ジジ・バンディアン 『読書会は危険?』2025/04/13

壁から死体?』に続く、<秘密の階段建築社>の事件簿シリーズの二作目。


テンペストがラスヴェガスの花形イリュージョニストから転職して仕事を始めた<秘密の階段建築社>が最近、手がけたのは、ラヴィニア・キングズリーの自宅の一部、<ラヴィニアの隠れ家>の改築だった。

ラヴィニアは町で人気のカフェ<ヴェジー・マジック>の経営者で、浮気をした夫、コービン・コルトを家から叩き出し、元夫が執筆用オフィスにしていた地下室をブッククラブのミーティングスペースとホームオフィスと読書コーナーを合わせた空間に改装した。
テンペストの友人でイリュージョニストであるサンジャイがラヴィニアのリフォーム完成お披露目会でパフォーマンスをすることになる。
よりにもよって、サンジャイ曰く、コービンの魂を家から追い出すための「インチキ降霊会」をだ。
テンペストはサンジャイから協力を頼まれる。

降霊会には八人が参加した。
降霊会の最中、点滅を繰り返しているかすかな赤い光が止まり、真っ暗になった時、手をつないだ八名が囲むテーブルの中央に、胸にナイフが突き刺さっているコービン・コルトの死体が現れる。

コービン殺害には「四つの不可能の要素」があった。
テンペストはサンジャイと共にどんなトリックを使えば可能になるかを考えるが、祖父のアッシュが逮捕されてしまう。
テンペストは謎を解き、アッシュを救うことができるのか。

コービンが残した手稿から、テンペストはおばの殺人事件と母親の失踪事件の解決と「ラージ家の呪い」の解明に一歩近づいたようです。
彼女の引退公演はいつになるんでしょうね。楽しみです。
本の最後にアッシュにおじいちゃんのレシピが載っています。
アッシュはインド系アメリカ人なので、ターメリックやコリアンダー、カルダモンなどの香辛料を使っていますので、カレー好きの日本人には食べやすいかもしれません。是非お試しを。(私は作らないので、作った方のご一報が欲しいですww)

前回にも登場していた島田荘司の『占星術殺人事件』の他に横溝正史の『八つ墓村』が紹介されています。
横溝正史は海外でも有名なのでしょうか。
彼の書く、日本の地方の村特有のおどろおどろしさが海外の人に伝わるのかしら。

三作目は『A Midnight Puzzle』。
<秘密の階段建築社>にブービートラップがかけられるようです。
テンペストたちはその罠から逃れられるのでしょうか。

ローラ・チャイルズ 『ハニー・ティーと沈黙の正体』2025/04/09

「お茶と探偵」シリーズの26冊目。


インディゴ・ティーショップのセオドシアとドレイトン、ヘイリーの三人は新しく整備されたペティグルー公園で行われる「蜜蜂のお茶会」のケータリングをしていた。
お茶会はイマーゴ・ギャラリーのあらたな始まりを祝い、芸術愛好家やアーティストをもてなし、ビジネスチャンスを掴もうとするギャラリーのオーナー、ホリー・バーンズのためのものだった。
それなのに選挙の時期ということで、招待されていないオズグッド・クラクストン三世が長々とみずからの輝かしい業績と州議会の議席を自分にあたえるべき理由を語っていた。
セオドシアは演説を続けようとする彼を止め、お茶会を始めた。

ふた品めを出そうとした時に突然、防護服姿の養蜂家が現れた。
お客はイベントの一部だと勘違いし喜んだが、養蜂家はクラストンに近づき、燻煙器を彼の顔に向け、乳白色の蒸気を噴射させた。
それはただの煙ではなかった。
会場は混乱し、お客はパニックになる。
そこに一発の銃声が響き渡る。
気づくと、クラストンが養蜂家の足元に倒れていた。
養蜂家は満足そうにクラストンを見てから、全速力で走り出した。
危険をかえりみずセオドシアは彼を追いかけたが、のがしてしまう。

その翌日、ホリーとホリーのビジネス・パートナーのジェレミーがティーショップに現れる。
昨日の殺人事件の連帯責任を負わされ、契約を交わした画家の何人かが手を引くと言ってきた上に、大口顧客のうちの三人が注文をキャンセルし、全額返金を要求してきたという。
イマーゴ・ギャラリーはこのままでいくと立ち行かなくなる。
困ったホリーたちは「ご近所探偵」のセオドシアにオズグッド・クラクストンを殺した犯人を突き止めて欲しいと頼みに来たのだ。
チャールストン警察殺人課のティドウェル刑事からも、恋人のライリー刑事からもかかわるなと言われていたので躊躇するセオドシアだったが、好奇心と冒険心に負け、調べてみることにする。

