもある。たとえば誰かに依存しなくていい。いやいや誰かに従わなくていい。それはすごく大事なことだと思う」

櫂も暁海もやさしい。でもそのやさしさが自分たちを縛り、苦しめる。
母親と共依存関係なんでしょうね。
読みながら毒親なんか捨てて、自分たちの人生を歩きなさいよと何度も言いたくなりました。
小説では彼らをサポートしてくれる人たちがいたから、結末は不幸だけど、幸せなものになりました。
現実的に考えると、そういう人とはなかなか出会えないものです。
特に北原先生のような奇特な人など滅多にいませんよね。

『流浪の月』に通じるものがあるお話でした。
作家さんの読ませる技は凄いです。
また本屋大賞にノミネートされそうな小説です。

ヘニング・マンケル 『リガの犬たち』2022/10/06



スウェーデンの田舎町イースタ署の刑事ヴァランダーのシリーズの二作目。
ヴァランダーは四十三歳。
彼の友人であり、片腕でもあったリードベリがガンで亡くなって一ヶ月が経った。
ヴァランダーはリードベリだったら…と常に考える。
それだけリードベリは彼にとって、理想の尊敬すべき先輩刑事であり、かけがえのない人だったのだ。
ヴァランダーはいまや警察の仕事が「漏洩とか隠蔽とか、情報のゲームになってしまった」と感じ、刑事を続けていくことに嫌気がさし、辞めてゴム工場の警備主任に応募しようかと思い始めていた。

事件には関係ないのですが、ヴァランダーが乗っている車はドラマではボルボでしたが、本ではプジョーです。車に詳しくないので知らなかったのですが、ボルボってスウェーデンの自動車ブランドだったんですね。(プジョーはフランスだって)
スウェーデンらしさを出すためにボルボにしたのかしら?

ヴァランダーとチームを組み働いているのは、マーティンソンとスヴェートベリ。
スヴェートベリは毛の生え際がかなり後退している四十男で、イースタ生まれ。
仕事にあまり熱心ではない印象を与えるが、実は仕事は正確。
マーティンソンは西海岸近くのトロルヘッタン生まれで、三十歳。
警察でキャリアを築こうという野心があり、穏健党の党員。衝動的で、仕事はあらっぽいが、いいアイディアを思いつく。野心的なので、捜査過程で問題解決の糸口を見つけると、素晴らしい活躍を見せる。たまに厭世的になる。

モスビー・ストランドに二体の死人を乗せた救命ボートが打ち上げられたと、犬の散歩に出かけた女性が通報してきた。
二人は金髪の二十代の若者で、拷問された痕があり、歯の治し方からロシアか東欧諸国の人間だと思われた。
外務省から慎重に捜査するように言われる。

事件発生後四日目、救命ボートの二人はラトヴィア市民であるとラトヴィアのリガの警察から連絡が来る。
翌日、リガの犯罪捜査官リエパ中佐がスウェーデンにやって来る。
彼は背が低く、首がないように見える男で、チェーンスモーカーだが洞察力のある優れた警官だった。
しばらくして調査は打ち切られ、事件はリガに引継がれることになり、リエパ中佐はラトヴィアに帰る。
しかし帰国した日に殺される。
中佐の上司、プトニスがイースタ署に協力を求めてきた。

ヴァランダーはラトヴィアへ向かう。
1990年代初頭のソ連崩壊間際の共産主義国家ラトヴィアで、独立運動たけなわの中、ヴァランダーは一体何ができるのか…。

ラトヴィアでリエパ中佐の意志を継ぎ、命の危険をものともせずに活躍するヴァランダーですが、ちょっと残念なのは、彼が女に惚れっぽいというところです。
リエパ中佐の妻、バイバに惚れちゃって、一旦スウェーデンに帰ったにもかかわらず、再度、非合法的方法でラトヴィアに入り込むんですから。
おいおいミステリーではなくてメロドラマかよと思ってしまいました、笑。
映像化しやすいですね。

気になっていたヴァランダーのお父さんは、原っぱにぽつんと建っている一軒家に一人で住んでいます。
彼は三文画家で、日没の田舎の景色ばかり描いているようです。
ドラマではヴァランダーは滅多に会いに行っていませんでしたが、本ではまめに電話をかけたり、画材を買いに連れて行ったり、色々としています。
二人とも頑固で、似たもの親子のようで、会うと互いに反発し合うんです。
娘のリンダはストックホルム近くの専門学校に通っていて、学校の近くに下宿しています。
ヴァランダーと父の関係と彼と娘の関係が似ています。
娘も父親に似ているんです。
親子の関係はどこの国でも難しいんですね。

