M.C.Beaton 『Death of a perfect wife』2023/05/09



紫陽花の花の蕾が続々と出てきていますね。
紫陽花は好きですが、梅雨が近付いていると思うとちょっと憂鬱です。

さて、ヘイミッシュ・マクベス巡査シリーズの四巻目を読みました。
読んでから時間が経ってしまったので、記憶が曖昧なところもありますが、思い出しながら書いてみます。


ロックドゥ村のWillets’s houseにTrixie & Paul Thomas夫妻が引越してくる。
早速ヘイミッシュは引越しの様子を見に行く。
引越しを手伝いながら話してみると、彼らはそこをB&Bにするようで、家具に使うお金がないので、村人からいらない家具をもらうのを当てにしているようだ。
引越しが終わった後に駐在所で歓待するので来ないかというと、彼らは本当にやって来る。
Trixieは断りもなく部屋を見て回り、石炭バケツがないので、ヘイミッシュの持っている古い石炭バケツが欲しいなどと言い出す。そのバケツはおばからもらった 18世紀のもので、ヘイミッシュは気にいっていたので断る。
そうすると今度は台所の棚を見て、ホームメイドのストロベリージャムがあるのを見つけ、ホームメイドジャムが大好きとか言い出す。そんなわけでヘイミッシュはジャムをやることになる。
段々とヘイミッシュはTrixieのことが嫌いになっていく。
不思議なことにお金がないといいながらも彼らは新聞にB&Bの宣伝広告を出したようだ。

TrixieはDr Brodieの妻Angelaが家事が苦手なことを聞き、彼女の家に行き、家事を完璧にしてあげ、そのお礼にちゃっかりと彼女の家にある古い椅子をもらう。
そのことをAngelaから聞いたヘイミッシュは椅子がアンティークで価値のあるものではないかという疑いを持つ。

AngelaはというとTrixieに傾倒してしまい、彼女の言うことはすべて正しいと思い込み、行動に移すようになる。
服装もTrixieの真似をし、Trixieが言うからと夫が煙草を吸うのを止めさせ、その上ダイエットまでさせようとし、夕食にフライドポテトやステーキを出さなくなる。
これにまいったのがDr Brodie。
我慢できなくなり、離婚まで考えるようになる。

だんだんとTrixieは村人たちの生活に干渉するようになり、Bird Society meeting やClean Up Lochdubh campaign、Protect Our Batsなどの活動も始め、味方と同じぐらいの敵を作っていく。
もちろんヘイミッシュはTrixieに胡散臭さを感じているが、なんと牧師の妻のMrs 
Wellingtonやプリシアの父までもがTrixieに取り込まれてしまう。

とうとう悲劇が起る。
Trixieが彼女の部屋で殺されていたのだ。
またまたやって来たのが、懲りないブレア警部。
彼はヘイミッシュを事件から外すという間違いを再び犯す。

捜査を続けるうちに明らかになっていくTrixieの裏の顔。

実はヘイミッシュはブレアの裏をかいていました。
馬鹿なブレアは釣りをしに行った新任の警視がロックドゥ・ホテルに泊まるから、彼に近寄るなとわざわざ電話をしてきたのです。
いいことを聞いたとヘイミッシュはプリシラを連れてホテルに食事をしに行き、首尾よく警視夫妻と仲良くなります。
ですから警視は事件の始めからヘイミッシュの味方です。

そうそうこの巻で悲しいことが起こります。
プリシラとヘイミッシュの間に亀裂が入ってしまったのです。
プリシラは昇進して大きな町に住むようになることがヘイミッシュの幸せだと思っています。(たぶんプリシラにとっても)
しかしヘイミッシュは昇進など望んでおらず、ロックドゥ村で今までと同じように暮らしていくことを望んでいたし、それが彼にとっての幸せの形なのです。
二人の考え方の違いに気づいたヘイミッシュはプリシラが前のように魅力的に思えなくなってしまいます。
二人の間がこれからどうなっていくのか、続きを読まなければ…。


<今週のおやつ>


DEAN & DELUCAのクッキーですが、私の好みの味ではなかったです。

M.C.Beaton 『Death of an Outsider』2023/04/24

ヘイミッシュ・マクベス・シリーズの三巻目。
お話の内容を表しているような表紙を選んでみました。


1月の下旬、スコットランドの北部ハイランド地方の小村ロックドゥの巡査ヘイミッシュ・マクベスは、フロリダにいる兄弟に会いに行くというマクレガーの代わりとして三ヶ月間、よそ者に冷たいCnothanという村に行くことになる。

マクレガーは引き継ぎも碌にせず、車のキーのありかも教えず、サッサと旅立って行く。
寒いのにセントラルヒーティングは朝晩の二時間しか使えないようにしてあるし、戸棚にはコーヒーも塩も何も入ってない。
来た早々にホームシックになるヘイミッシュ。

教会の牧師の妻、Mrs. Struthersは夫がいない時は色々と村のことを話してくれるのに、夫が帰ってくると途端にそっけなくなる。
唯一隣に住んでいるカナダ人の画家で四年前から村に住んでいるJenny Lovelaceだけがヘイミッシュに優しくしてくれそうだった。

駐在所に戻るとすぐに、Mrs. Struthersの話の中に出てきた、村の嫌われ者のMr. 
Mainwaringがやって来る。彼はイングランドで生まれ育ったが、8年前におばの屋敷と農地を相続し、この村に住み着いたという。
彼は妻のアガサが昨夜帰宅途中に通りかかった教会の墓地で三人の魔女に脅かされたので、すぐに犯人を見つけて捕まえろと言う。
噂通りのなんとも嫌な男だ。

The Clachanというバーに行くと、Harry Mackayという不動産屋が話しかけて来た。彼と話しているとMainwaringが二人の男たちとやって来たので、呼びかける彼を無視してヘイミッシュはバーを後にする。

次の日、Mainwaringに会いに行くと、妻のアガサがいた。彼女は6フィートもある、がっしりとした女性で、夫に隠れて酒を飲んでいるようだった。
彼女は魔女たちのことはどうでもいいと思っているようだが、Mainwaringが色々といちゃものをつけてきたので、ヘイミッシュは久々に切れる。

