伏尾美紀 『百年の時効』2026/04/03



今年の私には何やらよからぬことが多いような感じです。
身体のこともそうですが、機械類も壊れる時期のようです。
洗濯機を皮切りにルーターが壊れました。
というのも、午前中には使えたはずのインターネットが、用事から帰って来て使おうと思ったら使えません。
ルーターを見ると、インターネットのライトだけが消えています。
何をやってもつきません。
時間が経つと使えるようになるかもしれないと思って放っておきましたが、次の日になっても使えません。
ネットでサービス業者に調べてもらうと特に不備はないと言います。
もしかして昨年買ったばかりなのにルーターが壊れたのかと思い、新しいルーターを買いました。
携帯ではネットに繋がりにくい状況なので、設定ができません。
パソコンに繋いでやってみたら成功!
ネットに繋がった時の喜びったらありません。
パソコンに詳しい方はお笑いでしょうが。
大事なメールはパソコン用ではなく携帯用のメールアドレスに変えることにしました。
今回、私がいかにネットに毒されているかがよ~くわかりましたww。

さて、北海道札幌市在住で、『北緯43度のコールドケース』や『数学の女王』を書いた伏尾さんの昨年8月に出版された作品です。


令和6年(2024年)2月、28歳になる葛飾警察署刑事組織犯罪対策課の藤森菜摘は、アパートの一室で男性の遺体が発見されたという現場に臨場する。
遺体は74歳の桜井信吾のもので、桜井は昭和四十年から平成に入る直前にかけてまで天才的な相場師『兜町の異端児』として知られていた。
自然死であるとみられたが、藤森は微かな違和感を感じていた。
部屋を調べてみると、「警察のみなさまへ」と書かれた封筒が見つかった。

しばらくして藤森は警視庁刑事部捜査一課管理官の草加文夫に呼び出され、桜井が昭和49年(1974年)に起こった『佃島一家四人殺傷事件』の重要参考人で、この事件の捜査の幕引きをするために、一年間、徹底的に捜査を行うことになったが、それを藤森に任せたいと言われる。

捜査を引き受けた藤森に草加は先輩刑事の鎌田から託された捜査ノートを渡す。
鎌田のノートには昭和、平成、令和と半世紀にも渡り犯人グループを追い詰めながらも、決定的な証拠を掴み切れずにいた刑事たちの苦悩と執念が書かれていた。

果たして藤森は真実に行きつくことができるのか。

各時代の刑事たちが個性豊かで、それぞれの捜査の仕方が時代ごとに違い興味深かったです。
まだ戦争の影響が残りながらもバブル景気に沸く昭和、地下鉄サリン事件などのテロ事件やオウムなどの宗教問題が起こった平成など時代ごとの重大事件も折り込まれてあるので、歴史を振り返りながら読んでいきました。
登場人物が結構多いので、どの事件に関係する人物なのか、誰と誰が繋がっているのかなど途中でわからなくなる可能性があるので、時系列に並べたり、相関図や家系図などを自分なりに書き留めながら読んでいくといいと思います。
結構長い作品なので、最期まで行きつけるかと思いましたが、問題なく読み進めていけました。
満州のことと最後の犯人が私的にはちょっと惜しいかな。

この作品は第28回大藪春彦賞と第47回吉川栄治文学新人賞を受賞し、「本の雑誌が選ぶ2025年度ベストテン」一位、「週刊文春ミステリーベスト10」の三位、「このミステリーがすごい!」の四位で、第79回日本推理作家協会賞(5月13日最終選考会)の長編および連作短編集部門候補作品だそうです。

長岡弘樹 『教場Ω 刑事・風間公親』2026/03/22

風間公親が新人刑事だったころのお話。


T県警富葉署の生活安全課の石貫尊利は、JR富葉駅で中学三年生の女子が電車から降りるときに何者かに右手の甲を刺された事件で呼び出される。
監視カメラには黒い帽子を被り、茶色い薄手のコートを着ている男が写っていたが、特定できなかった。
女子の友人、三人に会って話を聞くが、トラブルはないようだった。
犯人は成人男性と思われたので、生安課は捜査から外れ、刑事課が担当することになる。
二週間後に被害者が被害届を取り下げたが、捜査は継続。
しかし、犯人は見つかっていない。