「ご近所探偵」と言われていい気になり、セオドシアはまた殺人事件に手を出してしまいます。
もう誰にも彼女を止められません。殺人事件を調べると聞き、本来なら止めなきゃいけないティー・ブレンダーのドレイトンもシェフ兼パティシエのヘイリーも一緒になってウキウキしているんですもの。
ドレイトン、お年なのに大丈夫?
殺人事件を解決することは麻薬みたいなものなんですかねww。

さて、お茶会ですが、ドレイトンは「キツネと猟犬のお茶会」とか「秘密の花園のお茶会」を考えつきます。次回に開催されるでしょうかね。
今回は「たのしい川べのお茶会」を御紹介しましょう。
『たのしい川べ』はケネス・グレーアムが書き、E.H.シャパードがイラストを描いた、川辺に住む動物たちの日常生活を描いた児童書です。


岩波書店の岩波少年文庫から出版されています。

セオドシアが考えたお茶会のテーブルの飾り付けは、緑色のドライモスを敷き、黄色いラッパズイセンをクリスタルの花瓶にいけ、『たのしい川べ』の絵本を何冊か置き、動物のぬいぐるみをずらりと並べるというものです。
お皿は『たのしい川べ』の世界を描いたロイヤル・アルバートのもの。
最初のひと品は、あなぐまのバジャーの大好物のクランペットにクロテッド・クリームとエルダーベリーのジャム添え。
ふた品めは、ひきがえるのトード特製、イギリスのマヨネーズを使った燻製マスのティーサンドイッチ。
メインはもぐらのモールのチェダーチーズとソーセージのスコッチエッグ、つけ合わせとして緑の葉物野菜を柑橘ドレッシングで和えたサラダ。
デザートは、川ねずみのラッティーのジンジャービールのカップケーキ。
お茶はたのしい川べと名づけた特製オリジナルブレンドで、紅茶に細かく砕いた桃、リンゴ、ヒマワリの種を混ぜたものです。

ジンジャービールはショウガを発酵させて作るジュースで通常はノンアルコールだそうです。美味しいのかしら?
一度でいいから本格的なお茶会に参加したいのですが、お茶会なんてどこでやっているのでしょうね。
自分で考えてやってみましょうか。
そのうちに何がいいか、考えてみますわ(たぶん)。

サマンサ・ラーセン 『公爵家の図書係は恋をする』2025/02/28

公爵家の図書係の正体』に続く「英国貴族の本棚」シリーズの二作目。


ティファニーは兄の跡を継ぎ、ボーフォート公爵家本宅、アストウェル・パレスの図書係になり、ブリストル・コッテジを手に入れた。
しかし、いいことは続かない。
ある日、仕事に行こうと外に出てすぐに、何かにつまずいてしまう。
それは、男性の死体で、ボーフォート公爵家に仕える元フットマン、バーナード・コラムだった。
一体、彼はここで何をしていて、だれに、どうして殺されたのか。
ティファニーは治安官であるサミール・ラスロップに同行して、バーナード・コラムについて聞いて回る。

ティファニーはサミールを愛していた。
しかし、バーナード・コラムの姉のイーヴィという女が現れ、彼女とサミールは夫婦だと言う。
十一年ちかくまえに結婚したが、イーヴィはすぐにバーズリーの鍛冶屋のところに行ってしまい、それ以来二人は会っていない。
それなのに、彼女は妊娠していた。

そうするうちに、バーナード・コラムの父親が、バーナードがサミールを脅しているのを聞いたと言い出し、それを根拠にサミールは逮捕されてしまう。

ティファニーは愛する人のために、たとえ二人は結婚できないとしても、自分自身で本物の殺人者を見つけようと決意する。

ティファニーに次々と試練が与えられています。
サミールはインド系なので、人種差別をされることが多く、たとえ治安官をしていても簡単に逮捕されてしまうのです。
あとがきによると、被告は「証拠の記録」も見られず、自らを守るための意見を述べることもできなく、裁判は迅速に行われ、判決も迅速に出され、1868年まで公開処刑が行われていたそうです。
誤認逮捕が沢山ありそうですね。

