高山環 『最果てキッチン』2026/04/18



田所圭介は元料理人。
妻の羽澄とフレンチレストランを開業しようとしていたところに、突然、妻が亡くなる。
一年間、引きこもり生活を続けているときに、妻が残した四枚のモノクロ写真と鍵のかかった小箱を見つける。
写真の裏には「さがして」の文字が…。

赤いレガシィに乗り、圭介が訪れたのは九州。
出費を抑えるために道の駅で車中泊をしている。
宮崎県の道の駅で出会ったのが、旅動画を撮るために全国を巡るユーチューバーの若い男女、ケンとメリー。
圭介はケンとレガシィを改造する様子を動画に撮る代わりに費用をケンが持つという取引をする。
シングルサイズのベッドができ、立って調理ができるようになり、快適な車中泊となる。

羽澄が残した4枚の写真が撮られた場所を探しながら圭介は様々な人々と出会っていく。
四角四面ではあるが、まじめに県のことを考えている県観光課の楠瀬。
飼い犬といっしょに車上で生活をする老夫婦。
移住に失敗し、キャンピングカーで暮らす家族。
車中泊を続ける母子。

それぞれがそれぞれの事情をかかえながら、生きている。
圭介はお節介だとは知りつつも、楠瀬を巻き込み、彼らと関わっていく。
そして、圭介の宮崎の新鮮な土地の食材を使った料理が人の頑なな心を溶かしていく。

やがて圭介が辿り着いた胸中は…。

初読みの作家さんです。
よくある設定ですが、宮崎の風景がよく描かれており、一度行ってみたいと思いましたが、何かありましたっけ?(失礼)
AIによると、「高千穂峡の絶景、青島神社のパワースポット、絶品のチキン南蛮や宮崎牛、そして温暖な気候が魅力」だそうです。
食べ物はどうでもいいのですが、高千穂峡は行ってみたいですね。
でも、交通の便が悪いようです。ドライバーを連れていくしかなさそうです。
いつになるかわかりませんが、夫が退職して暇になるのを待ちましょう。

それにしても道の駅を利用する人たちの中には色々な事情の人がいるんですね。
ネットで調べてみると、全国の道の駅の約29%に「車中生活者」がいるそうです。
映画「ノマドランド」で描かれたことは遠いアメリカの出来事ではないのです。
年金不足、DV、失業、他人との関りが面倒など様々な理由で「車中生活者」になり、現代の「ハイブリッド型ホームレス」と言われているようです。
物価高になり、ますます暮らし難くなっていますが、支援が必要な人が増えているのではないでしょうか。
他人事ではないですわ。

社会問題を絡めてますが、暗いお話にはなっていません。
圭介君が作るお料理がおいしそうで、一服の清涼剤になっています。
さて、小箱に入っていたものは何だったのか。
そうだったのかと思うか、やっぱりねと思うか、あなた次第ですww。

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