村に来てから三日目。
Cnothan Game and Fish Companyへ行ってみる。
店主のJamie Rossはロブスターやスモークサーモン、鹿肉などをロンドンで売っているという。
週末に息子の結婚式でインヴァネスに行くというので、ヘイミッシュは留守の間、様子を見に寄ろうかと申し出るが断られる。
留守は酒飲みで有名なSandy Carmichaelという地元の男に頼んでいるという。
ヘイミッシュは彼からMainwaringのことを色々と聞く。

駐在所に帰り、Jennyに会いに行こうと思い、身だしなみを整えていると電話が来る。Clachan Mohrの頂上に死体があるというのだ。
急いで行ってみると、死体はなく、ガイドの二人が仕組んだ悪ふざけだった。
頭に来たヘイミッシュは二人に手錠をかけ、波止場まで連れて行き、彼らを海に突き落とす。
駐在所に戻ったヘイミッシュは着替えて、予定通りJennyに会いに行く。
Jennyはプリシラにはない魅力を持った人物だった。

週末、Jamieの留守中にCnothan Game and Fish Companyにやって来たサンディはロブスターが入ったタンクの端にウイスキーの入ったグラスがあるのに気づき、飲む。それが呼び水になり、彼はバーに行ってしまう。
飲み過ぎでバーから追い出されたサンディは家に帰り、次の日の正午まで眠る。
起きてからまずいことをしたと思ったサンディはCnothan Game and Fish Com-panyに戻り、グラスをポケットに入れ持ち帰ろうとするが、ロブスターのタンクの水がピンク色なのに気づく。
覗いてみると…。

その日、ヘイミッシュははるばるとAngler's Restまで行ったが、何事もなかった。また何者かが彼をおちょくったのだ。

ヘイミッシュは日曜日の午前中は教会に行き、午後はMrs. Mainwaringの件で地元民に聞き込みをした。
Jennyの家に行くと、彼女は泣いていたようだ。カナダにいる姉妹が亡くなったという知らせが来たという。
彼女を慰め、帰ろうとすると、いてと言われたが、彼は断る。

次の日、Jamie Rossが来て、サンディがいなくなったと言う。
彼を探しに行こうとすると、今度はMrs. Mainwaringが来て、夫が二晩家に帰ってきていないと言う。
ヘイミッシュは二人を探しに行く。

インフルエンザで家にいるはずだった2人のこどもが遊びに行き、ストーンヘンジのミニチュア版のような立石のところで骸骨を見つけた。
ブレア警部がやって来て、駐在所からヘイミッシュを追い出し、また捜査から外す。
失意のヘイミッシュはJennyのところに行き、夕食を一緒に食べ…。

さて、捜査から外されたヘイミッシュはどうやってブレアを出し抜くのか、そしてJennyとの関係はどうなるのかが読みどころです。

ヘイミッシュも男ですから、魅力的な女性にフラフラとなっても仕方ないですよね。
そういえばこのお話はいつの時代かしら?
地主の娘と警官が付き合うなんて、とんでもないと思われているし、ヘイミッシュが「Proposal first. Bed later.」と思っているので、現代ではなさそうですね。

よそ者に冷たいという排他的な村は嫌ですね。
気のいいヘイミッシュが怒って怒鳴ったりするのも仕方ないです。
Jennyとどうにかなってしまうのも、淋しいからでしょう。

それにしてもブレアはいけ好かない奴です。
ヘイミッシュが事件を解決したというのに、いつも手柄を横取りするんですから。
いつか彼に天罰が下ることを祈っていますわ、笑。

そうそうロブスターがどうなったのか、気になりました。

四作目は『Death of a Perfect Wife』で、ロックドゥ村にやって来た夫婦の妻は何でもパーフェクトに出来る女性ですが、彼女、何か裏がありそう。
ヘイミッシュは次もブレアを出し抜くのかな?
kindleで買ってしまったので、次も読みます。

Laura Bradford 『A Perilous Pal』2023/04/17

レンタル友人、はじめました』に続く、「崖っぷちエマの事件簿」シリーズの二作目です。
ゴールデンレトリバーのスカウトが可愛かったので、早速原書で読んでみました。
「a perilous pal」とは「危険な友人」という意味です。


80代の友人のドッティから勧められ、レンタル友人というビジネスを始めたエマ・ウェストレイクですが、商売はそれなりに順調です。

ドッティとお茶を飲んでいるときに、メールが届きます。
キム(Kim Felder)という女性からで、彼女は夫に捨てられ、子どもたちは巣立ち、自分は夫と子どものために生きてきたので、今は何をしたらいいのかわからず、失意のどん底にいるというのです。
早速エマは彼女に会いに行きます。

エマはキムに「バケットリスト」(死ぬまでにやりたいことリスト)を書くことを提案します。
キムと一緒にリストに書いたことをしようというのです。
キムから好きなことややりたいことを聞き出し、お菓子教室に参加するとかオハイオまで旅行するとか、うまくリストが作れそうだったのですが、キムはしたいことは夫を殺すことだと言い出します。
まあ想像するだけならいいのですけどね。
しかし次の日、キムの夫のロジャーが殺されます。
まさかキムが…とは思いつつ、たった一度しか会っていないのですが、エマはキムがやったとは思えませんでした。

その頃、前回の事件で出会ったスイート・フォールズの保安官補ジャック・リオーダンがエマをデートに誘っていました。
エマはついついキムのことを話してしまい、家宅捜査の結果、元夫の殺し方が書かれた紙が見つかり、キムは元夫殺しの容疑者として逮捕されてしまいます。(捜査がずさんよね)

殺人事件のことを聞きつけたドッティは再度私たちの出番と言うのですが、エマは相変わらずやる気がありません。
でもキムが逮捕されたのは自分がジャックに話したからだという罪悪感からキムのために何かやらなければと思います。
ロジャーの浮気相手の家や事務所、キムの家に行って、それとなくかぎ回ります。
不思議なんですが、なんでドッティや看護師のステファニーと一緒にやらないんでしょうね。
それに色々とわかったことや不審な点をジャックに伝えれば、捜査に役立つのに、そうしないんです。
読みながら何度も「それ、ジャックに相談すれば」と思ったことか。
そもそもエマごときが突き止められたことを突き止められない保安官ならどうしようもない馬鹿よね(失礼)。

