東野圭吾 『マスカレード・ゲーム』2025/04/17



ハナミズキが満開です。
急に暑くなり、わんこたちが舌を出すようになりました。
このまま行くと、連休は何度になるのか、不安です。

「マスカレード・ホテル」シリーズの四冊目で最終巻です。


三週間前に、二階建てのアパートの一室で溶接加工会社勤務の入江悠斗が刃物で胸を刺されて死んでいた。
動機を探っていくが、金銭目的はあり得ない。彼が死んで得をする人間もいない。だが、彼を憎んでいた人間はひとりいた。
入江は十七歳の時に、駐輪禁止の場所に自転車を駐めようとして、通りがかりの学生に注意され、かっとなって相手に激しい暴行を加えた。現行犯逮捕され、少年院に送致された。一年三ヶ月後に少年院から出て更生保護施設に入り、今の会社に入社していた。
被害者は植物状態になり、事件から約一年後に亡くなっていた。

一週間前に、狛江市の児童公園で、産業廃棄物工場で働いている四十歳の高坂義広が殺された。
入江悠斗と同じように鋭利なナイフで正面から胸部を刺されていた。
彼は二十年ほど前に強盗殺人を犯していた。犯行当時は二十歳であったため、それが考慮され、懲役十八年の実刑判決で、昨年千葉刑務所から出所していた。

三日前の夜、吉祥寺の路上で飲食店勤務、三十四歳の村山慎二が襲われた。凶器はナイフで、胸部を刺されていた。
彼は六年前、元恋人の全裸画像などをインターネット公開し、被害にあった中三の少女が自殺。村山は公表罪及び公表目的提供罪で懲役三年、執行猶予五年の有罪判決を受けていた。

三つの事件の殺害方法は同じで、同一犯の犯行の可能性があった。
だが、三件の事件の遺族にはきっちりとしたアリバイがあった。
捜査一課の警部・新田浩介は他の二件の殺人事件を担当する先輩刑事の本宮と梓警部、能勢警部補と協力して捜査に当たることになる。

クリスマスイブの日、一件目の事件の被害者の母親、神谷良美がホテル・コルテシア東京にチェックインする。
新田たちはホテル・コルテシア東京を訪れ、宿泊名簿を調べてみると、リベンジポルノの被害者の父親、前島隆明と高坂義広に殺された母親の息子、森元雅司が翌日に宿泊することになっていた。

三人は共犯で、これは交換殺人もしくはローテーション殺人なのか。
ひょっとして四番目がいるのか。

新田はまたホテル・コルテシアでフロントクラークとして潜入捜査を行うことになる。

新田の行くところになかなか芯の強い、一筋縄ではいかない女性が登場します。
前回は山岸尚美でしたが、今回は梓警部。ホテルではやってはいけない勝手なことをして新田を悩まします。
警察で女性として出世していくためには、普通のやり方ではダメなんですねぇ。

怪しい人がいたのですが、犯人は思いがけない人でした。
最後まで読ませる東野さんは流石ですが、結末はふ~ん、でした。
新田は新しい人生のステージを踏み出します。
ひょっとしたらまた戻ってくるかもしれません。
これもドラマ化か映画化されそうです。お楽しみに。

「マスカレード・ホテル」シリーズの順番
③『マスカレード・ナイト』
④『マスカレード・ゲーム』(本書)

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