この本によると、ティファニーの生きている十八世紀のイギリスでは、離婚はめったになかったそうです。
もちろん、裕福な上流階級の人は例外ですよ。
でも、抜け道はありました。
女性にとっては屈辱的なことですがね。
ホント、この時代に女性として生まれなくてよかったと思います。

三作目は出版されるのかどうかわかりません。
これで終わってもいいのですが、私はティファニーにもっと毒づいて欲しいですけどねww。
18世紀の人種差別問題やフェミニズムなどに触れたコージーミステリって感じです。
興味のある方はお読みください。

ジェス・Q・スタント 『ミセス・ワンのティーハウスと謎の死体』2025/02/24



気がつくと、梅の花が満開で枯れそうになっています。
寒いので、春は遠いと思っていたら、来週は三月です。
早いですね。
三連休は犬たちとはどこにもいかず、五島うどんを食べに行ってきました。
島で食べた方がおいしかったような気がします。



ヴェラ・ワン・チュウチュウはサンフランシスコのチャイナタウンに住む六十歳の女性。
夫のジンロンは亡くなり、ティルバードという法律事務所で働くジュニア・アソシエイト弁護士の息子がいる。
ヴェラはティリー(ヴェラは息子をこう呼んでいる)に毎朝四時頃と夕方にメールを送るが、滅多に返事は来ない。
ヴェラはチャイナタウンにある<ヴェラ・ウォンの世界に名だたるティーハウス>のオーナーだ。
昔は多くの常連客がいたが、今はアレックス、ただ一人で、客はほとんど来ない。
アレックスの妻のリリーは一年前にアルツハイマー病と診断され、いまでは家から出られないほどだそうだ。

ある朝、ヴェラはティーハウスの真ん中に死体がころがっているのを見つける。
すぐに警察に連絡して、警察官のためにお茶を用意した。
しかし、警察官はここで飲食はしないと言って、ヴェラを邪険に扱った。
ヴェラは<CSI:科学捜査班>を観ているから、捜査のことは知っている。
それに自分の店で人が死んだんだから、捜査状況を逐一知らせてもらいたいし、死の原因だって、仮説を提供する権利があるはすだ。
ところがグレイ巡査はヴェラを排除した。
そこでヴェラは決めた。役立たずの警察官の代わりに自分が事件の捜査をしようと。
早速、ヴェラは地元紙とティックトック、Xに死亡記事を出す。
これで犯人はティーハウスに来るはずだ。

ティーハウスにやって来た容疑者は4人。
リキ・ヘルワントという二十五歳の<バズフィールド>のレポーターとサナ・シンという犯罪ドキュメンタリーのポッドキャストをやっているという女性、殺されたマーシャルの双子の兄のオリヴァー、そしてマーシャルの妻のジュリア。
ヴェラは彼らに絶品料理を用意して、懐柔していく。

読み始めはヴェラおばさんの一日の描写なので、つまらなく思えるかもしれませんが、殺人が起きて、容疑者たちが集まり始めると、俄然面白くなりますので、しばし我慢を。

ヴェラのパワーは凄いです。彼女の強みは美味しい料理とお茶が作れることです。美味しい料理の前では、誰もが我を忘れますものね。
ヴェラは有無を言わせず、四人に料理を食べさせ、仲良くなり、殺人事件の調査を進めていきます。
ヴェラのパワーに屈した若者たちはこれからも彼女に引っ張られていくのでしょうね。

この本は昨年、MWA(アメリカ探偵作家クラブ)賞最優秀ペイパーバック賞を受賞したそうです。
二作目は『Vera Wong's Guide to Snooping(on a Dead Man)』といって、今年の四月に刊行予定です。
息子にガールフレンドが出来、人生も順調でしたが、一回目の殺人事件捜査に味をしめたヴェラは、知り合った若い女性の行方不明の友だち探しをするみたいです。
ホント、お騒がせなヴェラです。
二作目も面白そうですね。

ジョアン・フルーク 『キャラメル・ピーカンロールは浮気する』2025/01/20




ハンナ・スウェンソン・シリーズの28作目。

ベーカリー兼コーヒーショップ<クッキー・ジャー>の経営者、ハンナと妹のアンドリアは、<レイク・エデン・イン>のオーナーのサリーから頼まれて、フィッシング・トーナメントのある一週間だけ、ホテルのデザートシェフの代わりに働くことになる。
ハンナたちのデザートは評判がよく、楽しく働いていたが、それもつかの間。
息抜きに出かけた湖の上で、釣り番組の人気出演者で釣り大会のゲストのソニー・バウマンの死体を発見してしまう。
アンドリアの夫で保安官のビルは出張でいないため、保安官助手のマイクが捜査を担当するが、何やら様子がおかしい。
いつもはハンナに首を突っ込むなと言うのに…。
こんな状況で無事に犯人が見つかるのか?