この本、殺人の捜査が主じゃないんです。
エマの交友関係を描くのが優先順位一番なんです。
前回エマと知り合った人たちが全員登場し、エマがどこに行って誰と何を話したかが延々と書かれています。
いったい殺人事件はどうなったのかしらと思ったら、最後の方でやっと動き出し、エマの素晴らしい推理で事件は解決します。
まあ、わんこのスカウトが沢山出てくるのでいいのですが、三作目が出ても読まないかも。

<今日のわんこ>


兄に臭いを嗅がれて嫌そうな弟。
トリミングに行くと疲れるのか、二匹共に爆睡していました。
兄は昼間もママの膝の上にいたがり、さっきまでいましたが、眠そうにしているので、自分のベッドで寝てもらうことにしました。

M.C.Beaton 『DEATH OF A CAD』2023/03/16

ヘイミッシュ・マクベス・シリーズの二巻目を英語で読んでみました。
たぶん翻訳され、出版されるのは来年。
アガサ・レーズン・シリーズでお馴染みなので、読みやすい…かな?


「cad」というのは下劣な男のことです。

ヘイミッシュが心痛める状況になります。
というのも、彼が心を寄せている地主の娘プリシラ・ハルバートン・スマイスが婚約者を連れてロックドゥに帰って来たのです。

23歳のプリシラはロンドンでファッションエディターのアシスタントをしていました。
たまたま劇中のファッションについての記事を書くことになり、行った先で出会ったのが人気劇作家のヘンリー(Henry Withering)。
出会った日に彼に食事に誘われ、その一週間後にプロポーズ。アラ、早すぎませんかぁ。
実はプリシラは両親から早く結婚するようにプレッシャーをかけられているだけではなく、お見合いまでさせられ、辟易していました。
そういう時にプロポーズされ、彼なら親が喜ぶと思い、ついついプロポーズを受けてしまったのです。

プロポーズの一週間後、プリシラとヘンリーは車でスコットランドのロックドゥに向かいます。
婚約を喜んだプリシラの両親がハウスパーティを開くからです。
スコットランドの屋敷に近付くにつれ、ヘンリーはだんだんと車に乗っているのに飽きてきて、いらいらしてきます。
彼が思うことと言ったら、結婚したら、プリシラには車の運転はさせず、ズボンもはかせないぞとか、途中で出会った村の知り合いとプリシラの話が長過ぎる、ヘイミッシュとプリシラが楽しそうに話しているのが気にくわないとかろくでもないことばかりです。
ヘイミッシュとプリシラの仲が良いのがよっぽど面白くなかったのか、プリシラがヘイミッシュをパーティに招いたことを、屋敷に着くとすぐに告げ口します。
かわいそうにプリシラは親に怒られて、ヘイミッシュに断りの連絡をしなければならなくなります。(行き違いがあって、ヘイミッシュはパーティに参加するんですけど)
こんな男のどこがいいんだか。

ハウスパーティには、田舎ですから、だいたい招かれる人は決まっています。
その中の一人、ピーター・バートレットはとんでもない男です。
女たらしで有名で、プリシラの友人として招かれた二人の女性、ジェシカとダイアナと関係があったのです。
真相は、ジェシカがダイアナから婚約者のピーターを奪い取ったんですが、すぐに捨てられましたけどね。
今回はこの二人、隙あらばプリシラからヘンリーを奪い取ろうと思ってやって来ました。
ピーターは二人がパーティに参加すると知るとすぐにベッドに誘い、二人は誘いに乗っちゃうんですから、スコットランドの上流階級も乱れているわねwww。
ピーターはすごいですよぉ。
一晩にこの二人とベラという熟女と関係しちゃうんですもの。

ピーターは女に手が早いだけではなく、賭けでズルをしようとしたり、ここには書きませんがパーティの招待客すべてに嫌われることをやっているようで、「cad」そのものです。

狩猟中に亡くなったと思われるピーターの死体が見つかり、ストラスベイン警察からブレア警部がやって来て、またヘイミッシュを外しますが、彼の横柄な態度が人々の怒りを買います。
そのため彼の上司のチャルマース警視正が現れ、ブレアを外します。
チャルマースはピーターの死は事故ではなく、殺人であると突きとめたヘイミッシュを捜査に加えます。

さて、誰がピーターを殺したのでしょうか。
そしてプリシラはヘンリーと結婚してしまうのでしょうか。

若い箱入り娘のプリシラに男を見る目がないことは責められませんよね。
プリシラの父親はプリシラがヘイミッシュを憎からず思っていることを知っていますが、身分の違う男に娘をやりたくない。
だからといって、人気の劇作家だというだけでよくわかりもしない男に娘を嫁がせるのもねぇ…。

終わりよければすべてよしとは言えない終わり方でした。
ヘイミッシュの悩みも尽きないようです。

このシリーズはヘイミッシュの飼犬のタウザーが可愛いので、読んでいるみたいなもんです。


テレビドラマになっていたらしく、ヘイミッシュとタウザーはこんな感じらしいです。タウザー、モジャモジャでかわいい、と思ったら、ドラマでは違う名前で犬種がウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアですって。本では犬種がわからないとなっていましたが。
ヘイミッシュはスコットランド出身の若きロバート・カーライルが演じています。見てみたいので、Prime videoでやってくれないかしら。

三巻は読むのを止めようかと思ったら、kindleで275円です。
安いので買ってしまいました、笑。
このシリーズ、何巻まであるのかしら?32巻までは見つけたんだけど…?
全部読むかどうかはまだ未定です。