五年後、刑事課に異動していた石貫はT大学前公園で若い女性が殺害された現場に臨場する。
その時に、五年前にT県警察学校で初任科短期課程の学生を対象に行われた講座で出会った風間公親と再会する。
その講座で石貫は中学三年生の女子が右手を刺された事件のことを話していた。
風間は警察学校を首席で卒業し、異例のスピード出世をし、本部捜一の刑事となっていた。
石貫は切れすぎる風間に苦手意識を持つが、殺人事件が五年前の事件と関わりがあることに気づき、風間と組み捜査をすることになる。

風間が若い頃から優秀だったことがわかるお話です。
組んだ石貫がかわいそうですね。石貫は並の刑事でしょうにw。
犯人はサイコパスっぽく、対する風間も似ていると思いました。
だから因縁のライバルになるのでしょうね。

とても読みやすく、数時間で読み終えてしまいました。
犯人はすぐにわかってしまいますが、風間とある男の最初の出会いが書かれているので、「教場」好きには見逃せないでしょう。

堂場舜一 『暗黒の彼方』2026/03/21

沈黙の終わり』の続編。


東日新聞の遊軍記者、古山孝弘はかつて一緒に仕事をしたが、四年ほど会っていないOBの松島慶太に呼び出され、彼の柏市にある家まで行った。
松島は胃がんを患い、定年退職後、自宅で療養しているが、余命宣告を受けているそうだ。
現役時代の取材でやり残したことがあり、それを古山に託すというのだ。

松島に渡されたのは、暗号のようなものを使って書かれたメモ。
それは三十年前の1995年の夏、松島が警視庁担当に異動になった時のものだ。
松島と同じ大学、同じ学部の先輩で警視庁の若手官僚だった藤村康孝が長野警察の捜査二課長として異動する前に松島に託したものだ。
藤村は長野に行った数カ月後、心不全で亡くなったという。

古山は遊軍キャップの石野に相談し、まず藤村のことを調べてみることにする。

長野県警の隠蔽かというところから始まり、取材をしていくうちに三十年前の日米政府間のことにまで話は広がっていきます。
相手側の脅迫にも負けずに取材を続けていく古山に昔の記者の矜持を感じました。

最後の政治記者と社会部記者のいがみあい(?)が次への伏線でしょうかw。
『沈黙の終わり』を読んでいなくても問題ないので、興味を持ったら読んでみて下さい。

堂場舜一 『南の罠 ラストライン8』2026/03/18



空に飛行機雲が出ていました。
悲しいことに、まだ咳がおさまりません。
薬のせいで胃の調子が悪くなったのに、胃薬を処方してもらわずに無理して薬を飲んでいたためか、吐いた後に咳が続き、胃の不快感が増しました。
仕方ないので、また医者に行くと、咳の治療の他に逆流性食道炎の処方をしてくれました。
逆流性食道炎で咳が出ることもあるそうです。
胃が弱いことをちゃんと言っておけばよかったわぁ。
栄養士さんに何を食べ、何を食べてはいけないか教えてもらいました。
結局、治療は伸びて、吸入は一カ月続けることになりました。
喘息になるよりはいいので、きちんと続けますわ。
具合が悪かった2月は私の中で記憶にない月になりましたw。


五月下旬、本庁捜査一課の岩倉剛は外事四課から昔かかわった武器密輸組織、METOの再捜査に協力して欲しいと頼まれる。
首謀者の牟田涼が日本に拠点を戻すためにシンガポールから帰国するという情報を得たというのだ。

しかし、羽田空港に降り立った牟田は岩倉たちが尾行中に、迎えの車ごと爆殺されてしまう。
捜査一課、高速隊、交通捜査課が出動し、捜査を進めることになる。

これはMETOの内紛なのか?それともMETOと対立組織が存在しているのか?
日本を舞台に国際的な武器密輸組織がぶつかり合っているのか?

