杉井光 『世界でいちばん透きとおった物語2』2025/02/02



藤阪燈真が小説家デビューしてから一年。
短編を二本書いただけで、長編二作目は未だに書いていない。
それでもデビュー作が売れているので、暮らしていける。
ミステリ作家や書評家などが加入している社団法人推理小説協会に入っているが、
実務の人手が不足しているというので、月一くらいで協会事務所に顔を出して、手伝いをしている。

ある日、いつものように推理小説協会の手伝いをしていると、K社が発行しているミステリ専門誌の『月刊アメジスト』の話になる。
コンビ推理作家「翠川双輔」の『殺導線の少女』という作品が、菊谷博和の死により連載三回目の未完で終わってしまうという。
アイディアを出していた菊谷が、いつもぎりぎりにプロットを送ってきていたので、続きを書けないらしい。
連載小説に興味を持った燈真は、彼の担当編集である深町霧子に頼んで『月刊アメジスト』を持ってきてもらい、読んでみる。

九月の終わりにK社の『月刊アメジスト』編集部から燈真に原稿依頼がある。
不思議な縁を感じる燈真に、『月刊アメジスト』の堀越は菊谷がどのような結末を用意していたか推理できないかと尋ねる。
『世界でいちばん透きとおった物語』の推理はすべて霧子がしたことを話し、彼女に頼むが、燈真自身も考えてみると答える。

霧子は燈真に二点、確認してほしいと言ってくる。

小説に込められた故人の思いを知った燈真は、『殺導線の少女』の第四回目を書き始める。

「ビブリオミステリ」というジャンルがあったんですね。
本を題材にしたミステリ小説のことらしいです。
『ビブリア古書堂の事件手帖』などがこのジャンルにあたります。
書店や図書館が舞台になっているミステリもこの中に入るようです。

一作目は電子書籍にはできないと思いましたが、二作目は電子書籍でも売っていたので読んでみました。
題名を変えてもよかったのではないでしょうか。
なにしろ本の中の連載小説が気持ち悪いです。
嘘をついてまで秘密にしようとする気持ちは素敵でしたが、他にやりようがなかったのかと思いました。
なんか驚きもなく、そうなんだで読み終わってしまいました。
燈真君、ちゃんと自分の頭を絞って書きなさいといいたいですわ。
このまま霧子さんがホームズで行くのでしょうか。

一作目とは別物と思って読んでくださいね。