ミス・マープル「カリブ海の秘密」&「パディントン発4時50分」を観る2021/11/30

ミス・マープル・シリーズの長編作品をドラマにした2作品を観ました。
2つ共に長くて、1時間40分ちょっとです。
ドラマを見てからついでに本も読んでみました。
『カリブ海の秘密』は翻訳本で、『パディントン発4時50分』は原文で読みました。
今はどうかわかりませんが、昔はアガサ・クリスティを原文で読むと英語の勉強になっていいと言われていましたね。
私は今まで一度も原文で読んだことがありませんけど、笑。
今はこういうドラマがあるので、ドラマを最初に見て面白かったら原文を読んでみるといいでしょう。
原作と違うところがあるので、どこが違うか探しながら読むといいかも。

作品の紹介はドラマに即して書きますね。


写真を見てもおわかりのように、カリブ海とミス・マープル、なんか海とそぐわないような…。なんでバッグ持っているの?編み物が入っているのかな。
後の作品、「復讐の女神」に関係するラフィ-ルじいさんが出てきます。この人、いやなじいさんで、最初はミス・マープルのことを場違いだのなんなのと言っていました。失礼な人です。
おばあさんは南国に行っては行けないのですかぁ。
アメリカ人女性だと年寄りでももっと肌を見せているのかもしれませんね。

ミス・マープルは甥の計らいでカリブ海のホテルで転地療養をすることになります。良い甥ですね。おばさんのためにお金を出してくれるんですもの。彼のおかげでミス・マープルは色々なところに行けていいですね。私もこんな甥が欲しいわ。
ホテルでは編み物をしながら他のお客さんたちと話したり、彼らの話しを聞いたりしながら気楽に過ごしていました。

ある日、ホテルの滞在客の一人、パルグレイブ少佐が話す過去の妻殺し事件に耳をすましていました。彼は犯人の写真を見せてくれようとしますが、突然話しを変え、写真をしまってしまいます。おかしいと思うミス・マープル。
翌朝、少佐がホテルの部屋で亡くなっていました。
高血圧の薬があったので、病死と判断されますが、メイドのヴィクトリアはその薬はもともと棚になかったと言います。
ミス・マープルは写真が気になり、医師に嘘を言って調べて貰いますが、写真はありませんでした。
ミス・マープルは少佐は殺されたのではないかと疑い始めます。

ミス・マープルが滞在しているホテルはティムとモリーのケンドル夫妻が経営していました。モリーは情緒不安定で、記憶が飛んでいることがあるようです。
ある夜、彼女が血のついたナイフを握りしめているところを発見され、別の場所でヴィクトリアの遺体がみつかります…。

失礼なじいさんだったラフィールとミス・マープルが意外と合っていて、共同で殺人事件にあたるというところが面白いですね。
ラフィールは女性蔑視の権化かと思っていたら、後にちゃんとミス・マープルのことを認めていて、だからこそ「復讐の女神」でミス・マープルにあるお願いをすることにしたのですね。

細かなところが原作と違うところがあります。
例えばドラマではミス・マープルがメイドのヴィクトリアのおばさんに会いに行き、仲良くなっていましたが、原作ではおばさんは出てきません。
現地の様子がわかって、いい場面でしたけどね。

1950年代の避暑地の様子がわかるドラマでした。


ミス・マープルに会いに行くために、パディントン発4時50分の列車に乗っていたマクギリカディ夫人は、平行して走っている各駅列車の中で、男が女を絞め殺す瞬間を目撃する。車掌に報告するが、取り合ってくれない。
話しを聞いたミス・マープルはスラック警部に通報するが、死体は見つからず、老女の世迷い言だと思われる。
しかしマクギリカディ夫人の言葉を信じているミス・マープルは同じ列車に乗り込み、線路沿いにあるクラッケンソープ家の屋敷に死体が隠されているのではないかと推理し、昔お世話になった家政婦のルーシー・アイレスバロウに死体捜査の協力を依頼する。
うまくクラッケンソープ家に雇われたルーシーは納屋の石棺の中に女性の死体を見つける。
クラッケンソープ家の人たちは皆その女性に面識がないと言うが…。

このドラマではルーシーが気に入りました。
彼女はオックスフォード大学で数学を専攻し、優秀な成績で卒業したにもかかわらず、家政婦になったのです。
料理や掃除は言うまでもなく、雇われた家族が満足するようなコツを持っているので、予約が殺到し、短期間の契約しか受け付けていないほどです。
ミス・マープルの甥が病気になった彼女のためにルーシーを寄越し、二人は意気投合したようです。気立ても頭もいいので、潜入捜査にふさわしい人ですね。
残念ながらルーシーが出てくるのはこの作品だけです。
ドラマでは次男のセドリックと次女の夫のブライアンに迫られていますが、原作ではブライアン以外になんと老いた当主のルーサーや四男のアルフレッドに結婚しないかと言われたり、ハロルドには高給で彼の会社で働かないかとリクルートされたりしています。魅力的な女性のようです。
ドラマでは結婚相手がわかりますが、原作では誰を選ぶのかが謎になっているようです。出てくる男性はどの人もルーシーには向いていないと思いますが、強いて言うと、ドラマと同じ人かな…。

原作ではミス・マープルはあまり出てこないので、この作品はルーシーが主役みたいなもんです。
そうそうドラマではミス・マープルの家が素敵でした。

私にとってこのドラマはミス・マープルが事件を解くのを見るのではなく、当時の人たちの暮らしを楽しむものです。
1950年代の古き良き時代(かな?)のイギリスを是非味わってください。

Ann Cleeves 『WILD FIRE』2021/03/26

シェットランド・シリーズの最終巻を読みました。
日本語の題名がどんな感じか気になります。『火の〇〇』なんでしょうが、何でしょうね。


背景がシェットランド島みたいなものを載せておきました。
こんな感じのところで、事件が起こりすぎですね、笑。

昨年の夏の終わりにシェットランドにやってきたDaniel & Helena Fleming夫妻の家の牛舎で、首を吊った女性の死体が見つかります。
その死体は24歳のEmma Shearerのもので、彼女は住み込みでRobert &  Belle  Moncriff夫妻の4人の子供の世話をしていました。
状況から考えて他殺でした。
インヴァネス署のペレスの上司に当たるウィロー・リーヴズに来てもらわなければなりませんが、ペレスは連絡するのを躊躇していました。実は二人は恋人同士で、そのことは秘密にしています。
ペレスはまだ元婚約者の死を克服してはおらず、自分は幸せになってはいけないという思いがあって、ウィローとの関係をどうしたらいいのか、決められずにいたのです。