岩倉は相棒の伊東紗香とともにシンガポールに飛ぶ。

ラストライン5』から続く因縁のMETO。
話がだんだん大きくなっていき、国外にも広がり、どうなるのかとワクワクして読んでいきましたが、最後はそれほど期待通りではなかったです。
SCUからサイバー犯罪対策課に異動した最上功太(『ボーダーズ』参照)が出てきて、しばらく会っていなかったので懐かしかったです。
他のシリーズで登場する人たちも出てきます。
くだらないことですが、岩倉が恋人の存在を明かしてしまい、しつこく綾香が誰か突き止めようとしています。
いつまで岩倉がもつのか。たぶん次の回ではあっさり突き止められているでしょうねww。

女性が日常の謎に挑むミステリ2026/03/16



碧野圭 『菜の花食堂のささやかな事件簿 かぶと終活』
菜の花食堂を経営する靖子先生が見事に日常に潜む謎を解くシリーズ。
「蕎麦と思いやり」
菜の花食堂の常連から頼まれ、武蔵野うどんと蕎麦の食べ比べに場所を提供することになるが、両方ともに奥さんが乗る気ではないという。何故?
「トマトは嘘を吐く」
料理教室で薬膳料理をやって欲しいという意見があるが、薬膳をきちんと教えることは難しいので、旬の野菜の効能を説明することにする。
教室の後、乳児の母である橋口さんが、ある友人からあなたは瘀血だと言われ、食事のアドバイスをされたのでその通りにしているという。靖子先生は角が立たないようにそれとなく、橋口さんに違うアドバイスを与えた。友人のことが気になった靖子先生は橋口さんにあることを提案する。
「栗は告発する」
商工会議所のイベントで栗を使ったオリジナルレシピコンテストが開かれる。靖子先生は審査員だったが、不幸があり、優希が急遽靖子先生の代わりを務めることになる。
イベント当日、用意された栗のドリンクの中身がなくなる。スタッフによると応募者たち以外に怪しい人間は見なかったというのに、何故?
「かぶと終活」
料理教室の試食タイムで、変な話が出る。七五三の撤饌(おさがり)が公園の中に散らばっていたというのだ。気になった靖子先生と三人で見に行くと、六十ぐらいの大塚と名乗る女性がうちのもので、盗まれたという。
そのふた月ほど経ったある日、こんどはお札と破魔矢が落ちていた。
靖子先生は心当たりがあるようだ。
「ウエディングドレスは華やかに」
菜の花食堂で働く、結婚身近だった香奈が、結婚はするけど式は挙げない、披露パーティもやらない、新婚旅行にも行かないと言い出す。何か事情があるのだろうが、気になる優希。靖子先生は人には知られたくないことがあるから、そっとしておきましょうというが…。

日常生活に潜む悪意がもたらす謎を扱ったお話が多いのがこのシリーズですが、今回は悪意が少なくてよかったです。
互いに思いやることによるすれ違いは誰にでもありますからねぇ。
そろそろ優希にも幸せが来て欲しいですが、次回に期待しましょう。

岡崎琢磨 『珈琲店タレーランの事件簿9 ビーベリーは美しく輝く』
美星との仲も常連さんのあいだで公然となったこの頃、アオヤマはオーナーから美星との結婚を条件に店を譲りたいと言われ、悩んでいた。
そんな頃、食べマップに喫茶店タレーランに対する悪質レビューが三件書かれているのに気づく。一体誰が書いたのか、美星と一緒にアオヤマが検証していくと、ある常連がいつもその場にいたことがわかる…。

今回はオーナーがファンだった往年のスターの本が出てきて、話と関係がなさそうなのになんでだろうと思っていたら、最後にこのためにだったのかと納得できました。
それにしてもなんだかなぁ。ちょっと嫌なお話でした。

住本優 『名探偵の箸本さん 推理のヒントは夫のお弁当』
箸本結は亡くなった祖父の『最後の依頼』を解決するために、後を継いで探偵になった。しかし、五年経つが最後の依頼人はまだ来ない。
仕事中の結の楽しみは夫の奏汰の作ったお弁当。彼とは高校生の時からの付き合いで、彼はその時から結のためにお弁当を作ってくれている。
今回、箸本探偵事務所に依頼された件は四つ。
①亡夫から贈られたかんざしに込められた最期のメッセージとは。
②高校時代の同級生の家に出る幽霊の謎。
③商店街の店舗に貼られたシールの謎。
④家の中で迷子になった飼猫の捜索。

第四話に結と奏汰の出会いと結婚までの様子が書かれています。
奏汰は北海道出身でなまりが抜けないという設定です。
長らく東京に暮らしているので、断定はできませんが、私は北海道出身の人で奏汰のように話す人に会ったことがありません。
私が内陸部出身だからかしら?
「なまら」なんて、一度も使ったことがないですよ。
イントネーションは指摘されることがあるので、違っているのはわかります。
北海道は広いので、どこに住んでいるのかによって違うのかもしれませんね。
それに父親が岐阜出身だから、私は混ざっているのかもww。
夫、奏汰の自分を卑下する姿がちょっと嫌ですけど、最後はハッピーエンドで、よかったです。

