よしもとばなな 『体は全部知っている』2006/09/18

吉本ばななの『キッチン』や『TUGUMI』では、なんで主人公はこんなに淋しがっているのだろう、と不思議に思ったものです。
主人公は自分の内面に深く入り込むのではなく、ただ淋しがっているだけの深みのない、薄っぺらな存在にしか思えなかったのです。
そういう主人公の存在があの頃の若い人たちに共感をもたらし、あれほど彼女の本が売れたのでしょうかね。
あれから約20年がたち、ばななは成長したでしょうか?
短編集ですが、『キッチン』などに出てくる少女たちが大人になった感じです。
経験を積み、少し人生について学んだかな。
でも、相変わらず、私にとって彼女の世界は、ちょっとセンチメンタルな実態のない世界にしか思えなかったのですが・・・。