大野更紗 『シャバはつらいよ』2021/05/03

散歩中に見た花シリーズ。


色が独特です。たぶんアフリカキンセンカの一種だと思うのだけど…?


これはウツギの一種かな?
結構知らない花がいっぱい咲いているので、何の花か調べるのが楽しいです。



大野さんの本は『困ってるひと』を読んでいますが、その後がどうなったのか気になったので読んでみました。
2010年6月末から2013年4月までの様子が描かれているようです。

大野さんはミャンマー難民支援や民主化運動に関心を持ち大学院に入ったのですが、病に倒れてしまいます。
なかなか病名もつかず、困っていましたが、やっと「皮膚筋炎」と「筋膜炎脂肪織炎症候群」という病名がつきます。
「自己免疫疾患」で、本人曰く「全身の免疫システムが暴走して、自分自身を攻撃するという類の病」だそうで、原因がわからない、治療方法もわからない「難病」です。
この本には通算九ヶ月間の入院を経て退院してからのことが書かれています。
入院中に色々とあったので、退院後は「一人で生きていく」と決めたようですが…。

入院していると「特定疾患」を申請しても月に12万円ほどかかったそうです。
大野さんはご両親が働いているので払えますが、もしお金がなかったら、どうなるのでしょうね。
退院後、病院まで歩いて2、3分のところに部屋を借りて住み始めます。
ご両親の住んでいる福島には病気を治せる医者がいないから仕方がないのです。
ヘルパーを一日一時間頼めることになったそうですが、それにしても日本の福祉って厳しいですね。大野さんのような人でもヘルパーが一時間ですか。
自分ではできない家事を頼むと一時間なんてすぐに終わってしまいますよ。
寝たきりではないので、やれることは自分でやれということなのでしょうか。

Twitterっていうのはやったことがないので、わからないのですが、何かつぶやくと、それを読んだ人が助けに来てくれることがあるんですね。
大野さんはTwitterに大分助けられています。親切な人っているんですね。
定期的にというのが負担でも、たまたま時間が空いていたり、気が向いた時になら人助けができることがありますものね。
Twitterができなくても、その時に必要な助けを求める術は何かないでしょうか。

2011年3月11日には区の相談支援担当の職員の方が安否確認に来てくれたそうです。どこの区にお住まいかわかりませんが、区によってはこういうこともしてくれるのですね。私の区はどうなのかしら?
Twitterで『おせっかい、高齢者、障碍者、難病患者、周辺近所に声をかけまくって』、『ステロイド、透析、血液製剤、免疫抑制剤等、医療行為・薬品が生命維持に毎日不可欠なひとのライン確保を』とつぶやいたそうです。
これは大野さんだからこそわかることですね。
病気のない元気な人にはわからないことです。
人に迷惑をかけないように、ひっそりと生きていくのもいいのですが、有事の時は声を上げないとわからないことがあるので、声を上げていくことも大事ですね。

色々と大変なことがあっても、それをサラッと書いているところが読んでいても好感が持てます。
シャバで移動する時は杖を使い、ヘトヘトになりながらだったので、電動車椅子を買うことにして、やっと届いた所で終わっていますが、その後が気になりました。
車椅子で色々な場所に行けるようになったのかしら?
あとがきに2013年4月に別の大学の大学院に入り直し、社会保障のシステムの勉強を始めたと書いてありましたが、今は何をなさっているのでしょうか。
調べてみると、今年の4月に東京大学医科学研究所公共政策研究分野特任研究員になったようで、ずっと研究中心の生活をなさっているようです。
お元気そうで、何よりです。

高梨ゆき子 『大学病院の奈落』2017/12/26



図書館にリクエストを出してから大分経つので、どんな内容の本か忘れていました。
小説ではなくて、群馬大学病院で起こった患者18人連続死に関する医療物でした。

群馬大学病院というと、北関東屈指の医療拠点病院。
その病院で2011年から2014年の間に腹腔鏡を使った肝臓手術を受けた100人の患者のうち、少なくとも8人が死亡していることがわかりました。
この8人を執刀したのは第二外科の医師で、手術の前に病院の倫理審査を受ける必要があったのにもかかわらず、申請していませんでした。
その後、判明したことは、この医師は開腹手術でも10人の患者を死なせていたということです。
問題の医師は助教であるにもかかわらず、第二外科の消化器を担当する中心人物で、肝臓や胆嚢、膵臓の領域を専門としていましたが、技術は極めて未熟だったそうです。
この事件の背景には「白い巨塔」のような、大学の学長選挙や第一外科と第二外科の確執、自分は手術が下手なので彼をひきたてていた教授の存在などがあります。
この本は事件の背景を仔細に解き明かしています。