三冊ともに軽めのミステリなので、お暇な時にどうぞ。

直島翔 『恋する検事はわきまえない』2026/03/13

『転がる検事に苔むさず』の続編で、六つの短編集。


「シャベルとスコップ」
倉沢ひとみは三月一日付で区検浅草分室から鹿児島地検へ異動となる。
浅草分室の最後の日、指導官だった久我周平から猫のおばあさんの刑事責任能力に疑問が出てきたため、不起訴にすることになりそうだと言われる。
そのきっかけが「シャベル」と「スコップ」だった。

「ジャンブルズ」
任官三年目で鹿児島地検に異動した倉沢ひとみはベテラン事務官の中迫から県内水面漁業対策会議の案内状を渡されたので、会議に出席した。いつもは代理が出席するらしい。倉沢はシラスウナギの密漁問題の責任者だといわれ、ついついハッタリをかませて、密漁の摘発に全力を尽くすことを約束すると言ってしまう。
どうする倉沢。

「恋する検事はわきまえない」
三十年近く前、東京地検特捜部初の女性検事となった常盤春子は着任早々、下水道事業の五社談合事件を任された。
東亜テック産業を代表する「幹事」だという平社員の民谷康一を尋問していると、押しかけてきたのが民谷の幼馴染の魚屋のけんちゃん。
彼に言われた「あんた、間違っているよ」が春子の耳に残った。

「海と殺意」
おととし久我は福岡地検小倉支部に赴任した。
中央署の暴力団情報専任の捜査官、池崎と飲み仲間になり、地検の仲間に疎んじられながらも、暴力団関係者の事件に首を突っ込むことになる。

「健ちゃんに法はいらない」
墨田署向島交番に勤める有村誠司は防犯教室のために墨田区の保育園に行き、魚屋の長谷川健介と出会い、彼に色々と振り回される。
児童虐待疑惑、蕎麦屋への嫌がらせの摘発、グルメサイト本社への乗り込み、被疑者の防御権の行使、そして恋路の邪魔w。
一体、健ちゃんって誰なのか?

「春風」
久我は東京地検本庁、特捜部長席からの電話を受ける。
前回は検察内の陰湿な権力争いに巻き込まれる合図となったが、今回は…?

「シャベル」と「スコップ」が東日本と西日本では違うものを指すことを知っていましたか?
私は知りませんでした。
同じ日本でも東と西では違うことが多いですね。

俳句を詠む私立医大法医の川口教授とか双極性障害の池崎刑事、意外と隠された乙女チックなところがありそうな常盤春子とか、面白いメンバーが登場しましたが、何といっても法律にやたら詳しい魚屋の健ちゃんが、あっさりと主役をかっさらっていきましたww。
久我さん、暗いものねぇ。奥さんと娘に負けてますわ。
鹿児島へ行った倉沢は、有村とは切れていないみたいで、結婚はあるのか?

三作目は臨時に特捜検事となった久我が活躍するようですね。
今年は是非久我検察官シリーズを書いて欲しいです。


<今週のおやつ>


カフェタナカのクランチ・キャラメルショコラ。
キャラメルだからか、齧ると柔らかくて、私は固いと思っていたので、騙された気分です。

咳のために薬を飲んでいるからか味覚が変で、食べるのが楽しめません。
先月から2キロほど痩せています。
ダイエットにはいいけれど、そろそろ咳も止まって欲しいです。

直島翔 『転がる検事に苔むさず』2026/03/12

テミスの不確かな法廷』を書いた直島翔のデビュー作で、第三回警察小説大賞受賞作。


久我周平は東京区検察庁浅草分室の刑事部に所属する検事で、主に簡裁へ罰金刑を求めるという軽めの事件を扱っている。
区検の検察官室には久我と久我が指導官を務めている新人検事、倉沢ひとみがいて、事務官はまだ空席だ。

