「愛を耕すひと」を観る ― 2025/02/19
デンマーク映画。
原題が「BASTARDEN」で英語では「bastard」ですが、映画の英語の題名が
「The Promised Land」になっています。
デンマークの作家イダ・ジェッセンによる史実に基づいた小説『The Captain and Anna Barbara(英題)』が原作。

18世紀半ばのデンマーク。
退役軍人のルドヴィ・ケーレン大尉はユトランド半島の荒野、ヒースの開拓ができたら、貴族の称号を与えるという王からの約束をとりつける。
ヒースは自分の土地であるとする地主のフレデリック・デ・シンケルはケーレンを呼びつけ、自分の土地を勝手に開拓するなと言うが、ケーレンはヒースはデンマーク王の土地で、王から許可をもらったと言い、彼のことを歯牙にもかけなかった。
金も人手も足りないケーレンにアントン牧師はシンケルのところから逃げてきたヨハネス・エリクセンとその妻のアン・バーバラを紹介する。
開拓は困難を極める。
たまたまケーレンの家に盗みに入った少女アンマイ・ムスを捕らえ、タタール人(ロマ?)たちのところに案内させ、彼らと交渉し、雇うことができた。
しかし、シンケルの妨害にあい、タタール人たちは他の土地に移動してしまう。
アンマイは売られるのが嫌で、ケーレンのところに残る。
ケーレンはこの不毛な大地に栽培しやすいジャガイモを植える。
霜に悩まされながらも、なんとかジャガイモが80袋取れる。
王はケーレンに王室調査官の称号を与え、50人の北ドイツからの入植者たちがやって来る。
しかし、シンケルはケーレンたちを追い出すために、執拗に嫌がらせを続け、暴力行為を行うようになる。
シンケルの妨害を阻止するために、ケーレンは思い切った行動を取るが・・・。
注意:ここからはネタバレはしていないけど、ネタバレ気味なことも書かれているので、知りたくない方は読まないでくださいね。
なんでケーレンはこんなにもヒースの開拓に固執するのかと思ったら、彼は私生児で、父親は領主で母親が彼の召使いだったんです。
そういう場合は、もちろん子として認められず、軍隊に入れて厄介払いをするというのがよくあることだそうです。
貴族なら6カ月で大尉になれるのに、ケーレンが大尉になるのに25年もかかったそうで、階級社会は非情ですね。
シンケルはシンケルで、劣等感の塊です。
父親が成り上がりだそうなので、貴族の称号をお金で買ったのでしょうね。
ケーレンにヒースを開拓されちゃうと、自分の権力が地に落ちると思い込み、まともな思考ができなくなっています。
なお悪いことに、従姉妹のエレルには相手にされず、彼女はケーレンのことが好きですからね。
それにしても残虐過ぎますよ。
そんな彼がない物ねだりの駄々っ子のように見え、だんだんと哀れに思えてきました。
見ていて目を背けたくなる場面が多数ありますので、ご注意を。
とっても可愛いアンマイ・ムスはタタール人なんですね。
タタール人はロマのように一カ所にとどまらない、放浪する民なんでしょうか。
浅黒い肌をしているだけで、不吉だと言われて差別されています。
木の棒を投げ、相手が拾ったら、家族(一族の一員?)になるなんて、そういう風習があるんですね。
これがとても印象的に使われていました。
アン・バーバラは最初の方はあまり強い印象がなかったのですが、スカッとさせてくれます。
楽しみにしていてください。
広大な荒野が素晴らしい映画です。
どこで撮ったのでしょうね。
主人公役のマッツ・ミケルセンの出演している映画を見たことがあったかどうか、記憶にはありませんが、彼の苦悩する姿がとてもよかったですww。
実際にはアン・バーバラもアンマイ・ムスもいなかったようです。
ケーレンは亡くなるまでヒースにいたらしいです。
コメント
_ ろき ― 2025/02/19 19時16分14秒
_ coco ― 2025/02/19 20時22分43秒
題名は日本でよくあるものですよね。私はデンマークの題名がいいと思います。
ろきさんがマッツ・ミケルセンが好きなら、見てもいいかも。いい俳優ですね。私は「永遠の門」で牧師に扮した彼を見ているはずですが、記憶にありませんww 。
開拓の苦労よりも、詳しく言えませんが、シンケルの暴挙の方が色々と印象的な映画です。
ろきさんがマッツ・ミケルセンが好きなら、見てもいいかも。いい俳優ですね。私は「永遠の門」で牧師に扮した彼を見ているはずですが、記憶にありませんww 。
開拓の苦労よりも、詳しく言えませんが、シンケルの暴挙の方が色々と印象的な映画です。
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歴史を知るのにも良い映画ですね。人間、土地で争ってばかりいます。