女性が活躍する日本のミステリ(文庫本) ― 2025/04/08

田村和大 『罪と眠る ヤメ検弁護士・一坊陽子』
十二年前に検察官を辞め、故郷の福岡で弁護士になり、法律事務所を開いた一坊陽子のところに、司法研修所で同期だった桐生弁護士がアポイントもとらずにやって来る。
桐生は二つの事件を依頼する。一つは、十七歳の少女が父親を刺し殺したという殺人被疑事件の共同弁護。
もう一つは桐生が依頼人である懲戒請求事件の代理人。
まったく知らない相手から懲戒請求され、その理由に<桐生晴仁が佐灯昇を殺した>と書いてあったというのだ。
懲戒請求がどうなるのかわからないので、少女の件は共同弁護してほしいという。
なんで私を選んだのかと思うが、陽子は引き受けることにする。
二つの事件を調べていくと、思わぬ事実が・・・。
桐生にちょっと気がある陽子ですが、とんでもないだめんずを飼っていますww。
弁護士というのは気の張る仕事ですから、癒しが欲しくなるのもわかりますけど、それにしてもねぇ…。
とにかく予想のつかない最後のオチでした。
山邑圭 『刑事に向かない女 再会』
荻窪東署から警視庁捜査一課に出向している椎名真帆のストレスは益々増加の一途を辿っていた。というのも、デカは十分足りてるから面倒が見切れないと、一課専属の広報担当にさせられ、雑務処理の仕事ばかりしているのだ。
そんな時に、昨秋からアメリカのワシントンD.C.に出向していたキャリアの有沢香織警部が帰国し、日米合同航空祭に出席する駐米公使の工藤秋馬の身辺警護を頼まれる。工藤に殺害予告がきており、彼は次期都知事選に出馬予定で、航空祭後に出身地の北海道千歳市に寄ってからアメリカに帰るという。
一方、以前椎名とコンビを組んだ大森湾岸署の刑事、村田龍彦は荻窪東署の新堂班長から一年前の交通事故の再捜査を頼まれる。
一見関係のなさそうな二つの任務だったが…。
題名が「刑事に向かない」とはいえ、椎名真帆は刑事に向いています。
椎名真帆も有沢香織も格好のいい女性刑事です。
椎名は警視庁捜査一課で腐っているよりも、荻窪東署に戻って働いてくれる方が人のためになっていいですよね。
一課で頑張り、一課の奴らの鼻を明かすってのも読みたいですが、早く荻窪東署に戻り、活躍するのを楽しみにしています。
シリーズ物なので、順番を載せておきます。
①『刑事に向かない女』
④『刑事に向かない女 再会』(本書)
二冊ともに面白かったです。お暇な時に手に取ってみて下さい。
コメント
トラックバック
このエントリのトラックバックURL: http://coco.asablo.jp/blog/2025/04/08/9766911/tb
※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。