ある夜、久我が倉沢が届けるのを忘れた書類を墨田署に持っていくと、交通巡査の有村に検視官と間違えられて事件現場に連れていかれる。
若い男が東成電鉄の高架から転落して猛スピードの車に衝突し、死亡したという。
間違いついでに、検視官が遅れて来るというので、友人の刑事課長、追出に頼まれ、久我は遺体を調べた
翌日、久我は追出から刑事志望の有村の面倒をみてくれないかと頼まれる。
高架下の事件が自他殺のどちらにしろ、きちっと事実を固めてくれれば、推薦理由になるといいうのだ。
久我は倉沢と有村に協力する形で事件を調べていく。

久我は検事としての能力が高いのにも関わらず、知らない間に検察の派閥争いに巻き込まれ、期待していた異動が叶わず、今は出世コースから外されています。
嫌がらせもあり、ちょっとかわいそうです。
忸怩たる思いはありますが、ふてることなく、それなりに仕事を続けているのは偉いですね。
家庭に恵まれています。特に奥さん、理解があります。
娘は高校生で年頃なので、父親に素直になれませんが、ひょっとしたら跡継ぎになるかも。
倉沢は猪突猛進で、指導教官に対しても遠慮なんていう言葉はないですw。
もう少し思慮深くなるといいのですが。
彼女のような性格の方が検事や刑事などの仕事には向いていそうです。
有村は実直な警官と言う感じで、人としてはいい奴なんですが、刑事としてはどうなんでしょう。

なんで検事が警察官と一緒に捜査をするのかという疑問がありますし、ミステリとしてはそれほどではないですが、魅力的な登場人物が多いので、それだけで最後まで読んでいけました。
『テミス…』が好きなら読んでもいいかも。

中山七里 『被告人、AI』2026/03/07



暖かいけど、花粉がつくので、わんこたちに洋服を着せてお散歩してみました。
うちのわんこたちは洋服を着ることを嫌がりませんが、頭に何かかぶせられるのは頑固として拒否します。

この前の雨の日から咳が続いています。
先週、眼科に行って診察室に入り、しばらくしてから咳が出て大変でした。
電車や待合室の中では大丈夫だったのですが、狭い診察室は空気が悪かったのでしょう。
私の咳発作は普通の人とは違い、吐きそうになるぐらいなので、看護師さんと医師がびっくりしていました。
緑内障の手術をした左目は眼圧が14で、房水がよく出ていない状態が続いているようです。
とにかく炎症を起こしたらすぐに来るように、緑内障と白内障の手術は同時にすると言われました。
目よりも今は咳の症状が治まってくれるといいのですが…。

有罪、とAIは告げた』の続編です。


杉並署に通報が入る。
通報者の息子、浅沼秀雄によると、介護ロボットからの連絡で実家に戻ってみると父親の啓造が死亡していたというのだ。
啓造は心筋梗塞を患っており、ペースメーカーを埋め込んでいた。
検視官の御厨によると、突然死の可能性が高いという。
ペースメーカーの故障によって啓造は死亡したのか。
ペースメーカーが外部から意図的に操作された疑いが持ち上がる。

介護ロボットは<マッカーシー・エクスペリメント>社製のN365型で第四世代のAIが組み込まれており、会話もでき、啓造にリタと呼ばれていた。
啓造が亡くなる前にリタから四OOMHzの高周波が発振されていたことがわかる。四OOMHzの高周波はペースメーカーを誤作動させる可能性がある。
リタのプログラムは正常に作動し、パグの発生も認められなかった。
リタは啓造に埋め込まれたペースメーカーのスペックを知らなかった。故に発振した高周波がペースメーカーを誤作動させる可能性もあるということも知らなかったという。

検察は製造元の<マッカーシー・エクスペリメント>社を業務上過失致死傷で立件しようとはせず、リタ本体を殺人容疑で起訴することにする。
裁判を担当するのは東京地裁の常盤宗三と崎山寛人、高遠寺円。
円は事前にリタと面談に臨んだが、ロボットのリタに妙な人間臭さを感じ戸惑う。

一方、警視庁刑事部捜査一課の犬養隼人は独自に捜査を進めていく。

AIの話なので、難しいのかと思ったら、とても読みやすく、今まで中山さんのシリーズに出ている人たちが登場しているので、嬉しかったです。
AIとはあまり縁がないと思っていましたが、結構身近なものに利用されているようですね。
今はそれほど悪い影響がないようですけど、これからどうなるのか、ちょっと心配です。