シェットランドにやって来たウィローはペレスに衝撃の告白をします。
ペレスは混乱し、考えるために、ウィローから距離を置いてしまいます。
捜査のために協力をしていかなければならないのに、二人の間はギクシャクしてしまいます。

エマはオークニー出身。父親は妻を殴って逮捕され、刑務所に入り、そこで亡くなりました。母親は父親が刑務所に入ってから病気に罹り、しばらくして亡くなり、エマは2人の弟たちの面倒をみていました。
現在、弟たちは大学に通っていたり、シェフになったりしていますが、育った環境のためかそれぞれ精神的に何らかの問題があるようです。
エマは7年前にオークニーの医師からMoncliff家を紹介され、シェットランドに来ました。Moncliff家には十代の2人の子どもと8歳の2人の子どもがいます。父親のロバートは医師で、母親のベルはフリーでPRの仕事をしています。二人は子供をエマに任せっきりで、放任していました。
エマは廃棄物発電所に勤めているMagnie Riddleと付き合っていたようですが、母親が付き合いに反対していました。
特に親しい女友だちはいないようです。
ペレスたちはなかなかエマの実像が描けず、苦労します。

実はエマの死体が見つかった牛舎では、Fleming一家が引越してきてすぐに、元家主だったDennis Gearが首を吊って自殺していました。それを見つけたのが建築家の夫のダニエルで、それ以来彼は非社交的で精神的に脆くなっていました。後から彼はエマにご執心していたことがわかります。
妻のヘレナはロンドンから来た成功したデザイナーで、シェットランドウールを使い衣類を作っています。ベルがPRの件で手伝うようになっていました。
子供は2人いて、11歳のクリストファーは自閉症。火に執着しており、学校の紙くずに火を点けたので、周りから危ない変な子と見られています。
下の子の7歳のエリーは落ちつきのない女の子です。
家を改築したからか、ヘレナの成功へのやっかみからか、クリストファーへのさげすみからか、町の人々はFleming一家を受け入れていませんでした。

事件の前日にヘレナはペレスを訪ねていました。
彼女はフランとロンドンのパーティで会ったことがあり、フランの絵が好きで、それでシェットランドにやって来たとのことでした。
そんなことから警察署ではなく、個人的にペレスのところに来たのです。
彼女曰く、一ヶ月前に彼らの家にグラフ用紙に書かれた絞首台の絵が置いてあった、先週は息子の鞄の中に首吊り縄のある絞首台の絵が入っていた、そして昨日はシェットランドタイムズの中に首を吊っている男の絵が入っていたというのです。
一体誰がこの絵を描いたのか、そしてエマの事件と何か関係があるのか、調べ始めるペレスです。

ペレスはウィローを避け、単独行動をするようになります。
ウィローはそんなペレスの様子を見て、私は強い女なので独りでもやっていけるわなんて思ったり…。
サンディは何かおかしいなぁとは思いますが、それ以上には考えがおよびません。そんなことより、自分が幸せだからね、笑。

なかなか解決への糸口は見つかりません。
そうこうするうちにまた殺人が起こります。
そして、ある証言からウィローが犯人を正しく推測しますが、事件は悲しい結末へ…。

このシリーズは人々の話から犯人を探るというものです。
伏線は書かれていますが、私は気づかずに読み飛ばしています(恥)。
狭い島の人間関係って、本当に面倒ですね。
どこでもそうでしょうが、観光に行けば村人たちは親切ですが、住んでみると誰でもFleming家のようになる可能性がありますよね。

それにしてもウィローは勝手な人だと思います。
ペレスが優柔不断だということもありますが、二人で話し合って、そうなったというのならわかりますが、本能のおもむくまま行動しちゃって、ペレスにそれを受け入れろはないでしょう。
ペレスはウィローみたいに衝動的な人ではなくて、熟考型なので、時間をかけ話し合って決めて欲しかったと思います。
最後にペレスが心を決め、故郷の島へ向かうフェリーの上でウィローに告げたのに、ウィローの気持ちがはっきりせず、意味深な終わり方です。
ペレスは責任感がありますから、彼なりに協力するとは思いますが。

長かったシェットランド・シリーズはこれで終わりです。
最後なのにあまりペレスとウィローのことやサンディのことが書かれていなくて残念でした。
日本語訳は今年の秋ぐらいに出版でしょうか。
ウィローの衝撃の告白が何か、わかる人にはわかると思いますが、お楽しみに。
もしも犯人がわかったら、すごいです。

そうそう、テレビ・シリーズになっているようなので、ペレスやウィロー、サンディがどんな感じか載せておきます。


私のイメージとは違います。
ペレスが年寄りっぽく、ウィローは普通の若い女性ですね。ウィローはもっと年を取った、ひどい服装の女性かと思ってたわ。(ごめん、私、ウィローって好きじゃないの)
サンディはもっとハンサムな俳優さんだったらいいのに、笑。

ジョアン・フルーク 『ラズベリーデニッシュはざわめく』2021/02/01

この本、原書を買ったのですが、何ページか読んでそのままになっていました。
アガサの方が面白そうだったので…。
アガサの新しい翻訳本『アガサ・レーズンの探偵事務所』が出ました。
アガサがエマの探偵としての優秀さに嫉妬をしていることを、私は本の紹介で書かなかったのですが、出版社の本の紹介ではそこがしっかりと書かれています。
読者を引きつけるために何を書けばいいのか、出版社はよく知っていますね。


<クッキー・ジャー>を経営しているハンナは、ロス・バートンとめでたく結婚しました。ところが夫のロスが出ていってしまったのです。理由も告げず、どこに行くかも言わずに、急に。
失意のハンナに周りの人たちはとっても優しいです。特にハンナの元ボーイフレンドのノーマンは。ロスなんかどうでもいいから、ノーマンと…と思いますわ。

