柚月裕子 『逃亡者は北へ向かう』2025/04/10



2011年3月の大震災直後に、二十二歳の真柴亮は一般人の男性と警察官を殺害して逃亡している。
彼の人生は不幸の連続だった。
彼が生まれた日、父親の日沼はひき逃げ事件を起こし、その後に両親は離婚。
母親の実家に身を寄せるが、母親と祖父が亡くなり、児童養護施設に引き取られ、そこを出たあとは親しくする者もなく、町工場で働いていた。
彼は北へ向かう。

さつき東署の刑事、陣内康介は津波で娘が行方不明になるが、娘の捜索よりも職務を優先せざるを得ない。
真柴を直接取り調べた陣内は、真柴を追うことになる。
真柴はどこに行こうとしているのか…。


柚月さんは東日本大震災で家族を亡くしているそうです。
その経験をもとに書かれた描写は真に迫るものです。
読んでいると辛くなります。

真柴のような人がいないことを願いますが、ちょっとした選択の違いで、人生を踏み外してしまうことはありそうです。
彼と行動を共にした直人君は真柴の何に引かれたのでしょうか。
彼の人生が幸せなものであることを願います。
最後はそれしかないことはわかりますが、切ないです。

震災を風化させないためにも読んでもらいたい小説です。


<今週のおやつ>
久しぶりに頼んだお届けものです。物価が高くなり、贅沢ができなくなっていますが、たまにはいいですよねw。


前にも頼んだことのあるMaison KEIのビスキュイブルトンです。
大切に味わって食べますわ。

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