リタのような介護ロボットが本当に製造され、活用できたらいいですね。
力仕事や簡単な家事、見守りなどはロボットに任せることができると、どれだけ家族の負担が減ることでしょう。
でも、リースするにしても最初は高額になるので、すぐに普通の庶民には使えるようにはならないでしょうね。
私が後期高齢者になるまでに使えるようになって欲しいですが、難しいかな。

この頃、なくて残念だったどんでん返しがありますので、お楽しみに。

今野敏 『分水 隠蔽捜査11』2026/02/18

一夜 隠蔽捜査10』の続編。


鎌倉署管内で不審火が起きる。
火元は安達邸。明治時代から政治家を輩出している家柄で、父親の安達喜代助は現職の国会議員、息子の政孝は衆議院議員で、たまたま政孝が不倫スキャンダルで騒がれている最中だった。

神奈川県警刑事部長の竜崎伸也は捜査一課長を鎌倉署に送るが、佐藤県警本部長から呼び出され、竜崎をライバル視している八島警務部長が政孝のスキャンダルの火消しに介入しようとしていると聞かされた上に、特別な捜査をして本部長である彼の顔を立てるように言われる。

なんと本部長と話したすぐ後に、八島が現れる。
八島が騒ぎを大きくするのではないかと恐れた竜崎は電話で本部長にその懸念を告げると、本部長が彼のもとにやって来て、今度は警視庁長官の顔を立てるために、竜崎に鎌倉署に行くように頼むのだった。

与党の大物やその縁者が絡むと、官僚の世界ではこういう話になるのだと、竜崎は半ば諦めの境地になる。

放火と安達政孝のスキャンダルは関係あるのか。
現場にユーチューバーが現れ、警察や政孝の秘書ともみ合いになる。

サイバー犯罪捜査課の助けを借り、ビデオ解析から報道系ユーチューバーの男が浮かび上がるが…。

竜崎は偉くなりすぎてしまい、捜査本部でおおまかな指示を出すだけになっていますが、いつものように原理原則に乗っ取り、特別な配慮はせずに事件を解決しようとします。でも、周りが忖度しまくり。
読んでいると可笑しくて笑ってしまいますが、世の中、そんなものなんでしょうね。
安達の殿様(喜代助)が竜崎のことを気に入ってますが、忖度する奴ばかりで、彼も嫌になっていたのでしょうね。

サイバー犯罪捜査官の三好基也君、いいキャラです。
竜崎に気に入られ、刑事部に引っ張られそうです。
次回も活躍の場が与えられるといいですね。

このシリーズの楽しみが竜崎と彼の妻、冴子さんとの会話です。
冴子さん、優しいです。竜崎に一人暮らしはさせられないので、定年まで彼の行くところについて行ってくれるそうです。

今回の竜崎のいい言葉。
「優秀な官僚ってのは何だ?」
「明確な目標を持って、そのためにスキルを磨きつづける者だ」

「国家公務員は命をかけて国のために全力で働く。定年後は仕事をする余力など残っていないだろうと、竜崎は思っている」

最初の頃のような竜崎が事件捜査に活躍する楽しみはなくなりましたが、これからは竜崎が警察官僚としてどこまでのし上がっていくのかがメインになっていくのでしょうね。
本が厚くても文字はスカスカ、ページ数は実質半分ぐらいで、他の本に比べれば読みやすいです。
読者層に配慮しているのでしょうかww。

<シリーズの順番>
①『隠蔽捜査』
②『果断 隠蔽捜査2』
③『疑心 隠蔽捜査3』
④『初陣 隠蔽捜査3.5』
⑤『転迷 隠蔽捜査4』
⑥『宰領 隠蔽捜査5』
⑦『自覚 隠蔽捜査5.5』
⑭『分水 隠蔽捜査11』(本書)


<今週のおやつ>



バレンタインデーに買ったチョコを食べてみました。
「ミルクティートリュフ」、「アールグレイトリュフ」、「チャイトリュフ」、「アールグレイミルク」の四種類の味です。
風邪が治ってきているので、やっとチョコの味がわかりましたww。

「テミスの不確かな法廷」シリーズを読む2026/02/14



直島翔 『テミスの不確かな法廷』
安堂清春は任官七年目の裁判官で、本州のもっとも西に位置するY地裁に勤務している。
彼は周りに変わった人と思われている。
彼は十歳の時に発達障害、つまり人の気持ちを読み取るのが苦手な自閉スペクトラム症(ASD)と衝動性がじっとしていることを許さない注意欠如多動症(ADHD)と診断されていた。
このことを知らない人にとって、彼の言動はこの上もなく不可解なのだ。