ある日、妹のミシェルがタンスの引き出しに入っていたロスの車のキーを見つけます。ハンナはロスがミシェルに車を使ってもらいたいということだと思い、車が必要なミシェルにロスの車を使わせることにします。しかし、ロスのアシスタントのPKが車を修理に出したと聞き、ハンナとミシェルは車が直るまで、PKにロスの車を使ってもらうことにします。

ある夜、PKから電話がきますが、何か変です。
PKはロスの車を運転していて、ビデオ通話をしてきたのですが、お酒かドラッグのせいで朦朧としているようなのです。
ハンナは急いで保安官助手のマイクに動画を送り、現場に急いで行くように頼みます。もちろん自分もミシェルと一緒に現場に向かいます。
それなのにPKはこの事故で亡くなってしまいます。
後で彼の様子がおかしかったのは、職場にロス宛てに何者かが送ってきた薬物入りのチョコレートを食べたためであることがわかります。

ハンナを元気にするには殺人事件以外、何もいらない、笑。
調査していくうちにロスがハンナに多額のお金を残していたことがわかります。
このお金とPKの殺人と何か関わりがあるのか?
疑心暗鬼のハンナです。

最後にロスが何故ハンナの元を去ったのかがわかります。
なんか期待していたのに肩すかしでした。おもしろくないわぁ。
次は読まないかも。

クッキーのお店を経営しているという設定なので、美味しそうなお菓子のレシピがついています。
例えば「オートミール・レモン・クッキー」を作ってみようかと思ったら…。
gramではなくてcupで計量します。(計量器がなくてもいいのでcupの方がいいかも)
え、ベーキングソーダ(重曹)を使うの。まさか掃除用の重曹は使えないわよね。
中力粉?そんなのあるの?
バニラエキストラクト、え、何これ?バニラエッセンスじゃないの?
などとアメリカと日本の違いがあって、すぐには作れません。
バニラエキストラクトは通販で買えるようです。
薄力粉、中力粉、強力粉はグルテン含有量の違いなのだそうです。
中力粉は日本で言ううどん粉だそうです。うどん粉ってスーパーで売っているかしら?(これも無ければ通販で買えます)
一番問題なのは、量が多そうなことです。一体クッキー何枚できるの?
約5ダース分ってことは・・・60枚もいらないわぁ!

お菓子作り初心者の疑問です。
レシピに60枚分の分量が書いてある時に10枚のクッキーを作りたい時は、単純にすべての量を六分の一にすればいいのでしょうか?
お菓子は分量通りにしないととんでもない目にあうと言いますよね。
クッキーなんかは失敗がないかもしれませんが、ケーキなんかの時はどうなんでしょう?
せっかくレシピがついているのに、失敗が怖くて試せませんわ、笑。
どなたかお菓子作りのベテランさん、教えてくださいませ。(゚゚)(。。)ペコッ

M.C.Beaton 「Hot To Trot」2021/01/25

アガサ・レーズン・シリーズは作者のビートンさんが2019年末(12月30日)にお亡くなりになったため、この本が最後となりました。



表紙が二種類あるので、最後ですので載せさせていただきました。

アガサはチャールズをMary Darlinda Brown-Fieldと結婚させないようにと頑張るのですが、無駄に終わってしまいます。何しろ肝心のチャールズがふぬけですから。
ジェームズが招待されていないのに結婚式に行かないかと言い出します。アガサはその案にのり、こっそり二人で出席しちゃいますが、目敏いメアリーに見つかって追い出されてしまいます。
アガサがもうチャールズのために何もできないと諦めかけたのに、ミセス・ブロクスビーにけしかけられ、メアリーと彼女の父親のことを詳しく調べることにします。
そんな折にメアリーがアガサに会いにきます。二人は犬猿の仲。アガサの家の前で取っ組み合いの喧嘩をしちゃいます、笑。
喧嘩の後でわかったのですが、チャールズの召使いのグスタフが見つけた書類によると、メアリーは屋敷を「Barfield House Luxury Hotel and Spa」にしようと目論んでいるようです。

ある日、ハネムーンから帰ってきたチャールズが現れ、この前メアリーがしたことを謝り、二度とそのようなことは起こらないようにすると言います。
そこにChris Firkinがアガサをランチに誘いに来たので、チャールズは帰っていきます。
クリスが言うことには、チャールズが家賃の値上げを言い出した(もちろんメアリーのさしがねよ)ので、決心したというのです。
何が・・・というところにジェームズが現れます。クリスに気づいて帰っていってくれますが、次々と男が現れ、アガサも忙しいですね。
クリスは電気自動車の最高のエンジニアたちと働くためにカルフォルニアに行くので、アガサも一緒に行かないかと誘いますが、アガサは断ります。
今までで一番まともそうな男だったのに、タイミングが悪いわね。
そんな時にグスタフが電話をしてきて、メアリーが自分の誕生日を祝うために、ベルサイユをテーマにした仮面舞踏会を計画していると知らせてきます。
もちろんアガサは招待されていませんが、トニと一緒に行くことにします。

仮面舞踏会当日、こっそりとグスタフの手引きで屋敷に入りこむのですが、アガサがチャールズと踊り出すとすぐにメアリーは、仮装しているのに、それがアガサだと見抜きます。すごいですねぇ。何でわかるのでしょう。
チャールズが止めるにもかかわらず、メアリーはアガサに掴みかかってきます。
アガサはシャンパンを全身で浴び、そのお返しにメアリーはケチャップとマスタードをかけられ、いい勝負ですわ、笑。
家に帰ろうとチャールズと一緒にタクシーまで歩いていると、厩舎の方から女性の金切り声が聞こえて来ます。
急いで駆けつけてみると、メアリーが首を吊って死んでいたのです。
相変わらずWilkes警部はアガサに敵対心を持っており、彼女を殺人容疑で逮捕し、ビルに手錠をはめさせ、警察署まで連行させます。
容疑が晴れ家に帰ると、ロイがやって来ます。彼はチャールズとメアリーの結婚に関わる金銭的取り決めを探ってきていました。
簡単に言うと、メアリーが死んだので、彼女の財産はすべてチャールズのものになり、彼はもうお金の心配をしなくてすむようになるのです。
このことはチャールズの殺人の動機になりえます。
お金に汚い義理の父親のDarellは、チャールズが殺人犯になれば娘の財産が自分のものになるので、チャールズが娘を殺したと言いたてて、知り合いの大物たちを動かそうとしています。
このままではチャールズはアガサと共謀して殺人を犯したとされそうなので、アガサの探偵事務所と契約し、犯人を捜すことにします。