この本でヴァランダーは過労とストレスで、心因性(たぶん)の心臓発作や不整脈を感じ身体の心配をし、労働意欲を無くしています。
そして残虐な犯罪が増えている、こんな時代についていけないと思い、仕事を辞めたいとまで思いますが、それでも辞められないのは性でしょうか。
唯一の友人、リードベリが死んで、自分には話し相手がいない、信じられる人がいないと思うのはきついでしょうね。それに女性にも相手にされないようだしww。
そうそう、いいもの食べてないです。食べるのはオムレツ、ハンバーガー、ピッツァ…でコーヒーがぶ飲み。スウェーデン料理に美味しい物はないのかしら?
このままいくと、太ったブヨブヨの身体をしたさえない中年男で、糖尿病か心臓病持ちになりそう。
シリーズが終わる頃にはどうなっているのかしら。

ラトヴィアの名前は知っていましたが、それ以外の政治的、経済的、文化的なことなど全く知らないので、調べてみようと思いました。
ドラマとの違いが沢山あり、違い探しが面白そうなので(笑)、シリーズ九作品をすべて読んでいくことにします。

アガサ・クリスティ 『青列車の秘密』&『邪悪の家』2022/10/07

1990年版の「名探偵ポワロ」のエピソード1「コックを探せ」を観ました。
ポワロ役がデヴィッド・スーシェでヘイスティングズ役がヒュー・フレイザー。
思っていたのとちょっと違う感じで、レンタルしなければならないので、観ないことにしました。
最近の映画の方を先に観ますわ。


ポアロ・シリーズ、第五作目。

アメリカの富豪ルーファス・ヴァン・オールディンの娘ルース・ケタリングは夫のデリクがパルテノン座のダンサーと浮気をしていることを知る。
パリから帰ってきたヴァン・オールディンは娘から話を聞き、離婚をするように忠告し、娘は承諾する。
早速ヴァン・オールディンはデリクを呼びつけ、娘が離婚の申請をすることを告げる。
ルースはかつてド・ラ・ローシュ伯爵と付き合っていたのに、父に別れさせられたという過去があったが、近頃また彼と会っているようだった。

数日後、ルースはド・ラ・ローシュ伯爵と会うために、リヴィエラに行くと偽り、メイドを連れてブルートレインに乗りこむ。
だが乗車した次の日の朝、ルースは個室で死んでいるのを発見される。
たまたま列車に乗り合わせていたエルキュール・ポアロは早速捜査協力を申し出る。
列車にはメイドの姿がなく、宝石がなくなっていた。
そしてデリクの浮気相手のミレーユが同じ列車に乗っていた。

今回もヘイスティングズはいなくて、彼の代わりになったのは偶然列車に乗り合わせていたキャサリンという女性です。
ポアロは相棒が欲しい人なのね。それなのに彼女もヘイスティングズと同じ扱いをします。
ヘイスティングズはポアロのことを「人間牡蠣」だと言っていたとのこと。
なかなか本心を明かさないところが牡蠣みたいなんでしょうね。
犯人は…私はもともと諦めていましたから、どうでもいいんですが、意外なところから現れました、笑。


ポアロとヘイスティングズはイギリス南部の海沿いの町、セント・ルーのマジェスティック・ホテルに滞在していた。

ある日、ポアロは木の根につまずき、足を痛めてしまう。たまたまその場にやって来た女性とヘイスティングズはポアロを助け、テラスの椅子に座わらせる。
その女性はニック・バックリーと言い、岬に建つエンド・ハウスの住人だった。
彼女は三日間で三回も命拾いをしたとポアロたちに話す。
ちょうどその時、ハチが…と思ったら、それは弾丸だった。
それに気づいたポアロは、彼女の事故に興味を持ち、話を聞きにエンド・ハウスに行く。

珍しく探している手がかりが見つからず、五里霧中のポアロ。
そんな中、ニックといっしょにいて欲しいと、わざわざ屋敷に呼んだいとこのマギー・バックリーが殺されてしまう。
未然に犯罪を防げなくて、激しく後悔するポアロ。
彼に犯人が突きとめられるのか…。

ハッキリ言って題名が今一です。全然「邪悪」じゃないんですもの。
あ、犯人が「邪悪」か。

ポアロはマギーが殺され自分を責めまくりますが、ヘイスティングズには「自慢話」のように聞こえます。

「普通の人間なら防げなかったかもしれないーーだが、私には人より優れた灰色の脳細胞があるんだぞ。普通の人間に無理なことを可能にしなければ、エルキュール・ポアロである意味がないじゃないか」