そんな安藤が受け持った事件は2つ。
一つはY市の副市長が襲われた詐欺未遂の傷害事件。
取り調べでは一度も否認したことがない被告人が法廷で起訴事実を否認した。
弁護士は面会しても被告人は何も訴えてこなかったという。
安堂は弁護人を解任するが、これは異例なことで、裁判官忌避の申し立てが出るかもしれない。
しかし、安堂は何かが気にかかったのだ。
安堂は動く。

もう一つの事件は、音楽教師をしている妻が数学教師の夫をメトロノームで殴り殺したという事件。
取り調べで、何故か妻は微笑みながら殺害を供述した。
気になる安堂。

直島翔 『テミスの不確かな法廷ー再審の証人』
安堂清春は任官して八年目の特例判事補。
今回、彼が扱う事件は三件。
一つ目は、顧客の貸金庫から七千万円もの現金を盗んだとして窃盗罪に問われた銀行員の裁判。
二つ目は、隣の引退した大学教授の飼い犬、「ハヤート」という名のサルーキに殺鼠剤を混ぜた餌を故意に食べさせ殺したとして、器物破損罪と動物愛護法違反の罪に問われた事件。何故か匿名申請が出されている。
三つ目は、娘の目の怪我の治療がうまくいかず、そのことで口論になり、眼科医を殴り殺し、殺人罪で服役していた男が冤罪を訴えて再審請求を繰り返していたが、意識不明の状態で見つかった。安堂は再審裁判を行うことにする。

自分の頭の中に浮かんだ違和感を、安堂は放ってはおけない。
「わからないことがわからないのは、わからないことがわからないからだ」
つきつめていくと、事件の別の顔が現れてくる。

私は一巻を読んだつもりで二巻を先に読んでしまい、一巻を読んでいないことに気づきました。
一巻よりも二巻の方が安堂のADSとADHDの様子が密に描かれています。
そのためか、二巻の最初の方が少し読みにくかったです。
自分も少しコミュ障的なところがあるんじゃないかと思っていましたが、安堂はそんなもんじゃなかったです。
「定型発達者」のような暮らしを維持していくことは、彼にとってとても大変なことだろうなぁと思いました。
この頃、発達障害の子どもが増えていると言われていますが、関わっている人たちも大変でしょうね。

安堂は家庭に恵まれなかったように思っていましたが、二巻の最後の章を読むと、どうもそうではなさそうに思えました。
父親にも何か深い考えがあったのではないのかと思ったのです。
続編で安堂の両親のことを書いて欲しいです。

最初の傷害事件で出会った弁護士の小野崎乃亜が安堂が安堂のいい理解者となっています。
彼女は土星人を理解できる変種の地球人なんでしょうかww。

なるほどと思ったのが、「いい思い出の倉庫」と「つらい思い出の倉庫」のことです。「いい思い出の倉庫」は開きづらいそうです。
そういえば私もつらい思い出の方をよく思い出します。
これからは頑張って「いい思い出の倉庫」を開けるようにしますわw。

NHK総合で「テミスの不確かな法廷」がドラマ化されて放送されているそうですが、AmazonのPrime Videoで見られることに気づきました。
ドラマでは安堂清春役が松山ケンイチで、小野崎乃亜役が鳴海唯です。
一話だけ見てみましたが、悪くはないなという感じです。
原作と役の性別が変わっていることがありますが、何か意味があるんでしょうか。
細かなことで違いがありますが、ドラマにすると仕方がないことなのでしょうね。
Prime Videoでいつまで見られるかわからないので、早めに続けて見ていこうと思います。


<バレンタインのチョコレート>
今年のチョコは、3つ。


上のチョコレートに紅茶が入っているのが本命チョコで、下のチョコはムーミンたちがかわいいので買ってみました。
咳用の甘いシロップやトローチとかのど飴をなめているせいか、ムーミンチョコを食べてみると…ダメでした。夫に食べてもらいます。
この他にクッキーも頼んでいるので、そちらは大丈夫かな?
だんだんと甘い物が食べられなくなります。
体にはいいかもww。