BBCドラマ「Miss Austen」を観る ― 2025/03/03
YouTubeのお勧めに出てきたので、早速、観てみました。
原作はジル・ホーンビーによるベストセラー小説『Miss Austen』で、イギリスでは今年の二月、日曜日に放映されていたようです。
「ミス・オースティン」の主役は作家ジェーン・オースティンの姉のカサンドラです。

「エピソード1」
1830年、ジェーン・オースティンが亡くなってから10年以上が経った。
カサンドラのところに、ジェーンと彼女の友人、エリザの娘、イザベラ・ファウルから手紙が届く。
父親のフルウォ-・ファウルが危篤状態だというのだ。
カサンドラはすぐにキンベリー村に駆けつける。
もちろんイザベラの力になりたかったこともあるが、他の人の手に渡る前にジェーンがエリザに宛てた手紙を探したかったのだ。
フルウォーが亡くなった後すぐに彼の跡を継ぐ牧師がやって来た。
妻が一ヶ月以内に4番目の子を出産するので、二週間後に牧師館を明け渡すように言いに来たのだ。
イザベラにカサンドラは姉たちと暮らすように助言するが、イザベラは気乗りしないようだ。
イザベラの叔母であり、ジェイムズ・オースティンの妻であるメアリーは、ジェーンだけでなく亡夫ジェイムズの伝記を書く時に役立つから、エリザの個人的な手紙を取っておくように言っていたとイザベラはカサンドラに告げる。
カサンドラはこっそりジェーンの手紙を探す。
見つけた手紙を読むうちに、昔のことを思い出す。
カサンドラはトム・ファウルからプロポーズされる。
しかし、承諾した後にトムは一年間、西インドに行くということを知らされる。
結局、トムは船上で黄熱病にかかり、亡くなってしまう。
「エピソード2」
失意のカサンドラを兄のエドワードはケントにある屋敷に招く。
だが、義姉のエリザベスはカサンドラを体のいいベビーシッターのようにしか思っていないことがわかり、早々にカサンドラは屋敷から去る。
カサンドラはイザベラの姉、メアリージェーンとエリザベスに会いに行く。
メアリージェーンは剥製が飾られている不気味な家に住んでいた。
エリザベスは子どもを預かる仕事以外に、リダーデイル医師の助手をしていて、病気が移ったら大変だと、ろくに話もできず、追い帰される。
屋敷に戻るとメアリーが来ていて、エリザの机をあさっていた。
カサンドラがイザベラとメアリーとお茶をしていると、メアリーが急にカサンドラが昔、浜辺で出会った男性のことを話し始める。
カサンドラは気分が悪くなり、部屋に戻る。
カサンドラは家族でシドマウスに来ていた。
彼女はドレスショップに母親を迎えに来たヘンリー・ホブデイという男性と出会う。
偶然に何回か出会ううちに、カサンドラはヘンリーのことが好きになる。
ジェーンも彼はカサンドラのことが好きだというが、カサンドラは頑なに違うと言い張る。
その夜、カサンドラは高熱を出す。
「エピソード3」
イザベラは高熱を出したカサンドラの看病をする。
メイドのダイナはリダーデイル医師を呼びに行くと言うが、イザベラは行かせない。
ダイナから聞き、牧師館にリダーデイル医師が来てカサンドラを診たいと言うが、イザベラは断る。
高熱の中、カサンドラは昔のことを思い出している。
ある日、ヘンリーがやって来て、カサンドラを散歩に誘う。
浜辺でヘンリーはカサンドラの手を取り、ひざまづき、プロポーズする。
イザベラとダイナは教会堂にいるカサンドラを見つける。
またメアリーがやって来て、手紙のことを聞かれるが、どこにあるのか知らないとカサンドラは答える。
ジェーンとカサンドラはメニーダウンにあるビッグ姉妹の屋敷に滞在していた。
そこでジェーンはハリス・ビッグ=ウイザーにプロポーズされる。
最初はプロポーズを受けたのだが、翌日、断る。
兄のジェームズとメアリー夫妻がやって来る。
両親たちが住んでいる家は、両親と妹たちが住むには大き過ぎるだろうから、これから家族が増える自分たちが住みたいという。
ジェーンは小説を書き終わり、出版社に送る。
両親とジェーン、カサンドラはジェームズたちに家を譲り、バースに行く。
ジェーンは横になることが多くなる。
そんな時に、『Susan』が出版されるという手紙が来る。
大喜びする家族だったが、父親が倒れてしまう。
カサンドラはイザベラの姉、エリザベスのところに行き、彼女にイザベラの未来のために援助してほしいと頼む。
カサンドラは彼女とリダーデイル医師が結婚すると思い込んでいたが・・・。