信じられないのは、このようなことを起こしても医師としての資格を剥奪されず、未だ群馬県のどこかの病院で医師として働いているということです。
遺族は何かおかしいと思っても、声を上がられず、未だ手術なんか受けさせなければよかったという自責の念に悩まされています。
どんな手術にも100%安全とは言えないということはわかっていますが、患者やその家族に対して起こったことをきちんと説明するというのは最低すべき責任だと思います。
そういう責任も果たさず、次々と手術を行っていったという精神構造がわかりません。
手術を行った医師は私の手術の腕はいいのだけど、たまたま患者の状態が悪く、運が悪かっただけと思っていたのでしょうか?
そして、そういう行為を止められなかった病院組織とはなんなんでしょうね。

手術を進められたら、患者側はセカンドオピニオンを利用したりして、その手術は最適なものかどうかよく調べてみることが大事ですね。
病院でいい医師に出会えるかどうか、それで運命が変わる、怖い世の中です。

笙野頼子 『未闘病記―膠原病、「混合性結合組織病」の』2017/01/14



ハウスの中でふせをしていることがよくあります。
ママが少しでも暇そうになるのを待っているのです。
ソファにママが座わると、飛び出してきます(笑)。



笙野さんの本は読んだことがありませんし、どんな作家さんなのか知りませんでした。
わかりにくい(?)本を書いていて、他の作家たちと論争をかわしていたり、猫を巡って近所とやりあったりしている方なんですね。
猫ラブはすごいです。
わざわざ猫のために家を建てていますから。
入院も猫がいるから嫌だとか。

どこかの書評で紹介されていて、表紙の猫さんがかわいいので読んでみました。
文学的闘病記という感じですかね。

膠原病とはどういう病気なのか、名前は知ってはいても症状までは知りません。
一概にどういう病とは言えないそうで、三者三様なのだそうです。
彼女の本を読んでいないので何とも言えませんが、彼女の書くものは知らない間にかかっていた病気の症状と深く関わっていたようです。
この本もただの闘病記ではないので、たまに表現がわかりずらいところがありますが、少しなので彼女の本の中では読みやすい方なのでしょう。
するすると読めますよ。

病気になって思うのは、病気の辛さは他の人にはわからないので、見かけで判断され、ただの怠けとか思われたりすることがあるということです。
病気になっていることを本人さえも気づかない場合もあり、本人も自分はただの怠け者と思っていたりしますから。
やっと病名がついて、病気のせいだったのかと納得しますものねぇ。

笙野さんの作品では病気からくる体の違和感や生きにくさが文学に昇華されているのでしょうね。

本の中で印象に残っている場面があります。
病院の近くのバス停のベンチが、膠原病の人たちが多く利用しているであろうバス停のベンチが、よくある誰でも座れるベンチではなくて、鉄のパイプでできたベンチだというのです。
パイプが冷たくて、お尻にくいこむようなものなのだそうです。
何故そんなベンチを置いているのでしょうか?
大げさですが、日本社会の象徴みたいなベンチですね。
たぶんホームレスさんたちにベンチで寝て欲しくないとかあるんでしょうね。
それ以外にベンチがパイプという理由があるかな・・・?
そのために病気で辛い人たちが座れないという結果になっています。
世の中のすべては健康な人たちを基準にしていますから、こういうことになるんでしょうね。
自分が社会的弱者になって初めてわかるということが多いですね。
もっと高齢化が進むとどうなるんでしょうね。
ひっそりと自宅付近で暮らしていくしかなくなりますかね。
そうなる前にやりたいことはやっておきましょう。

この本を読んでから笙野さんの本を読みたくなったかというと、そうでもないです。
ちょっと面倒そうなお方という印象ですから、書いたものも・・・ね。
ちょっと変わった闘病記を読みたい方、是非読んでみてください。


山口仲美 『大学教授がガンになってわかったこと』2017/01/13



図書館で予約本が来たので、散歩の途中で取りに行きました。
図書館のポールにリードをつけて待たせておくと、こんな風に待っていました。
躾けてないので、座ってじっと待つのは無理そうです。

