柚月裕子 『教誨』2023/01/10



吉沢香純と母の静江は東京拘置所の職員からの電話で、遠縁の死刑囚三原響子の死刑が執行されたことを告げら、驚いたことに、香純と静江が身許引受人になっているので、遺体か遺骨、遺品を引き取りに来て欲しいといわれる。
響子の祖父と、静江の父親が兄弟なので、響子は静江にとって従姪にあたるが、交流は皆無だった。
とりあえず一旦、遺骨と遺品を引き取り、あとで本家に相談することにして、香純は東京拘置所に行く。
刑務官の小林によると響子の最期は、執行直前まで静かな態度で立派だった。そして最期の言葉は「約束は守ったよ。褒めて。」だという。

香純は響子と小学生の時に一回だけ会ったことがある。
その時の印象から彼女がふたりの子どもを殺した極悪人とは思いきれなかった。

やっと本家の嫁の寿子と連絡が取れるが、響子の骨を三原の墓に入れることは頑なに拒まれる。
困った香純たちは響子の教誨師で東京の小平にある光圓寺の住職、下間に相談する。
下間は本家のある青森県中津郡相野町の菩提寺、松栄寺で葬ってもらえないか訊いてくれ、もし断られたら、彼の寺で供養してもいいと言ってくれる。
危惧したように松栄寺で断られたが、香純は松栄寺を訪れ、住職に直談判することにする。

松栄寺の住職の柴原は三原の家の複雑な事情を話し、香純に津軽日報社の新聞記者、樋口純也を紹介する。
樋口は響子の事件を担当した記者で、逮捕された後も事件について調べているという。
樋口は彼と響子は小学校の時にいじめられっ子同士だったことを語る。

香純は響子のことと彼女の最期の言葉は誰とのどんな約束だったのかを知りたいと思い、しばらく相野町に滞在し、関係者と会い、話を訊いていくことにする。

期待して読んだわりには、小さな町独特の閉鎖感や、不幸の連鎖、DV、いじめなどの諸々のお話がありきたりである上に、響子が自分のやったことに対して無自覚過ぎて、それほど感動しませんでした。
それに香純が響子にこれほどこだわる必然性が私には感じられませんでした。
これも映画になりそうですね。


<今週のおやつ>


見ておわかりのように、クリスマスのものです。
おやつがなかったので、やっと食べました。
缶とチョコのトナカイと帽子などがクリスマスを思わせますね。
ヴァレンタイン用のチョコもこれと似たものかしら?

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