ハンナが結婚詐欺にあってから、また面白くなったシリーズです。
今度はマイクがどうなるのかという感じですね。
いつまでもハンナを追いかけているのではなく、早く別の女性を見つけて欲しいです。
美味しいデザートのレシピがあるので、お菓子作りが趣味の方が読むといいと思います。
私は美味しそう、で終わってますww。

このシリーズは30冊目が今年の8月に発売される予定のようです。
29作目は『Pink Lemonade Cake Murder』。
夏至祭でMLB選手が殺されるようです。

モリー・フィッツ 『ペット探偵と秘密の子猫』2025/01/06



アンジー・ルッソは7つの準学士号を持っている、フルトン・トンプソン&アソシエイツ法律事務所の法律事務員。
法律事務所の会議室にある古いコーヒーメーカーに感電して臨死体験をしてからオクタヴィウス・マクスウェル・リカルド・エドムンド・フレデリック・フルトン、短縮してオクトくんと話せるようになる。
オクトくんはトラ猫で、飼い主のエセル・フルトンが殺されたとアンジーに訴えたのだ。

オクトくんのことが気になったアンジーは、病院から戻るとすぐに法律事務所に行き、フルトン夫妻に動物心理学を学んだと偽り、オクトくんの世話を申し出、家に彼を連れて帰る。
彼によると、誰かがエセルの夕食とお茶に毒を入れたという。

アンジーはオクトくんといっしょにエセル殺しの犯人を捜すことにする。

オクトくんが飲むのはエビアンで、食べるのはファンシーフィースト社のグルメ缶。人間が近くに立って見ていてくれないとご飯が食べられないんだそう。
iPadが扱え、フェイスタイムを使って電話もかけられるという、こんな猫、本当にいたら、飼いたいわ。
我儘で生意気だけど、可愛い猫ちゃんです。

このシリーズはアメリカでは「Pet Whisperer P.I.」シリーズというらしく、18冊も出版されているようです。
Kindleで読んだのですが、ページの組み方が変で、日本語の間違いが多いです。
二冊目はちゃんと校正してから出して欲しいものです。

猫事件ばかり扱うと思ったら違いました。
二冊目の動物は犬でヨークシャテリアです。
きままなオクトくんはちゃんとアンジーを助けてくれるのかしら?

リン・メッシーナ 『公爵さま、これは罠です』2024/12/27

本がたまり過ぎですが、書く時間がなさそう。そのうち一遍に紹介します。
「行き遅れ令嬢の事件簿」シリーズの五作目。
「行き遅れ」なんて失礼よね。


公爵さま、前代未聞です』の事件後、ケスグレイブ公爵と婚約したベアトリス・ハイドクレアですが、いよいよ結婚という時に、叔母さんを始めみんなが結婚を少し延期してはどうかと言い出します。
仕方なく、みんなの意見に従い、ベアトリスは結婚を一週間先延ばしにします。

そんなところに、思いもかけない人がやって来ます。
ベアトリスに”くすみちゃん”というあだ名をつけ、ベアトリスの社交生活を台無しにした性悪女でかつての宿敵、ミス・ブロアムです。
彼女はソールズベリーのミスター・ノートンと結婚して今やノートン夫人となっています。

一体全体何をしにやって来たのか?
まさか和解をしたいのか?