「ママ、急にいなくなるのってひどい!僕、心配になったじゃない」by 弟わんこ




日本学部の教授がガンになりました。
最初は大腸がん。
血便がでたら、すぐに腸の内視鏡検査をした方がいいですね。
そうはわかっていても、真実を知るのは怖いので、私も躊躇しそうですが。

山口さんは職業柄か結構冷静な方のようにお見受けします。
がんってわかったら、普通の人は訳が分からなくなり、病院も医師が勧める所にして、転院はなかなかしないんではないでしょうか。
彼女はホームドクターから勧められた病院に一応内視鏡検査をしに行くのですが、事前の検査で嫌なことがあり、ホームドクターにはっきりとこの病院はこういう所が嫌だと説明し、他の病院を紹介してもらいます。
ホームドクターも分かりのいい人だったということもあるのでしょうが、山口さんも会ったことはないのですが、穏やかな物言いの人なのではないでしょうか。
「断る勇気を持つ」ことが、治療を受ける患者側の必須の心得である、と山口さんは書いています。

では、どうやって病院を探したらいいのでしょうか。
彼女は口コミでした。
同僚やら上司、知り合いに聞くのです。
がんなら身近に罹った人が大勢いますから、口コミはよさそうですね。
(難病系は身近にはめったにいないので、ネットやら本やらを見るしかないです)

後で彼女は2つの病院のどちらにしようか迷いますが、メリットやデメリットをよ~く考え、自分で病院を決定します。
もし、その選んだ病院がダメな病院だったら、出来る限り早期に転院すること。
当たり前のことですが、生死を左右することですから、色々と考えて時間のロスをしないようにしなければなりません。

手術が必要だと言われるとセカンドオピニオンも欲しくなります。
山口さんも気軽に他のお医者さんの意見も聞いてみたくなりました。
しかし、はっきり物を言う山口さんでも主治医にセカンドオピニオンのことを言いだせませんでした。
かかりつけ医との関係も上手く行っていなかったので、聞けません。
運のいいことに、山口さんの家の両隣が医師の家でした。(こんなこと滅多にないですよね)
隣のご主人の医院を教えてもらって、そこに行ったそうです。

かかりつけ医との関係は常に良好にしておくことが大事ですね。
私の友人はかかりつけ医に相談しないで、直接癌研に行ってしまいました。
後にそのかかりつけ医に抗がん剤のことを相談すると、「ネットに色々とのってるので自分で調べてみるといい」と言われたそうです。

山口さんは大腸がんの術後検診で脾臓に腫瘍が見つかりました。
すぐに手術ということになったのですが、彼女は手術することが必要かどうか迷っていました。
脾臓の手術は内臓の中では一番難易度の高い手術と言われているので、恐怖心を感じるようになっていたのです。
同僚の紹介でK(たぶん近藤)先生にデータを見てもらいましたが、彼はデータをよく見ずに「脾臓がんは手術しても助からない。手術をしなくてもいいでしょう」と言ったそうです。
知り合いの元医師の紹介でいったセカンドオピニオンの医師は、「早期に発見できたことは千載一遇のチャンス」だから手術を受けなさいと言いました。
彼女はセカンドオピニオンの帰りの電車の中で、同じ脾臓ガンで亡くなったスティーブ・ジョブズのことを思い出し、何もせずにいるよりも、チャレンジしよう、「生きる」ことに積極的な努力をしてみようと思い、手術を決断します。

手術を受けるかどうかは、手術予定日ギリギリまで考えて決断してもいいのです。
入院してからも考えていた人がいるそうです。
手術を受ける時には、術式と手術のリスクはちゃんと説明してもらいましょうね。

山口さんはいい医師や看護師に出会ったように思えるかもしれませんが、そうでもなかったことも正直に書いています。
医師の困ったチャンは、脾臓の手術をしてくれた医師です。
手術の腕は一流なのに、話すと患者を落ち込ませるんです。
抗がん剤治療に入ってから、山口さんは彼とは違う医師のところに行っています。
前にお世話になっていた医師に相談し、別の医師を紹介してもらったのです。
人柄の優れた紹介者なら、同じような優れた人を紹介してもらえる確率が高いと山口さんは書いていますが、実際にはそういう医師と知り合いになるのも難しいですよね。
がんで初めて病院にかかる人が多いんですから。

