江國香織 『いつか記憶からこぼれおちるとしても』2006/10/22

この本は題名が素敵だったので、買ってみました。

ある私立女子校の生徒たちの話です。
同じクラスで友人だったり、ただ話したりしたことのある子だったり、各章に別れて一人一人のなんの変哲もない日常生活が書かれています。
題名の通り、1週間もしないうちに、記憶の中に埋もれてしまいそうな、そういう話です。
題名と同じように内容は読むとすぐに忘れてしまいました、笑。
ただ、「売り」をやっている女の子の不思議な感覚が、わかるようなわからないような。
彼女は誰かに愛されるという経験をしていないので、誰かに愛されると、逃げてしまうのかしら?
どの話にも人間関係の気薄さを感じます。

江國さんの本のひょっとして、はずればかり読んでいるのでしょうか?
同じ高校生を扱ったのでも、山田詠美の『放課後の音符』の方がよっぽど上質な短編集に思えます。
好き嫌いの問題でしょうかね。