「エピソード4」
カサンドラはリダーデイル医師とのことをイザベラに聞く。
プロポーズされたが、彼の母親が召使いだったので父親が許さず、断ったとのこと。
イザベラは彼女の姉、メリージェーンといっしょに住むことにし、家を探し始める。
カサンドラは自分の家に戻ることにする。
父が死亡してから、母とジェーン、カサンドラの三人の経済状況は切迫し、より小さい家を借りることになる。
ジェーンは小説が売れず、自分は役立たずだと嘆く。
イザベラとメリージェーンの好みが合わず、家はなかなか決まらない。
新しい家に落ち着いたカサンドラに会いに、ヘンリー・ホブデイがやって来る。
彼は再びプロポーズをするが、カサンドラは妹のために自分がここにいなければならないと言って断る。
兄のエドワードの妻、エリザベスが亡くなる。
カサンドラはいっしょに住まないかと誘われるが、母とジェーンといっしょにいるのが自分の務めだと断る。
しかし、近くのコテージに母とジェーンと彼女が住むことを提案する。
やっと家が決まった帰り道で、カサンドラとイザベラはリダーデイル医師と出会う。
彼は別の町で職を得、町を出て行くという。
イザベラにジェーンの本『説得』を朗読するカサンドラ。
部屋の外で朗読を聞いていたメイドのダイナはわざと階段から落ちる。
カサンドラはイザベラに急いでリダーデイル医師を呼びに行くように頼む。
医師はすぐにやって来て、ダイナを診る。
治療を終えたリダーデイル医師は帰ろうとするが…。
『分別と多感』が出版され、喜ぶジェーンたち。
それから次々に本が出版されるが、ジェーンはだんだんと体調が悪くなる。
家に帰るカサンドラにダイナは一通のジェーンの手紙を渡す。
カサンドラはメアリーにsettle(木製の長いすで、床から座部までが引き出しになっている)の中は探していないので、その中に青いリボンで括ったジェーンの手紙があるかもしれないと告げる。
カサンドラは別れを告げ、一人、コーチに乗る。
ダイナから渡された手紙はジェーンがエリザに書いた最後の手紙だった。
家に戻ったカサンドラは…。
このドラマはYouTubeで見られますが、日本語の字幕がないので、英語でもいいと思う方は見てみてください。
お勧めです。
私が書いたエピソードの内容が間違っていましたら、教えていただけるとありがたいです。
「Miss Austen」Episode.1-4
カサンドラはジェーンの手紙の多くを燃やしたそうです。
それは何故なのかが「文学ミステリ」になっているといいます。
このドラマは姉妹愛の観点から描かれ、「主演のキーリー・ホーズは、カサンドラの行為を「高潔な判断」と評価」し、「プライバシーを守り、作品そのものに注目してもらうための愛情の表れだったと解釈」しているそうです。
脚本家アンドレア・ギブはこのドラマを「フェミニスト作品」としているそうです。
ジェーンたちの時代は、女性は結婚しなければ財産権もなく、夫や兄弟、父親に依存せざるおえませんでした。
父親と暮らしていたイライザは父が亡くなると、他に三人の兄弟がいましたが、姉たちと暮らす以外の選択肢はなかったようです。
ジェーンもカサンドラも同じような境遇でしたが、兄たちが援助してくれただけましだったようです。
今年はジェーン・オースティン生誕250周年だそうです。
ジェーンは1775年12月16日にイギリスのハンプシャー州スティーブントンに生まれています。
どんな生誕祭が行われるのでしょうか。
見に行きたいです。
オースティンの作品は映画やドラマにもなっているので、本を読むのは…と思う方は見てみてください。
<映画>
「プライドと偏見」(キーラ・ナイトレイ主演)
「エマ」(アニャ・テイラー=ジョイ主演)
「いつか晴れた日に」(エマ・トンプソン主演)
「説得」(ダコタ・ジョンソン主演)
「ジェーン・オースティン 秘められた恋」(アン・ハサウェイ主演)
「マンスフィールド・パーク」(フランシス・オコナー主演)
<ドラマ>
「高慢と偏見」(ジェニファー・イーリー主演)
「ジェーン・オースティンの後悔」(オリヴィア・ウィリアムズ主演)
「説きふせられて」(サリー・ホーキンス主演)
「ノーサンガー・アベイ」(キャサリン・シュレシンガー主演)
「ジェーン・オースティン 秘められた恋」と「ジェーン・オースティンの後悔」以外は見ていると思います。
お勧めはドラマの「高慢と偏見」です。ダーシー役のコリン・ファースがいいんですよww。
エマちゃんも可愛いです。
最近のコメント