私の友人は抗がん剤治療を2回してから止めると言ったところ、医師に精神的疾患があるのではないかと思われたそうです。
癌の治療を途中で止めるには、医師と仲違いするぐらいの気持ちでいないと駄目なのでしょうかね。

一度読んでおくと、病気の対処法がわかっていいでしょう。
人間っていつまでも元気ではないし、いつか死ぬのですから、その時が来てあわてないことも必要だと思います。

<緑内障>特定遺伝子発見2012/03/18



家の近くの白梅は満開ですが、紅梅はまだ蕾です。

ネットで新聞を読んでいるのですが、緑内障についての記事を見つけました。

「失明の原因になる緑内障になりやすい人は、特定の遺伝子に変異があることを京都府立医大(京都市)が突き止めた。簡単な血液検査による早期発見につながるという」(毎日新聞)

「研究チームは、緑内障患者1244人と緑内障でない975人の遺伝子配列を解析。その結果、患者の大半で、ある特定の遺伝子配列に5つの変異があることが判明した。統計上、変異のある人はない人と比べ、約2倍緑内障にかかりやすくなっていた。変異があると、視神経細胞を維持するためのタンパク質の量が正常に調節されないことが考えられるという」(産経新聞)

遺伝子でこれから罹る可能性のある病気がわかるようになってきたということは知っていましたが、やっと緑内障の遺伝子が見つかったのですね。視野欠損が始まる前から治療を始められると視野欠損を遅らせることができ、失明する人も少なくなるでしょうね。
何年か後に健康診断の血液検査項目に緑内障という項目が付け加えられるかしら。

もう緑内障になってしまった私は視神経細胞の再生医療技術の発達を期待していますが、まだまだ開発途上です。
残念。

大野更紗 『困っているひと』2011/07/28



ちまたで人気という噂のこの本を読んでみました。
これって難病闘病記のようなものです(本人が闘病記ではないと言っているので)。

上智大学フランス語学科から大学院に進み、ビルマ研究をするはずだった大野さんがわけのわからない症状に悩まされるようになります。病院巡りをしても、「そのうちよくなるでしょう」という言葉だけで何もしてもらえません。ネットで調べまくり、やっといい医師に出会い・・・。

彼女の病気は「皮膚筋炎」と「筋膜炎脂肪織炎症候群」という何やらわけのわからない病気です。難病指定されているので医療費などの援助があるのですが、お役所の手続きは大変です。(詳しくは本を読んで下さい)

大野さんは27歳の若い人ですから、普通の闘病記だと思って読むと、特に年齢の上の方は違和感を覚えると思います。なんといっても彼女独特の言い回しが読みずらいのです。漫画とアニメで育った世代ですから。
まあ、慣れると大丈夫ですが、それでも私なんか最後までちょっと着いていけないものを感じてしまいました。ジェネレーション・ギャップですかね。

でもね、まじめなトーンで書いたら、暗くて本当に救いがなくなってしまうもの。彼女の書いたように、ちょっと漫画チックな感じが入った方がスルッと読めるようです。
ともすれば死にたくなる自分を鼓舞するために、頑張って明るく見せているという風に感じました。

はっきり言って痛みなど辛いことは本人以外にはわからないのです。かわいそうに、大変ねと言ってくれても、実際は他の人にはわかっていないのです。もちろん医師にもね。

大野さんが友達に負担になっていると言われるところなんか、悲しくなりました。
日本の医療制度が患者の現実に即したものではないですから、周りの人に助けを求めなければならないのです。患者にとっては死活問題です。人の負担にならないようにしようとわかってはいてもどうしようもないのです。
友人たちも色々とやってくれてはいても、彼らには彼らの生活がありますから、彼女たちを非難することはできません。友人たちも辛いのです。

健康保険制度が日本にはあるから、どこにいても同じような医療を受けられるとはいえ、難病に罹ると地域格差がでてしまいます。自治体によって補助内容が違うのですね。難病指定って国が行っているので、同じ補助がされているのだと思っていました。
彼女のように考え、行動できた人はいいのですが、そうじゃないと絶望して、命を絶ってしまう人がいるのではないでしょうか。

医療従事者の方とお役所の方に是非とも読んでいただきたいと思います。
とは言っても、フクシマがどうにかならなければ、難病難民まで手は回りませんか?
(関係ないですが、「地デジ難民」という言い方、私は嫌いです)

