森まゆみ 『寺暮らし』2006/10/26

著者の森まゆみさんは、「谷中・根津・千駄木」という雑誌を発行している人だそうです。
この雑誌から「谷根千」という略称が使われ出したそうです。
森さんは、地元に住みながら、地元についての雑誌を作っているのですね。
題名の「寺くらし」は、お寺の門の中にある(境内かな?)マンションを借りて住んでいるので、ついたものです。
意外とお寺の中に住んでいると、物売りはこないし、緑は多いし、風通しもいいしと、彼女が今まで住んでいたところに比べるといいのでした。

彼女は建物に興味があって、古くて壊されそうな建物を見て回っています。
同潤会代官山アパートが壊されることを聞き、見に行ったりしています。
同潤会アパートは青山が最も有名ですが、もともとは関東大震災後、海外からの義捐金をもとに財団法人同潤会がつくられ、被災者のための木造仮住宅建設や下町の不良住宅改良をし、都市中産階級のためのアパートメントハウスとしてかの有名な「同潤会アパート」を建設したそうです。
このアパートは代官山、青山、江戸川以外にも猿江、清砂、鶯谷、三河島など下町にもつくられているそうです。
歩いていると、同潤会アパートと書いてある建物があって、青山のとは違うだろうと思っていましたが、同じところがつくったものだったのですね。
青山にあるから、洒落た建物に見えましたが、他のものも斬新なデザインだったようです。
今は残されているところは、少ないのでしょうね。

谷根千に住んでいる彼女は、「町に癒され、町の人に助けてもらいながら生き延びてきた」といいます。
ちょっぴり地域に密着した彼女のようなくらしが羨ましくもあります。
マンションに住み、働いていると、地域とは隔離されています。
それが今は心地いいのですが…。

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