ノートン夫人は昨夜のベアトリスとウェム伯爵との対決を見て、ベアトリスが相当に腕のいい探偵だと確信したので、自分の祖父が隠した有名なダイヤモンドをいっしょに探して欲しいというのです。
止めればいいのに、ベアトリスはにっくきミス・ブロアムをひれ伏せたいがために、引き受けてしまいます。

これがベアトリスの失脚を狙う罠だったとは…。
ベアトリスはまたもや殺人事件に関わることになります。

公爵夫人になるんだから、もう殺人事件に関わるのはおやめ下さいと言いたくなりますが、もうベアトリスを止められる人は公爵以外にいません。
でも、その公爵がおもしろがって、いっしょに事件を解決しようとするんですから、もうどうにもなりません。
二人の様子をこのまま見ているしかないですねww。

さて、次回は公爵夫人となり、慣れない環境に身を置いたベアトリスですが、隣の屋敷で起った首切り事件に首を突っ込みに行きます。
困った伯爵夫人ですね。
このシリーズも続いていて、来年の三月に十三冊目が出版されるようです。


<昨日のわんこ>


チワマル(チワワとマルチーズのミックス犬)の兄はなんでも口にくわえるのが好きみたいです。
たまたま手袋が落ちていたので、くわえたようです。
ヨーキー弟が怪訝そうに兄を見ています。

ママはうっかりしていました。
弟の洋服が裏返しでした。ゴメン。

C.A.ラーマー 『ライルズ山荘の殺人』2024/12/13

早いもので、もう12月。今年が終わろうとしていますね。
年を取ると、ホント、一年が早く過ぎていきます。
特に12月は健診やら歯医者、眼科に行かなければならなくて忙しいです。

眼科は前の主治医のところに戻りました。
手術をした左目は真ん中が見えないので、正常に見える高眼圧症の右目は、何かあってからでは遅いので、今から眼圧を下げておくといいとのことです。
目薬もミケランよりも効き目の強いキサラタンを点すように言われました。
左目に白内障があるとは言われていたのですが、右目も軽い白内障があると言われました。だから眩しいのかしら。
白内障にならないように、緑内障がわかった三十代からサングラスをするようにしていたのに。
目の老化ですね。悲しいですわ。
色々と検査をしたのに、前の病院よりも治療費が安かったです。
原発性アルドステロン症の方も病状の変化はないので、普通のクリニックに通った方がいいかもしれません。
今後の暮らしのことを考えて、無駄な経費を削るようにしていきたいものです。


オーストラリア・ミステリ。
「マーダー・ミステリ・ブッククラブ」シリーズの四作目。


<マーダー・ミステリ・ブククラブ>はメンバーが減ったので、新メンバー募集公告を新聞に出した。

初期メンバーは五人。
ブッククラブの主宰者で編集者のアリシア・フィンリーと彼女の妹でウェイトレスでシェフの卵のリネット・フィンリー、ヴィンテージ古着ショップのオーナーのクレア・ハーグリーヴス、シドニー博物館の学芸員のペリー・ゴードン、そして図書館員のミッシー・コーナー。

新しいメンバーは四人。
バルメインの野外上映会で起った事件で出会ったフローことフローレンス・アンダーウッドとロニーことヴェロニカ・ウェステラ。
新聞のメンバー募集にいち早く申し込んで来たサイモン・クリートとメンバーは八人だというのに、しつこく何度も電話を掛けてきて、仲間に入れて欲しいと懇願したブレイク・モロー。

九人のメンバーが集まった初めての読書会に選んだのが、人里離れた山奥の風光明媚な土地に九十年前に建てられた<ライルズ山荘>で、課題書はクリスティの『そして誰もいなくなった』。
山荘は過去にタイムスリップしたような優雅な内装で、改修工事が始まる前にブッククラブが格安で貸しきりで使える。
山荘にはヴェイルという支配人とジョーン・フラナリーという料理長の二人しかいない。
ヴェイルによると、今季はかなり乾燥していて、森林火災の心配があるという。
四十五年前に山火事が起り、山荘の狩猟ツアーの案内人が命を落としたという。

次の日、フラナリーもヴェイルも見当たらない。
何やら嫌な雰囲気だ。
≪支配人室≫でアリシアが見つけたのは、冷たくなったヴェイルだった。
元看護師のロニーによると、ヴェイルは毒殺ではないかという。
外部に連絡をしようとしたが、電話回線は切れており、ネットもつながらない。
携帯の電波も届かない。
山を下ることのできる乗り物はブレイクのベンツしかない。
町に行っているというフラナリーはいつまで経っても帰って来ない。