海堂 尊 『外科医 須磨久義』2011/07/17

マスコミではスーパードクターとかで医師を取り上げることがありますが、須磨医師は誰が考えてもその一員でしょう。

風邪などを診てもらう内科医は外科医ほど世間の注目を浴びませんが、一番大事だと思います。
近所の医師は今一です。というのも私の望む治療を提供してくれないことが多いのです。
どちらかと言えば職場の近くの医師は私の望む医療を提供してくれます。
私にとっての名医とは、患者が望む医療を提供する医師ということです。


須磨医師はテレビドラマにもなっている人なので、知っている人がたくさんいるでしょう。残念ながら私はそのドラマを見ていません。水谷豊主演で、須磨医師は撮影現場に張り付き、色々と助言を与えていたそうです。

海堂さんの『チーム・バチスタの栄光』は須磨医師にインスパイアされて書かれた作品です。映画になる時、須磨医師は主演の吉川晃司にこう言ったそうです。

「本物の外科医は背中で語る」

だから本の表紙は背中なのですか。
正面から見ると、下のような方です。


海堂さんの書いた『ブレイズメス1990』に出てくるモンテカルロ・ハートセンターの天城雪彦も彼を参考にしているようです。
公開手術なんて海堂さんの作り事かと思っていたら、本当にやっているんですね。

海外で活躍し、日本に戻らない人が多い中、彼は日本に戻ってきました。そのわけが、「言葉によるコミュニケーションが不十分だと十分な医療は行えないこと」をローマでの愛犬の死により気づかされたからだそうです。
彼ぐらいの医師になると傲慢になっても許されるようになると思います。しかし、彼は柔軟な心を持っているんです。

「クリエイティブ・マインド」とは須磨医師が常に自分に言い聞かせてきた言葉だそうです。
「クリエイティブ・マインドがなければ、外科学の進歩はない。すべてが自己満足の範囲内で収束してしまうからだ。すると現在助からない患者はいつまでも救われない」

須磨医師はどんなに心臓外科医の頂点を極めようが、医療の原点を忘れないでいます。

本書を読むと須磨医師の業績や人柄などがわかりますが、いかんせん、海堂さんの
理屈っぽさが最期の「第二部解題バラードを歌うように」に現れてしまいました。海堂さんの思いが書かれているのでしょうが、読者に思いを預けてもよかったのではないかと思います。

パーソナルゲノム2011/06/15



たまたまテレビを見ていると、「究極の個人情報」のパーソナルゲノム解析の話をしていました。
今、アメリカでは数万円を払ってつばを研究所の送ると、1時間20分程度の時間で人のDNA解析ができるそうです。
標準的なDNA配列と比べ違っている、スリップがあるところを調べていくと、罹りやすい病気のリスクがわかるそうです。
アメリカ人男性は心筋梗塞に罹りやすいことがわかり、今後の生活習慣を変えようとしていました。
日本人男性は100歳ぐらいまで働らこうと思っていたのですが、アルツハイマーに罹る確率が50%だったので、70歳ぐらいまでをめどに働くことを考え始めたそうです。

自分の罹りそうな病気を知るというのはどうなんでしょうね。
知らなくてもいいことを知ってしまい、人によっては、後の人生を罹るかもしれない病気のために、心配して過ごすようになりそうです。
何も知らなければ、楽しく暮らせたかもしれません。
楽しく暮らせれば、ストレスが少なく、病気にならなかったかもしれません。
なんでも前向きに考えられる人なら、知ってもいいかもしれませんね。

私は、たぶん、知っても変わらないでしょう。
しばらくは気をつけますが、継続するということが私にはできないので、特に違う生活をしないでしょうね。
もしかすると、私が太ることもわかったかしら?
あ、アルツハイマーのリスクは知りたくないです。
癌に罹るより、アルツハイマーになる方が嫌なんです。
でもなっちゃったら、わかんないか。

パーソナルゲノムを知っているとどの薬が効くかもわかるそうです。
病気になってからパーソナルゲノムを調べてもらっても、遅くはないかもしれませんね。

近い将来、結婚前にパーソナルゲノムを調べるなんてことをしそうですね。
そんなことになったら、差別とか始まりそうで、怖いです。
何事も曖昧な方がいいこともあるのが世の中だと思うんですが。

ジェニファー・アッカーマン 『からだの一日 あなたの24時間を医学・科学で輪切りにする」2010/01/07

 

