岩井圭也 『凪の海 横浜ネイバーズ3』 ― 2025/04/18
横浜ネイバーズ・シリーズの三冊目。

「1.ゴッド・イズ・バック」
近頃、ロンは困っている人、悩んでいる人の助けになることが、己の使命だと考えるようになったが、彼にトラブルシューティングを依頼する者は少ない。広告でも出そうかと考えている時に、涼花から相談があると電話が来る。
「佐藤智夫」は「チップ」という異名で活躍するプロゲーマー。活動歴は七年以上で、高校一年の時から日本のプロチームに所属し、プレイ動画の配信もしている。涼花によると、競技ゲームからは引退してストリーマー専業になると言っているという。その理由がチップの仲間が八百長に加担しているかららしい。
涼花はチップに競技を続けてほしいから、ロンに賭博を壊滅させてくれと言う。
ロンはとりあえずチップに会ってみる。
「2.推しの代行者」
ロンは警備員のバイトを始めたが、後悔している。違反をする人々や転売屋にはウンザリだ。ライブの警備から帰り、寝ようとした時に、電話をかけてきたのが、以前特殊詐欺事件で知り合ったコーキの中学の同級生の石森という男だった。
十日前に家の近くでいきなり誰かに殴られたので、警察の代わりに犯人を捕まえてほしいという。詳しく話を聞いていくと、石森が転売屋だということがわかる。
しばらくして、石森のアパートの部屋が荒らされ、在庫を全部持っていかれたという連絡が来る。
これ以上の被害に遭わないために、ロンが犯人を捕まえたら、転売から足を洗うという約束を石森にさせる。
「3.盗人のルール」
競馬で借金をし、どうしようもなくなった吉川は闇バイトをすることにする。
指定されたアパートの一室に行くと、七十五のじいさんがいるはずなのに、坊主頭の体格のいい男がいた。じいさんの孫のふりをして、うまく騙して金の入ったハンドバッグをかすめ取ろうとしたら、別の男が現れる。こいつは誰だ。
「4.凪の海」
川崎のライブハウスでグッド・ネイバーズのライブが行われた。終演後、凪の前にナイフを持った女が現れる。七年前、彼女のサガミ港産に勤めていた夫が高所から落下して亡くなり、第一発見者の凪が犯人だ。夫を殺したのに、一人で立ち直るなんて、許せないと叫ぶ。ロンたちで女を捕まえたが、それ以降、凪と連絡が取れなくなる。
この頃、グッド・ネイバーズがメジャーデビューすることになっていたが・・・。
今回のキーワードは、e-sports、転売ヤー、闇バイト、アポ電強盗、LGBTQ。
凪の過去が明らかになりますが、ハッピーな終わり方でよかったです。
四章で川崎臨海部の夜景を思い出しました。
どの事件もサラッと読み終わってしまいます。
その後のことは追々語られるのかな?
このシリーズはYA向きですね。
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