アガサたちが調べたところ、メアリーは馬術競技にハマっていました。
そこでメアリーの乗馬友だちの中で彼女を殺したいほど恨みに思っている人がいないかを探ることにします。
たまたまMircester Manor Parkで開催されていたチャリティーイベントに行き、話を聞こうとしますが、Darellから手が回っているのか、誰もアガサたちと話をしようとはしません。(馬術をやる人ってスノッブなのね)
困っていると、アガサの家を掃除してくれているDoris Simpsonが声をかけてきます。娘のZoeが乗馬をやっているので、話をしてくれそうなTamara Montgomeryを紹介してくれます。
このことが突破口になり、アガサはTamaraからDeborah Lexingtonを、DeborahからColonel Steven Warbler-Dowを、そしてColonelからClaudette Duvivierを紹介され、Claudetteの誘いでフランスのボルドーまで競技会を見に行くことになります。
そこまでしてわかったことは、メアリーはクソ女(失礼)で、彼女に恨みを持っている人が多いということです。
他人の馬に薬を盛ったり、人目のないところでライバルに怪我をさせたりと色々やってくれています。手が出るのはアガサだからというわけではなかったのですね。危険な女でした。
ついでに父親のDarellの秘密までわかりますが、なかなか犯人特定までには行き着きません。
あることをきっかけに一気に犯人逮捕といきますが、アガサたちは危ない目に遭い、意外なことにColonelが白馬の騎士のように助けに現れます、笑。

残念ながらビートンさん逝去のため、アガサ・レーズン・シリーズも中途半端で終わってしまいました。
アガサはチャールズのことを誤解したままですし、傷心のアガサはロマンチックになったジェームズの優しさにまいってしまいそうな感じです。
私が思うに、ビートンさんが続きを書いても、アガサはチャールズかジェームズか、どちらかに決められないで終わってしまうんじゃないかしら。
アガサはアガサですからねぇ。

ビートンさんのご冥福をお祈りいたします。

M.C.Beaton 「Beating About the Bush」2021/01/19

コロナ禍のバレエということで、がらんとした工場の広場ようなところで、ダンサーたちがみんなマスクをして踊っている動画を見つけました。

Post:ballet   "Waltz of the Snowflakes"

コンテンポラリーダンスで様々な体型のダンサーたちが踊っています。
マスクで踊って苦しくないのかしら?

セルゲイ・ポルーニンがボリショイ・バレエのザハロワと「ジゼル」を踊っている動画を見つけました。2017-2018年にボリショイ・バレエ in シネマでやったものみたいです。観に行っていないので、ちょうどよかったです。
ポルーニンのアルブレヒトはやんちゃな軽いお坊ちゃんって感じですかね。
ザハロワは可憐なジゼルというんじゃなくて、ちょっと神経質そうな箱入り娘かな?ザハロワが尻餅をついたという噂がありますが、この公演なのでしょうか?
司会進行の女性がロシア語、フランス語、英語を機関銃のようにしゃべりまくるのがすごいです(笑)。

アガサ・レーズン・シリーズの30冊目。後一冊で終わりです。
息切れがしてきて、だんだんと読むのが苦痛になっています。
だって全然話が進まないんですもの。


「beat about the bush」は「やぶの回りをたたいて獲物を追い出す」という意味です。今回はたたいてばかりという感じがしましたが、笑。

レーズン探偵事務所はMorrison'sというエンジニアリング会社から企業スパイを探すという仕事を任されます。
Morrison'sでは電気自動車用の新しいバッテリーパックを開発しており、開発部門のある建物で不審火による火災が起こっていました。
アガサとトニが調査することになり、被雇用者の記録を調べ、怪しい者には聞き取りを行うことにしました。

Morrison'sからの帰り道でアガサとトニは切り取られた片脚を見つけます。
警察に連絡し、調べたところ、その脚は偽物だということがわかります。
トニはその脚がMorrison'sの会長の秘書、Clarissa Dinwiddyの脚だと断定します。
アガサに敵対心を抱くWilkes警部にはバカにされ、このことが広く知れ渡るとレーズン探偵事務所の名折れになります。アガサたちがその道を通ると知っている誰かのしくんだ嫌がらせだと確信するアガサでした。

Morrison'sでの調査はなかなか進みません。そのうち、ここには管理部門と少量の注文に応じる発送部門、そして研究開発部門だけしかなく、バッテリーを作っている工場はポーランドのSelikivにあることがわかります。
被雇用者の聞き取りをしていくと、若い受付係が急にいなくなったり、秘書のMrs Dinwiddyと会長のAlbert Morrisonが不倫をしているという噂があることがわかります。
ガードマンと話をしたいというと、全社員を招いたパーティが今夜Morrisonの家で行われるので、そこに行けば話せると聞き、アガサとトニはパーティに行くことにします。

パーティには美しいMorrisonの妻のAphroditeがいて、彼女は飼っているロバの
Wizz-Wazzを連れてこいと言い出します。
夫のAlbertは人事部長のJohn SayerにMrs.Dinwiddyが事業所にいるから、彼女に家畜小屋に行って、ピーターにロバを連れてくるように言うように命令します。
アガサは横で話を聞いていて、Mrs.Dinwiddyと一対一で話ができるチャンスだと思い、トニを連れて事業所まで行くことにします。
彼女がいないか途中の家畜小屋も一応見ておこうと思って寄ってみると・・・。
Mrs. Dinwiddyは道に倒れており、頭の後ろから血を流していました。
側にはロバのWizz-Wazzが静かに立っていました。

警察はロバのWizz-WazzがMrs.Dinwiddyを殺したとみなします。しかし、アガサの勘は誰か人間が殺したのだと言っています。
Morrison'sの企業スパイ調査のはずが、殺人事件の捜査になっちゃいました、笑。
殺人事件好きのアガサですから、仕方ないですね。
だって何かおかしいんですもの、この会社。
アガサたちは会社と従業員たちを詳しく調べていきます。