自分のからだの中で何が起きているのか、私達は意外と気にしていません。
この本を読むと、人体ってすごいんだと思います。
どういう風にすごいかって。一部を載せて見ます。
 
誰でも知っていますが、人には朝型人間と夜型人間がいます。
この違いは体内時計の性質の違いなんです。
遺伝子にインプットされているので一生変えられないそうです。
たいていの人は軽度から中度の夜行パターンをしています。
子供はヒバリ型(朝型人間)ですが、10代の後半からフクロウ型(夜型)に移行していくそうです。
だから、高校生ぐらいになると、朝起きれない子が増えるんですね。

覚醒のピークも違います。ヒバリ型は午前11時。フクロウ型は午後3時。
心拍数のピークもヒバリ型、午前11時。フクロウ型、午後6時。
好みの運動時間や食事時間、摂取するカフェイン量も違うんだそうです。
フクロウ型の人にとって、普通に働くのって体内時計に合っていないということで、大変ですね。
一般的に人は目覚めてから2時間半から4時間のあいだが一番頭が冴えているそうです。大事な仕事をするのは、この時間帯にしましょうね。

血小板の粘着性が高くなるのは午前8時。歯を抜くのには朝がよさそうです。
でも歯の痛感閾値が一番高いのは午後なのですが・・・。
普通の治療では歯医者には午後に行きましょう。

アルコールの悪影響が最小限になるのは午後5時から6時ぐらいだそうです。
肝臓のアルコール代謝作用が最高レベルに達するからです。
でもどう考えても、この頃には飲めないですね、笑。

運動でレースをするには午後遅くか宵の口がいいそうです。
ジョギングは午後にしましょう。
薬の効き目にも時間が重要だそうです。
どんな薬をいつ投与するのか時間帯を考えて行うと最大の治療効果が得られるそうです。でも実際はそんなことやってません。(やれない?)

なんといっても太った私にショックだったのは、「痩せた人は肥満気味の人に比べて、一日で2時間半も長く身体を動かしている」ということです。
そういえば私って座っているのが好きで、何時間だって平気ですもの。
今年はまめに動くようにしますわ。

面白い内容で、次々と使えそうなことがでてきますが、読み終わる頃には忘れています。困ったものです。

朝日新聞 「患者を生きる 一条ゆかりの欲望」:緑内障編2009/11/11

漫画家の一条ゆかりさんが緑内障であるということは、どこかで聞いたことがあります。
昨日、元同僚がわざわざメールで、朝日新聞朝刊に一条ゆかりさんの緑内障の記事が出ていると教えてくれました。
今日は土曜出勤の代休だったので、図書館に行って見てみました。

一条さんの家系はもともと高眼圧傾向だったらしく、一番上のお姉さんは治療をしており、緑内障は未だ発症していません。
しかし、二番目のお姉さんは緑内障だそうです。
一番上のお姉さんに気をつけるようにと言われたにもかかわらず、一条さんは忙しさから一度眼科に行ったっきりで行かなくなり、その結果、2004年に緑内障であることがわかりました。
わかったけっかけは、たまたま視力検査の紙を見た時に片目がもう一方の目より暗いということに気付き、病院に行き、緑内障であるとわかったそうです。
私が某眼科で緑内障の左目が暗いと言った時に、医師はそんなことないと言いましたが、やっぱり暗いんですね。

彼女の場合は閉塞型と開放型の混合型の慢性緑内障だそうです。
緑内障にはいろいろな種類があり、一条さんのように高眼圧でなる場合もありますが、眼圧が正常でもなる場合があります。
私の場合は怪我が原因の緑内障で、眼圧は正常範囲内です。
彼女はレーザー虹彩切開術を行ったようですが、私の場合、レーザー治療はしても無駄だということで即手術になっています。
緑内障といってもいろいろな種類があるんです。
一般的に人間ドックで眼底検査をして、視神経乳頭陥凹とか書かれて眼科に行く人が多いようです。

一条さんも言っていますが、彼女のような有名人が病気の体験を語るということはとっても意味のあることだと思います。
彼女の記事を読んで、自分もそうではないかと思う人が一人でも早いうちに病院に行ってほしいです。

緑内障の認知度はとっても低いです。
私の同僚などは白内障や老眼と同じだと思っています。
一条さんの記事で、緑内障のことを知ってもらえたらいいなと思います。
彼女の記事はあと4回掲載されるそうです。