「プロスペローの本」を観る2025/05/01



原題:「PROSPERO'S BOOKS」

1991年イギリス・フランス・イタリア映画 126分

脚本・監督:ピーター・グリーナウェイ

原作:ウィリアム・シェイクスピア『テンペスト』

撮影:サッシャ・ヴィエルニ

美術:ベン・ヴァン・オズ、ヤン・ロールフス

音楽:マイケル・ナイマン

編集:マリナ・ボドビル

衣裳:ワダエミ


出演:

ジョン・ギールグッド(ミラノ大公プロスペロー)

マイケル・クラーク(妖精キャリバン)

ミシェル・ブラン(ナポリ王アロンゾ―)

エルランド・ヨセフソン(ナポリ王の忠臣ゴンザーロー)

イザベル・パスコー(プロスペローの娘ミランダ)

トム・ベル(プロスペローの弟アントーニオ)

ケネス・クラナム(セバスチャン)

マーク・ライランス(ファーディナンド)


かつてミラノ大公だったプロスペローは12年前にナポリ王アロンゾーと共謀した弟のアントーニオに国を追放され、娘のミランダと絶海の孤島に漂着する。

プロスペローは友人のゴンザーローから譲り受けた24冊の魔法の本を読み、強大な魔法の力を持つようになり、孤島に小イタリア王国を築き上げる。


ある日、プロスペローは島の怪物キャリバンや妖精エアリエルを使い、「テンペスト」という壮大な復讐劇を書くことを思い立つ。


久しぶりにピーター・グリーナウェイの世界に浸ろうと思い、映画館に足を運びました。

シェイクスピアの『テンペスト』が原作で、音楽がマイケル・ナイマンなんて、ワクワクしませんか。

これでもかというように、色彩と音楽がスクリーンから溢れてきます。

出てくるのは全裸や半裸の妖精たちで、人間は主人公のプロスペローと娘のミランダ、そして嵐で島に流されてきた者のみ。

次々とプロスペローが読んできた本、「水の本」、「神話の本」、「幾何学の本」・・・などが話の流れと共に開かれていきます。


プロスペローを演じるのは、シェイクスピア俳優のジョン・ギールグッド。

物語はすべて彼の台詞のみ。

これぞシェイクスピア俳優という台詞まわしです。

もう見られませんが、彼の舞台を一度見てみたかったです。


とにかく映像美に圧倒されます。

美しい絵画が永遠に続いていくという感じで、そこにナイマンの音楽が組み合わさると、豪華絢爛。しかし、少しバランスが崩れると醜悪になるというギリギリの線です。

好き嫌いが分かれる映画でしょう。


ピーター・グリーナウェイの映画をみてみようと思った方は、下の予告篇を見てみて下さい。嫌悪感がわかなかったら、大丈夫でしょう(たぶん)。


「ピーター・グリーナウェイ レトロスペクティブ 美を患った美術師」日本版オリジナル予告篇