珍しいことに、今回は死んだのは一人だけです。
たった一人の殺人捜査に何だかんだと全体の8割ぐらい使っています。
今回こそ、読んでいて退屈でした。

そうそう、アガサの男関係ですが、ロイのことは相手にしないことにしていましたが、今回はロイがロバの「Wizz-Wazzは無実だ、Wizz-Wazzを救え」というキャンペーンをやっちゃいます。
何だかわかりませんが、Wizz-Wazzはアガサのことが気に入ってしまって、彼女の言うことを聞きます。しかし、アガサがWizz-Wazzを助けてと演説している時に、Wizz-Wazzがもうれつに臭いオナラをしたため、アガサが切れてしまい、その様子がテレビで放映され、それからアガサはdonkey ladyとして有名になってしまいます。
可哀想なアガサ、笑。

アガサのロマンスですが、前回の終わりに出会った男はとんでもない奴でした。
港、港に女がいるという感じで、関係も続きませんでした。
今回の相手は電気自動車業界のことを知りたいと言ったアガサにチャールズが紹介してくれた、車のメカニックのChris Firkinです。
いい人っぽいですが、それほど仲は進展しませんでした。というのも、全然彼が登場しないのです。最後は活躍してくれましたけど、次はどうなるのかしら?何しろ作者がお亡くなりになったので、あまり期待はできませんね。

チャールズですが、またやってくれました。今回の女はなかなかしたたかそうで、チャールズも年貢の納め時ですかね。
今度はアガサも手が出せないようです。

大好きなミセス・ブロクスビーは1回ぐらいしか登場せず、大嫌いなサイモンは全く出てこなかったのでよかったですわ。
最後に驚かされましたが、なんか残念な感じの内容でした。
後一冊。あまり面白くなさそうですが、頑張って読みますわ。

M.C.Beaton 「Agatha Raisin and the Dead Ringer」2021/01/02



テレビに映っていた富士山の日の出。
テレビの画面を携帯で撮ったので、あまりきれいではないですが、初日の出ということで。

年末に読み終わっていたアガサ・レーズン・シリーズの29冊目。
シリーズも後2冊になりました。


Thirk Magna村のSt Ethelred教会には素晴らしい鐘のセットがあります。
その鐘のringers(鐘を鳴す人)は8人いて、その中でも双子のMavis & Millicent 
Dupinは人生のすべてを鐘にかけていると言ってもいいほど熱心ですが、他の6人から嫌われていました。
ある日、主教(bishop)が教会を訪れることになり、鐘を鳴らして迎えることになります。双子は難しい長い曲をやりたがりましたが、他の人たちは主教はそんなに長くは滞在しないのだから、鐘が鳴っているうちにいなくなってしまうし、主教と話ができないと反対します。結局短いものにして、彼のために歓迎会を開くことになります。

教区牧師(vicar)の妻のHelen Tomsは夫から頼まれ、ミセス・ブロクスビーに会いに行きます。ミセス・ブロクスビーの夫のアルフがケンブリッジで彼と一緒だったので、今度の歓迎会にブロクスビー夫婦を招きたいというのです。
もちろんミセス・ブロクスビーは行くことに同意しますが、二人が話している時に牧師から電話が来て、主教が探偵のアガサに会いたいと言っているのでアガサも招くように言われます。
そこにたまたまアガサがやってきたので招待しますが、アガサは断り、ヘレンは泣き出してしまいます。

実はヘレンの夫は牧師でありながら妻には横暴な奴で、彼女を殴ったりモラハラまがいのことをしていました。
鐘仲間でヘレンのことが好きなJulianは牧師と別れるように勧めているのですが、なかなかヘレンは別れようとしません。
後にアガサとミセス・ブロクスビーも心配して色々とアドバイスするのですが、どうもヘレンはそういう可哀想な自分に酔っているようで、お手上げです。

Thirk Magnaにやってきた主教は独身でとてもハンサム。自分の魅力を使って金持ち女性たちを夢中にさせ、寄付金をまきあげようとしています。
双子のMavisとMillicentが主教を狙ってまとわりつきます。
彼がアガサのことに興味があることに気づいた彼女たちはアガサを目の敵にします。
彼はアガサを食事に誘いますが、食事中にアガサは彼と婚約解消をした後に行方不明になった、膨大な財産を継ぐ予定のJennifer Toynbyのことが気になってしょうがありません。彼女が今どこにいるのか主教に聞きますが、主教は巧みにごまかします。
アガサは彼の中に胡散臭いものを感じ、やがて嫌悪感を抱くようになります。

この後、Thirk Magnaでは警察官の殺害から始まり、次々と殺人事件が起こりますが、なかなか犯人がわかりません。
Jenniferを探すことはJulian牧師に頼まれましたが、誰も殺人の犯人捜しの依頼をしてくれないので、アガサは殺人事件の調査に乗り出せません。
アガサはチャールズやジェイムズと一緒に聞き込みに行っていましたが、今までは喜んで着いてきていたのに、チャールズはアガサに、僕じゃなくて自分の探偵たちと行ったらなんて言い出します。どうしちゃったのでしょうね。

さて、アガサのロマンスはというと、チャールズが結婚しようと言えばすぐにYESと答えようと思っているアガサですが、チャールズは相変わらず煮え切りません。
仕方ないのでアガサは自分から結婚を申し込もうと決心します。しかしなんと今回、アガサにtrue loveが・・・!
でも・・・。

鐘をどうやって鳴らすのかというと、DVDのアガサ・レーズン・シリーズ 1の
"Hell's Bells"中に出てきました。
塔の鐘からロープが下まで垂れ下がっています。


そのロープを全体重をかけて引くのです。


いいエクササイズになりそうです。
転座鳴鐘術なんていうのがあり、独特な譜面があります。
イギリスには鳴鐘術を教える学校もあるそうです。

ドラマのアガサ(Ashley Jensen)とBeatonさんの写真がありました。


私の思っていたアガサと、ちょっと違うわ。