ブッククラブのメンバーたちはブレイクがベンツで救援を要請しに行った後に、山の中腹で火災が起っているのに気づく。

三日目の朝、地下の貯蔵室を見つけたペリーは貯蔵室で亡くなっているフラナリーを見つける。

山荘に十一人いたのに、残るは八人。
二つの殺人と森林火災の恐怖にブッククラブの面々はどう対処するのか。

この本の題名は『When There Were 9』です。
そうです。クリスティの『And Then There Were None』のオマージュなんです。日本語の題名ではわからないですね。

アリシアは想像力のたくましい人で、常に頭のなかは「めまぐるしいパニック映画さながら」だそうです。
例えば車が普通に道路を走っている場面では、アリシアの目には「狂人が歩道に乗り上げて歩行者たちを轢き殺す場面」が見えるそうです。
かなり変わった人ですね。「大丈夫?」と訊きたくなりますwww。

このシリーズは七巻目まで発売されています。
五巻目は「The Widow on the Honeymoon Cruise」です。
四巻目で仲良くなったクレア・ハーグリーヴスとサイモン・クリートは結婚し、グレートバリアリーフを巡る新婚旅行クルーズに参加します。
そのクルーズ中に殺人事件が起こり、船の持ち主のサイモンがアリシアの恋人のリアム・ジャクソン警部補に相談し、マーダー・ミステリ・ブッククラブが乗り出すようです。

「マーダー・ミステリ・ブッククラブ」シリーズの順番
④『ライルス山荘の殺人』

ローラ・チャイルズ 『レモン・ティーと危ない秘密の話』2024/12/06

「お茶と探偵」シリーズの25作目。


チャールストンにあるインディゴ・ティーショップのオーナーのセオドシア・ブラウニングは「レモンのお茶会」を主催していた。
会場は本物のレモン畑で、採りたてのレモンが積み上げられ、レモン風味のお茶の香りがただよい、レモンのスコーンが一品目に出された。
そして、今回のお茶会の目玉、<レモン・スクイーズ・クチュール>という新しいファッションブランドのファッションショーが始まろうとしていた。
ところが、有名ブティック<コットン・ダック>のオーナーであるデレインと<レモン・スクイーズ・クチュール>のクリエイティブ・ディレクターになった彼女の姉のナディーンは、ショーで見せる衣装の順番を巡って大喧嘩をしていた。
セオドシアはなんとか二人をなだめ、喧嘩を止めさせた。
しかし、その後、とんでもないことが起る。
レモンカードを補給しようと、セオドシアがウォークイン冷蔵庫の扉を開けると、レモンカードのボウルに頭をつっこんでいる遺体が現われたのだ。
その遺体はナディーンで、後頭部を銃で撃たれていた。

セオドシアはナディーンの娘のベッティーナから犯人を突きとめて欲しいと頼まれ、ドレイトンといっしょに犯人捜しに乗り出す。

セオドシアはチャールストンのミス・マープルとか少女探偵ナンシー・ドルーとかトリクシー・ベルデン(1948年から1986年に書かれた「探偵」ミステリ・シリーズの主人公だそうです)とか言われて、その気になっていますねww。
今回はチャールストン・ファッション・ウィークという一大イベントが開催されていたり、クラッシックカーのイベントなども行われていて、いつも以上に華やいだ雰囲気です。
チャールストンって楽しそうな町ですね。

さて、いつも楽しみにしているお茶会ですが、セオドシアたちは「レモンのお茶会」の他に「スターリングシルバーのお茶会」や「アイルランド風クリーム・ティー」、ティー・トロリー・ツアーでのランチのお茶会などを催します。

では、「アイルランド風クリーム・ティー」を紹介しましょう。
緑色のシャムロック柄がついた白いリネンとドニゴール・パリアンのアイリッシュローズ柄の食器を使い、貝殻サルビア(別名アイルランドの鐘)をベリークの花瓶にいけ、各テーブルに白いピラーキャンドルと焼き物の羊、アイリッシュハープとシャムロックを置きます。
ランチの一品目はベーキングソーダを使ったアイルランド風スコーンにアイルランド産のクリーマリーバターとイチゴジャムかオレンジマーマレード。
二品目はジャガイモとリーキのスープ。
三品目のメインディッシュはブラウンシュガーをまぶして焼いたサーモンのグリルに付け合わせのアスパラガスのキャラメリゼと在来種のトマトを使ったサラダ。
デザートはアイリッシュ・アップルケーキ。
お茶は<シンプソン&ヴェイル>のアイリッシュ・ブレックファーストです。
書かれていませんが、アイリッシュ・ミュージックが流れているんでしょうね。