まあ、こんなこと言っていれば、自慢しているように聞こえるわよね、笑。
ヘイスティングズはポアロに言わないだけで、結構辛辣なことを心の中で思っています。
でもねぇ、ヘイスティングズは相変わらず女に弱いし、人を見る目がないし、推理は間違っているしで、いいとこなしですわww。

三十三の長篇のうち、やっと六冊読み終えました。
先は長いので、焦らず読んでいきますわ。
七冊目は『エッジウェア卿の死』で、八冊目が有名な『オリエント急行の殺人』。
『オリエント急行の殺人』は一度読んでいると思うので、原書で読もうかしら。
読みたい本が貯まっていきます…。

エル・コシマノ 『サスペンス作家が人をうまくころすには』2022/10/08



フィンレイ・ドノヴァンことフィンは売れないロマンティック・サスペンス作家で、二人の子どもがいるシングルマザー。
元夫のスティーヴンは不動産エージェントと浮気をしていたので、離婚した。
週末に子どもたちはスティーヴンの家に泊まりに行く。
スティーヴンは子どもの親権をフィンから取り上げようとしている。
そのため養育費は未だ支払われておらず、経済的に苦しい毎日。
二人のこどもの面倒をみながらの執筆は全然進んでいないのが現実。
貯まる請求書…。

ある日、フィンは著作権エージェントのシルヴィアとレストランで打ち合わせをしていた。
もちろんサスペンスを書いているんだから、小説の内容に関する物騒なことを話していた。
隣のテーブルに座っている女性がどうも話を聞いていたらしい。
シルヴィアが使った食器を片付けて席に戻ると、女性はいなくなっており、皿の下に紙切れがはさまっていた。
紙には五万ドルという金額と男の名前、住所、電話番号などが書かれていた。
何でこんなへんてこなメモを置いていったのだろうと不思議に思うフィン。
ほっとけばいいのに、フィンは好奇心に負けて、書かれていた電話番号に電話をしてみる。
すると電話に出た女性はフィンに、夫は善人ではない、五万ドルの現金をやるから夫にいなくなってもらいたい、夫は今夜<ザ・ラッシュ>のネットワーク・イベントに行く予定だと告げ、フィンの話も聞かずに電話を切ってしまう。
なんとフィンは殺し屋だと思われていたのだ。

「好奇心は猫をも殺す」とは良く言ったもので、止めればいいのに、フィンは紙に書いてあるハンス・ミックラーとはどういう男なのか見てみようと、警察官の姉に子どもをあずけ、変装して<ザ・ラッシュ>に行く。
フィンはハンスが女性にしようとしていたことを見てしまい…。

ボタンの掛け違いのようなフィンと依頼人の会話は笑えます。
次々と思ってもいない、とんでもないことが起っていくのですが、ベビーシッターのヴェロ・ルイスが協力してくれて、よかったわね。
ひょっとして彼女がいない方がよかったかな?
ヴェロがちょっと不思議な人です。一体どういうバックグラウンドがあるんでしょうね。これから徐々に明かされていくのでしょう。
そうそう、フィンの恋の行方はどうなるのでしょうね。羨ましいことに、恋人候補が二人もいます。

主人公の悪運(?)の強さに笑えるコージー・ミステリーです。
フィンレイ・ドノヴァン・シリーズは三作目まで出版されているようです。
次はどういう事件にフィンが巻き込まれるのか、楽しみです。

いっしょのお散歩は楽しいね♡2022/10/09

やっと晴れたので、二匹と二人でお散歩ができました。
兄は後ろ足が心配なので、歩くのは短時間で、後はママが抱きます。
そうすると弟が自分も抱いてもらいたがります。
なんでもいっしょがいいんですねぇ、笑。

いつもの場所でお水休憩。


兄の目が…www。


仲がよさそうですが…。


気温は20℃ぐらいだったのですが、犬には暑かったようで、舌が出ています。
(弟はいつも出ていますが)

暖かい昼間にお散歩が出来るのはいいですね。

中山七里 『越境刑事』2022/10/10

『逃亡刑事』に続く高頭冴子シリーズの第二弾。


千葉県警捜査一課の<県警のアマゾネス>という異名を持つ高頭冴子警部は、生活安全課の同期、山野美香から、ここ半年くらいの間に新疆ウイグル自治区出身の留学生や就労者の行方不明が頻発していることを聞く。

その数日後、狭い側溝高に押し込められた死体が見つかる。
身につけていた学生証から名前はヤシンジャン・カーリ、国籍は中国、出身は新疆ウイグル自治区の留学生だということがわかる。
バイト先でいっしょに働いていた同じウイグル人のレイハンによると、カーリはSNSで全世界に向け、ウイグル自治区が中国政府に弾圧されていることを発信しており、中国公安部の監視対象者にされていたため、中国政府に殺されたのかもしれないと言う。
冴子は早速外事課の同期、山根と話しに行き、成田から入国した中国公安部治安管理局に所属している三人の中国人が容疑者として浮かびあがる。

