ネレ・ノイハウス 『悪しき狼』2018/11/13

職場の人から聞きましたが、今、高校球児の根尾君の愛読書が売れているそうですね。
その本がすごい。
外山滋比古の『思考の整理学』と渋沢栄一の『論語と算盤』ですって。
外山さんの本は一時期流行っていたので知っていますが、渋沢栄一なんて、渋い。
私の読む本の軽いこと(恥)。


オリヴァ―&ピア・シリーズの最新作。

ヘタレなオリヴァ―はやっと離婚ができ、生活を立て直すこととなり、ピアは一緒に生活をしている男性の娘をしばらく預かることになります。

そんな時、マイン川で少女の死体が発見されます。
彼女は14歳から16歳ぐらいで、長期間監禁、虐待されており、その上、性的虐待された痕があり、死因は溺死でした。
オリヴァ―とピアは捜査を始めますが、なかなか捜査は進展しません。

オリヴァ―がやっと帰ってきましたが、ピアの方が上手ですね。
欧米で多いらしい幼児の性的虐待のお話なので、またかと思いつつ、とっても気分が悪くなりました。
社会的地位の高い人たちが幼児性愛者の場合は互いに助け合い、もみ消しあい、なかなか表面には出てこないといいます。
結局、犠牲になるのが子どもたち。
ピアたちはどうやって明るみにしていくのか。
そして、次に続きそうな感じですが、逃げ延びた奴がどうなるのか。
まだまだ読む楽しみは続きそうです。

川名壮志 『謝るなら、いつでもおいで 佐世保小六女児同級生殺害事件』2018/09/10

暗い報道が多い中、大坂なおみさんの全米制覇の話題は嬉しいものですね。
グラフの頃からテニスの試合を見ていた私にとって、日本人が取ったというのが驚きです(彼女のことを日本人じゃないと言う人もいるようですが、お母様が日本人ですから、OKじゃないですか?)。
セリーナさんの行動が残念でしたが、あれは考えてやっていたのでしょうね。
まともに戦うと負けるのがわかっていたので、精神的に弱いなおみさんを揺さぶる意味もあったのでしょう(と思いたいけど、そうじゃなかったら、怖いわぁ。)
とにかく、おめでとう!

と書きながら、紹介する本は重いものです。


1997年に酒鬼薔薇聖斗事件が起こり、少年犯罪の凶悪化がマスコミで取り上げられるようになり、この小学校6年生の女の子が、同級生を殺したという事件は2004年に起こりました。

本を書いたのは、被害者の少女の父親の直属の部下で毎日新聞記者の方です。
加害者と被害者の両方を知っている、事件当時から関わってきた人です。
当時の学校の混乱した様子や佐世保支局内のこと、被害者家族のこと、加害者と被害者の関係、加害者の父との会話、被害者の父と兄の話などが克明に書かれています。

勉強不足で、この本で知ったのですが、14歳以下の子どもには少年法ではなく「児童福祉法」が適用されるそうです。
「児童福祉法」では非行少年の「保護」をうたっており、犯した犯罪の軽重は問わず、「加害者」であっても「社会の網の目からこぼれ落ちた被害者」とみなし、子どもの福祉を一番の目的としています。(p.53)
そのため刑も罰も科せられず、加害者の少女は児童自立支援施設に収容されました。

少年たちは「可塑性」に富んでいるから、大人と同じ刑を科すことができないとは言うけれど、どうなんでしょうか。
この事件とは関係ないのですが、足立区で起きた「女子高生コンクリート詰め殺人事件」で逮捕された4人の少年たちは出所後、また犯罪を犯していると聞きました。
彼らは特別なんでしょうか?
少年であっても罪の重さに応じて刑を科す方がいいのではないでしょうか?

被害者の家庭は母親が癌で亡くなっていました。
被害者の女の子はその寂しさや友達とのことを父親には言えなかったようです。
父親は加害者の少女に関してこう書いています。
「あの子とあの子の家族はやり直しができるんですよね。でも、僕のところはやり直しができない。失ったまま。それはわかってくれど。もちろんね、相手も平穏な生活が崩れたことは承知している」
「それでもやり直しができるということは、向こうにとっての「救い」だよね」
「被害者なんてものは、救いがあるなんて思っていないんだよ」
「あの子には生きて抱えてもらいたいと思っている」

この本を読んで一番の被害者は殺された少女の兄ではないかと思いました。
彼は被害者家族でありながら、必要な援助がなされていなかったのです。
警察からも教師からも誰からも事件について聞かれず、父は悲嘆に沈み、精神的におかしくなりそうな状態だし、周りは何を彼に言ったらいいのかわからず、声をかけられず、学校にいたスクールカウンセラーさえも話しかけてこなかったそうです。
彼は話したかったのです。
怒りをぶつけたかったのです。

