エリカ・ルース・ノイバウアー 『メナハウス・ホテルの殺人』2023/02/22



時は1926年9月。
戦争で夫を亡くし、22歳で戦争未亡人になったジェーン・ヴンダリーは、父の妹のミリー・スタンリーに誘われエジプトにやって来た。
ミリーはジェーンの夫の隠された姿を知らない。
そのためミリーは30歳になったジェーンがまた結婚できるように、彼女に合うと思われる男を捜し紹介してくる。
しかしジェーンは結婚なんか、金輪際まっぴらだと思っている。

エジプトでは大ピラミッドの近くのメナハウスという高級ホテルに滞在。
旅行費用はすべて叔母持ちだ。
ホテルに着いてすぐに叔母はバーラウンジに直行して飲み始める。
ジェーンも叔母に付き合って飲んでいると、男が話しかけてくる。
抜かりのない叔母が彼にジェーンの名前を教えたという。
男はレドヴァースと名乗り、銀行員だと言うが怪しい。
バーラウウンジでジェーンは好印象のジャスティス・ステイントン大佐と娘のアンナとも知り合う。

次の日の朝、ミリーは珍しく早起きをしており、リリアン・ヒューズとマリー・コリンズという若い女性と一緒にゴルフをするという。
叔母によるとリリアンの父親と知り合いで、メナハウスにいるあいだ、娘の面倒を見てやって欲しいと頼まれたそうだ。

三日目の朝、ジェーンが朝食に行こうと廊下を歩いていると、ステイントン大佐と出くわす。
彼は娘のアンナを起こそうとしたが反応がないので、ジェーンに娘の部屋に入ってみてくれないかと頼んでくる。
再度ドアを叩いても反応がないので、ジェーンが部屋に入ってみると、アンナはベッドの上で射殺されて死んでいた。

事件を担当するハマディ警部はジェーンとアンナが口論をしていたことやアンナの部屋にあったバッグの中にジェーンのブローチが入っていたこと、レドヴァースをめぐってふたりの間に確執があったと見られることなどを総合的に判断し、ジェーンにホテルの敷地から出ないようにと申し渡す。
ハマディに疑われていると思ったジェーンは、疑いを晴らすために犯人を捜すことにする。
レドヴァースはジェーンに協力してくれるが、はたして彼は味方なのか…?

カイロ郊外のギザにあるピラミッドがこのお話で出てくるピラミッドです。
町からピラミッドまで遠いと思っていたら、意外と近いんですね。
どうりでヴァランダー刑事のおとうさんが1人で行けたはずです。

この小説はアガサ賞の最優秀デビュー長編賞を受賞したそうですが、ミステリーとして読むよりもエジプト旅行記として読んだ方がいいような気もします。
ピラミッド見学がしたくなりましたもの。
読んでいると日本人がピラミッドに感じるものと西洋人が感じるものとは違うように思いました。
なんてったって大英博物館にいっぱいありますものね、笑。

ひょっとしてこのシリーズは旅物?
二作目はアメリカに帰る前にイギリスで一休みし、三作目はアメリカに渡る船の上、四作目は父を探してイスタンブールですから。
コージーミステリーの一種だと思いますが、小さな町で殺人が次々と起るよりは、旅先で起る方がいいかもww。
二作目も楽しみに待ちますわ。


<今週のおやつ>
またまたチョコレートです。それも私の好きなドライフルーツチョコレート。


マンゴーにチョコレートがかかったもの。


オレンジにチョコレートがかかったもの。
買っていませんが、オレンジピールのものが一番すきです。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://coco.asablo.jp/blog/2023/02/22/9564668/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。