しばらくすると、レイハンが保護して欲しいと警察署にやって来る。
レイハンの夫は大学教授で、ウイグル自治区についての本を出版していて、カーリは夫の本を読み、政治活動に目覚めたようだ。
夫は潜伏しながら中国共産党批判の原稿を書いており、レイハンは夫の足手まといにならないように、日本に渡って来たらしい。
中国公安部はレイハンを人質にして夫をおびき寄せようと考えているという。
冴子は暴行罪をでっち上げて、レイハンを留置所で保護することにする。
しかし、留置所を出たとたんにレイハンは拉致され、中国に連れ去られてしまう。

冴子は在日ウイグル人を殺害したと思わしき容疑者を捕まえ、レイハンを奪還するために、部下の郡山と共にウイグル自治区へと向かう。

この本はなかなか読み進むことができませんでした。
だって、悲惨な状態が書かれていることがわかりきっているのですから。
本当にこんなことがなされているのか、ひょっとしたら、もっと酷いのでは…。
かの国のことは全く想像もつかないし…。
読むのが怖い、嫌だと思ったことは、この本が初めてです。

結末がどうなるのかと思っていたら、そんなんかい。
そんな組織があったのね。
ちゃんとリサーチして書いたのでしょうが、最後があっけなかったです。

身も心も傷ついた冴子は、次も活躍するのでしょうが、何か痛々しくて…。
心して読むようにしてくださいね。

中島久枝 『浜風屋菓子話 日乃出が走る<二>&<三>』2022/10/11



『浜風屋菓子話 日乃出が走る<二>』
百日で百両、菓子を売って稼ぐという勝負に勝った日乃出は、浜風屋に残り、菓子修行を続けています。
彼女の中では西洋菓子を学びたいという思いが募ります。
そういう時に、ロビンソン商会のタカミナと出会い、彼からホテルにある彼の店で働けば西洋菓子を教えて貰え、行く末は日本一の西洋菓子の職人になれるとまで言われ、日乃出の心は乱れます。
そういう気持ちでいると、上手く行かないもので、浜風屋でいっしょに働いている勝次や純也ともぎくしゃくとしてきます。
浜風屋でたまたま働き始めた葛葉は、兄を探しているとはいえ、何やら秘密があるようです。

西洋菓子に惹かれるのはわかります。でも和菓子さえもろくに作れないのに、色々と手を出したくなる日乃出です。
思い切ってホテルに勤めたのですが、そうは問屋が卸さない。
タカミナの考えていたことがわかり、自分の立場をちゃんと理解したかな。
お嬢さん育ちですから、なかなか心根は変わりません。

天敵・谷善次郎の妾のお利玖は見上げた女性です。
女郎になり、病気になった姉の世話をし、鷗輝楼の経営もやり、谷に頼らずにもっと上を目指しています。
明治になって「刀の代わりに、金が力を持つ。人を動かす」と言い切るお利玖から目が離せません。

『浜風屋菓子話 日乃出が走る<三>』
結局、浜風屋に戻って来た日乃出。浜風屋が彼女の居場所です。
江戸で三本の指に入るといわれた名料亭、深川松から還暦の祝いの引き菓子を頼まれます。
しかし、そこに白柏屋が横槍を入れてきます。自分たちが橘屋の本流だというのです。
そんなわけで、双方で菓子を作り、祝いの席にいるお客にどちらの出来がいいか決めてもらうことになります。
これを皮切りに、白柏屋対浜風屋の勝負が続きます。
次は中が空っぽの饅頭、そして最後の勝負として、干菓子。
さて、どうなるのか。

そしてその頃、お光に縁談、日乃出には恋…。

日乃出も失恋して、少しは大人になったかな?
お菓子の方の発想はいいんだけど、勝次がいないとダメじゃない。自分で作れないんだから。当分修行が続きそうですね。
新しい職人、五郎が浜風屋に入りますが、どうなることか。
橘屋の再建はできるのか。
まだまだシリーズは続きそうです。

病院はアフターコロナ?2022/10/13



ヨーキーのカットの流行なのか、耳の飾り毛を伸ばされるようになった弟犬。
う~ん、これがいいのかどうか、わかりません。
年寄りっぽくなったような感じがするのですけど。
ミッキーの耳の方が可愛いような気もしますが…。

三ヶ月ぶりに病院に行ってきました。
待合室の椅子についていた、「ここには座らないで下さい」という表示がなくなりました。
ちょっと早くないですかね。他の病院でもそうなのかしら?