中1だった彼は高校を卒業するような年齢になっています。
彼は加害者の少女に対して、「普通に生きてほしい」、「一度きちんと謝る。謝ってもらった後は、お互い自分の生活に戻る」などと言っています。

自分の妹を殺した相手にこんなことを言えるなんて・・・。
彼こそ、一番ケアが必要だったのに。
彼の言葉は彼女に届いているでしょうか。

大山淳子 『光二郎分解日記 西郷さんの犬』2017/09/15

日本人が11年連続、イグ・ノーベル賞を取ったそうです。
イグ・ノーベル賞とは、「人々を笑わせ、考えさせた」業績に送られる賞です。
おめでとうございます。
雄と雌、「逆転」の虫の研究だそうで、興味のある方は調べてみてください。



元理科教師で認知症のせいか、もともとの性格のせいか、よくわかりませんが、物忘れが激しく、物を分解するのが大好きで、ひとつのことにのめり込むと回りのことを忘れてしまい、人間関係を築くのが下手で、頑固、そういう人が光二郎です。

光二郎は自宅を出て、一人暮らしを始めました。
シルバー人材センター『ほのぼの』に登録し、ほそぼそと仕事をしています。
仕事の相棒は、山氷。
この名前が何故か覚えられないのです。

ある日、庭の手入れを頼まれ、山氷と一緒に伺っていると、電話がきました。
他人の家の電話なのに、でてしまう光二郎。
その電話はよくあるオレオレ詐欺でした。
光二郎は孫のかけるを助けなきゃと、銀行に行きお金をおろそうとしますが、キャッシュカードが他のものに化けていて、家に電話が行ってしまいました。
かけるが駆けつけ、一件落着と思ったら・・・。

別のある日、『ほのぼの』に「落し物をさがしてくれ」という依頼がきます。
その依頼は、なんと、西郷さんの犬を探してくれというものでした。
上野の山の西郷像から犬が盗まれたのです。
前回、警察を助けた光二郎は犬を探す手伝いを頼まれます。
西郷隆盛像にも色々とあるのですね。
犬は雌で名がツンというなんて、知りませんでした。

相変わらずの光二郎ですから、他にも色々なことに巻き込まれますが、うまく解決していきます。
かける君も自分の人生の行き先をどうにか決めることができつつあるようです。

かけるの祖母でリケジョ、時計にとり付いでいる元子さん、素人川柳教室を開催している、かけるの母の雪絵さん、新しく登場してきた獣医さんや独居老人の安佐顔さんなど、とっても魅力のある登場人物たちがこれから何をやらかすのかが楽しみになってきました。

これからこういう老人が増えていくのなら、日本の未来は明るいかも。

原田マハ 『暗幕のゲルニカ』2016/07/24



この猫、イギリスの首相邸に住んでいるラリー君(雄よね)。
キャメロンが引越をしても首相邸に残るのだとか。
なんと、彼、イギリス政府の正式スタッフで公務員なんだって。
職務はネズミ取りだとか。
かわいいですね。

さて、家のとぼけた犬は、またまた笑わしてくれています。


狭いハウスの中でひっくり返って寝ています。
目を開けているのが不気味ですが・・・。


原田マハさんのアート小説。
今回取り上げるのは、ピカソ。
物語は実在のピカソの愛人でカメラマンのドラ・マールとMoMAのキュレーターの八神瑤子の二人が交互に登場してきます。

ドラがピカソと関係を持っていた時に、ゲルニカが描かれ、彼女は制作過程を写真に撮っていました。

瑤子は9・11で最愛の夫を亡くしました。
キュレーターの彼女が夫の弔いのために考えたのが、「ピカソの戦争:ゲルニカによる抗議と抵抗」展。
この展覧会を成功させるにはスペインにあるゲルニカが必要でした。
しかし、スペイン側はゲルニカを貸し出してくれません。
瑤子の奮闘が始まります。

ゲルニカのタペストリーが国連にあるなんて知りませんでした。
ゲルニカに込められたピカソの思いは今も生きています。


北森鴻&浅野里沙子 『天鬼超 蓮丈那智フィールドファイルⅤ』2016/04/24



仲がいいのか、悪いのか?
雨なので、部屋で遊ばせました。
結構互角になってきたようです。

「失明につながる緑内障の進行を抑える化合物を京都大のグループが見つけた」
というニュースを朝日新聞に載っていました。
薬が緑内障患者に使われるのが、早くても5年後。
私には関係ないのですが、これから緑内障になる人にはいいニュースです。



北森さんの書いた短編二編と、彼の死後、奥様の浅野さんが北森さんの書いたプロットを元に書いた短編四編の入った文庫本です。
北森ワールドがどのように再現されているのかと思いながら読み進みました。
でも、なんか違うんです。
「・・・ミ・ク・ニ」と蓮丈独特の言い方とか、蓮杖と内藤の関係性とかが。

民族学に少しでも興味を持たせてくれた北森さんに感謝!です。