ジジ・バンディアン 『読書会は危険?』2025/04/13

壁から死体?』に続く、<秘密の階段建築社>の事件簿シリーズの二作目。


テンペストがラスヴェガスの花形イリュージョニストから転職して仕事を始めた<秘密の階段建築社>が最近、手がけたのは、ラヴィニア・キングズリーの自宅の一部、<ラヴィニアの隠れ家>の改築だった。

ラヴィニアは町で人気のカフェ<ヴェジー・マジック>の経営者で、浮気をした夫、コービン・コルトを家から叩き出し、元夫が執筆用オフィスにしていた地下室をブッククラブのミーティングスペースとホームオフィスと読書コーナーを合わせた空間に改装した。
テンペストの友人でイリュージョニストであるサンジャイがラヴィニアのリフォーム完成お披露目会でパフォーマンスをすることになる。
よりにもよって、サンジャイ曰く、コービンの魂を家から追い出すための「インチキ降霊会」をだ。
テンペストはサンジャイから協力を頼まれる。

降霊会には八人が参加した。
降霊会の最中、点滅を繰り返しているかすかな赤い光が止まり、真っ暗になった時、手をつないだ八名が囲むテーブルの中央に、胸にナイフが突き刺さっているコービン・コルトの死体が現れる。

コービン殺害には「四つの不可能の要素」があった。
テンペストはサンジャイと共にどんなトリックを使えば可能になるかを考えるが、祖父のアッシュが逮捕されてしまう。
テンペストは謎を解き、アッシュを救うことができるのか。

コービンが残した手稿から、テンペストはおばの殺人事件と母親の失踪事件の解決と「ラージ家の呪い」の解明に一歩近づいたようです。
彼女の引退公演はいつになるんでしょうね。楽しみです。
本の最後にアッシュにおじいちゃんのレシピが載っています。
アッシュはインド系アメリカ人なので、ターメリックやコリアンダー、カルダモンなどの香辛料を使っていますので、カレー好きの日本人には食べやすいかもしれません。是非お試しを。(私は作らないので、作った方のご一報が欲しいですww)

前回にも登場していた島田荘司の『占星術殺人事件』の他に横溝正史の『八つ墓村』が紹介されています。
横溝正史は海外でも有名なのでしょうか。
彼の書く、日本の地方の村特有のおどろおどろしさが海外の人に伝わるのかしら。

三作目は『A Midnight Puzzle』。
<秘密の階段建築社>にブービートラップがかけられるようです。
テンペストたちはその罠から逃れられるのでしょうか。

コメント

_ ろき ― 2025/04/15 04時41分01秒

交霊会とは、アガサ・クリスティー味がありますね。
料理、絶対おいしいですよ。誰か作って。
横溝正史はかなり訳されているようです。閉鎖的な村とか遺産問題とか、けっこう普遍的なのかも。
湖から脚が2本出ているイラストが表紙のも、Amazonなんかで見ました笑

_ coco ― 2025/04/15 15時15分34秒

ろきさん、この作品はクリスティやポーのオマージュが入っています。
インド料理はイギリスでも美味しそう。
Amazonで横溝正史の英訳版を見てみると結構ありますね。『犬神家の人々』の表紙絵が、赤い脚が二本ですねぇ。湖からというより、地面から生えてるみたいwww。

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