あとがきにも書いてありますが、このシリーズは29作目が来年の三月に出版されるようです。
26作目の『Honey Drop Dead』では、セオドシアが「ハニー・ビー・ティー」を催している時に偽りの養蜂家が現われ、パーティは混乱し、州議会候補が殺されるという事件が起ります。
だんだんと事件が大きくなってないですか。
チャールストンの警察は何をしているんでしょうねぇ。


「お茶と探偵」シリーズの順番。
①『ダージリンは死を招く』
⑬『ローズ・ティーは昔の恋人に』
㉕『レモン・ティーと危ない秘密の話』

ジル・ペイトン・ウォルシュ 『貧乏カレッジの困った遺産』2024/11/22

<イモージェン・クワイ>シリーズの三作目。


ケンブリッジ大学のセント・アガサ・カレッジの学寮付き保健師のイモージェン・クワイは学寮長から今度の木曜日のハイテーブルのディナーに参加してくれないかと頼まれる。
カレッジの卒業生で<ファラン・グループ>の会長であるサー・ジュリアス・ファランがゲストで、扱いに手こずりそうなので、せめて女性が参加してくれれば、いくらか座がなごむのではないかというのだ。
サー・ジュリアスは彼の部下で、イモージェンの元恋人のアンドルー・ダンカムを連れてくるという。
アンドルーとの再会に喜ぶイモージェン。

木曜日のディナーは順調だったが、談話室に移動した後、カレッジのフェローがサー・ジュリアスに絡み始める。
イモージェンは止めさせようとするが、無駄だった。
サー・ジュリアスは激怒し、帰ろうとして階段を踏み外し、捻挫してしまう。
もちろんイモージェンが手当をする。
サー・ジュリアスはイモージェンが気にいり、<ファラン・グループ>での仕事をオファーした上で、自分には多くの敵がいて、命を狙われていると漏らす。

多忙な日々を送っていたある日、イモージェンは新聞がサー・ジュリアスの死を報じているのに気づく。
イモージェンはアンドルーに連絡する。
彼によるとサー・ジュリアスは崖から転落して亡くなったそうだ。
誰かに突き落とされたのか…。
イモージェンの勘は殺人だと告げている。
アンドルーとともにイモージェンは調査を始めるが、今度は二人が容疑者ではないかと疑っていた人物が殺害される。

一方、貧乏学寮セント・アガサは財政難に陥っていた。
新しい会計係として<ファラン・グループ>の社外役員、ピーター・ウェザビーが雇われていたが、ウェザビーはサー・ジュリアスの死後行方をくらます。
サー・ジュリアスの死と何か関係があるのか?

やがてイモージェンはカレッジのために奔走することに。

イモージェンは頭も性格も良い、誰からも慕われる女性なのですが、いかんせん男の趣味が悪いです。
彼女が医者の道を諦め、ナースになったのも男にフラれたから(だったよね)。
今度は元恋人のアンドルーに都合のいいように扱われています。
主人公はパーフェクトウーマンというわけではなくて、ちょっと難がある方が望ましいということはわかりますけど、でもねぇ…。
こういう欠点はありますが、<ファンラン・グループ>に関する内幕など様々なことが書かれていて、お話としては面白いです。

ジル・ペイトン・ウォルシュは2022年にお亡くなりになっているので、イモージェン・クワイ・シリーズは四冊目の『The Bad Quarto』で終わりになります。
殺人の舞台はカレッジに戻り、若手教授の死にまつわる謎をイモージェンが解いていくようです。

イモージェン・クワイ・シリーズ
③『貧乏カレッジの困った遺産』


<クリスマスのお菓子>


パネットーネとクリスマスプディング、チョコレートのカウントダウンカレンダー、オルゴール付のチョコレート缶、クリスマス用の紅茶なんかを買ってしまいました。
The Perfect Manは夫への嫌がらせ(嘘)です。渡したらすぐに食べていました。
昨年買った紅茶のカウントダウンカレンダーは苦手な味があって飲みきれなかったので、今年は買わずに缶入りの紅茶にしました。
サブレのカレンダーも味のバリエーションがなく飽きたので買うのを止めて、チョコレートのにしました。
こんなに買ってしまい、全部は食べきれないので、誰かにあげますわww。