江本勝 『水は答えを知っている』2007/02/01

「かわいいね」と「ばかやろう」の結晶

水が宇宙から来たことを知っていますか?
水はもともと地球上にはなかったのです。
宇宙から降ってきたのです。
蒸留水を入れたビーカーに、「バカやろう」とワープロで打った紙を貼っておくとどうなるか、わかりますか。
その蒸留水を凍らせ、できた結晶を写真で撮りました。
水は結晶を作らず、渦巻くような変な形になりました。

ある小学校の子どもたちが、水に「かわいいね」と話しかけるという実験をしました。
頻繁に「かわいいね」と声をかける水と、たまに声をかける水、そして放置しておいた水の3種類から出来た結晶を見ると、その違いにびっくりします。
一番きれいな整った結晶ができたのは、頻繁に「かわいいね」と言われた水でした。
放置された水の結晶は形になっていません。
これは本当の話です。

この本には、水にいろいろな実験をして撮った、結晶の写真がたくさん載っています。
クラッシックやヘビメタ、ジャズなどを聞かせたり、各国の文字(『叡智』とか『ありがとう』など)をワープロで打ち、貼ったり、ミステリーサークルや富士山などの写真を見せたり…。

私たちの身体の70%は水でできているそうです。その水に記憶があったら・・・。そう思うとおもしろいですね。
著者の江本勝さんはこう言っています。

 「私たちは水そのものです。いつの日か地球上で学んださまざまな体験の記憶をもって、宇宙へと旅立っていくのでしょう。私たちに課せられた仕事とは、飛び立つ前にこの地球上できれいな水になることなのです。
それにはまず、私たち自身がいきいきとした生き方をしなくてはなりません。私たちの意識が水を浄化し、それによって、すべての生命に向けて美しさと力強さをともなったメッセージを発信しなくてはなりません。
最高に美しい水の結晶で、世界を埋め尽くそうではありませんか。
それには何が必要でしょうか。「愛と感謝」です。(後略)

「愛と感謝」。この文字を貼った水の結晶は、最高に美しいと彼は言います。
私たちが「愛と感謝」を持って、生きていけば、この世はもっともっと平和で美しいものになるのでしょうね。

三田紀房 『ドラゴン桜』17巻目2007/02/02

受験生のみなさん、順調に勉強は進んでいますか?
センター試験はもう終わってしまい、一喜一憂でしょうね。
願書はもう出してしまったようですね。
今日のニュースに倍率が載っていました。
東大が3倍ちょっとということで、結構倍率が低いのだと、思ってしまいました。
自分の時の倍率は…覚えていません、笑。
国立大学の倍率はこの頃これくらいなのでしょうか?

さて、『ドラゴン桜』では、刈り取りの時期になっています。
やるべきことは、すべて終えたという桜木ですが、英語教師の井野が桜木のやり方に意義をもうしたてます。
桜木は井野に水島と矢島と勝負をしてみろと言います。
「東大行く奴は今こういう問題集をやっている」という、今の時期に必要な問題集を買ってくるという勝負です。
桜木の意図は?

井野はよく考えずに、難しそうな問題集を手当たり次第に買います。
ところが、水野は何も買わず、矢島は苦手な微積分の問題集を1冊しか買いませんでした。

受験直前の12月、東大行く奴は新しい問題集に手をつけないそうです。
新しい問題集に手を出し、難しい問題を見たりすると、焦りが出てよくないからです。
東大受験用問題集1冊の中に、ほとんどの基礎問題は入っていて、その基礎問題をマスターすることが最も効果的な勉強方法なのです。
やるうちに、苦手な分野が把握できたら、そこに絞った問題集で強化するとよりよいそうです。
な~るほど。

今回の話で一番ためになった(?)のは、家庭の受験生にどう接すればいいかです。
親は「結果はどうでもいい。その努力が尊いんだ」、「こどもの頑張りは決して無駄にならない 将来必ず何らかの形で実を結ぶはずだ・・・」と堅く信じることが大事なのだそうです。
親がそう本気で思っていれば、子供は親を信頼し、落ちることの恐怖心がなくなり、受験に前向きになれるそうです。

「父はどっしりと微動だにしない大仏のように、母は慈愛の心で微笑を絶やさない観音様のように、ただ・・・じっと見守る」

親であることは、辛抱が必要なようですね。
「見守る」ということが、なかなかできないのですよ。
ついつい口出ししたくなりますよね。
受験生の子供をもっているみなさん、頑張ってください。
お子さんは、あなたがたの何倍も頑張っていますからね。

ピーター・キング 『グルメ探偵と幻のスパイス』2007/02/03

グルメ探偵シリーズ・第二弾。
今回は幻のスパイス、コ=フォンが見つかったので、鑑定してくれと頼まれ、ニューヨークまで出掛けていきます。
ニューヨークは世界各国の料理が集まり、グルメには嬉しい大都市です。
グルメ探偵(名前は秘密)は幻のスパイスにお目にかかれると思うと、期待と興奮でぞくぞくしていました。
しかし、鑑定後、コ=フォンは何物かに盗まれてしまいます。
グルメ探偵ピンチ!彼は容疑者の一人になってしまいます。
結局、容疑が晴れるまでロンドンには帰れず、それをいいことに、何故かコ=フォン探しを始めてしまいます。
なんといいことに、捜査を担当する刑事は美女。
国際フード・フェアで知り合ったレストラン<フェニキア>のオーナーも美女。
昼食をしたパラマウント薬品の副社長も美女。
何故か美女に囲まれています。
さて、コ=フォンはどこに?
どのページを見ても、美味しそうな料理がいっぱい。

アフリカ料理なんて、よく知りませんが、ジェジ・ブル=カスブール(コリアンダー風味の鶏肉でアルジェリア料理)、ひよこ豆、インゲン、鶏肉を煮込んだタジン(モロッコ料理)、バミア(子羊とオクラのシチュー)、エグシ・スープ(ロック・ロブスターと呼ばれる大きな海老が入っている)など読むと、生唾が…。
食いしん坊の私には、たまりませんわ。

レイア・ルース・ロビンソン 『研修医に死の贈り物を』2007/02/06

今回のミステリーは、ドラマ『ER』風で、そこに殺人があると思ってください。

ユニバーシティ病院の研修医エブリン・サトクリフが恋人のフィル・カーチオロと初めてデートした記念日に、誰かが持ってきた野菜を盛り合わせたバスケットの中に入っていたキノコを料理したら、それを食べた病棟看護主任ゲーリーが中毒症状を起こしてしまいます。
エブリンが胃洗浄をしようとしますが、失敗してしまい、ゲーリーは死んでしまいます。
どうして鎮静剤を投与してから、胃洗浄をしなかったのだろうと悔やむエブリン。
しかし、ゲーリーは胃洗浄の失敗で死んだのではなかったのです。
一体誰がバスケットを持ってきたのか?
いろいろと調べていくうちに、フィルにストーカー行為をしている女性がいることがわかります。
その女性は、フィルの部屋の鍵を持っていて、フィルが居ないときに部屋に入っていたのです。
その上、エブリンのシルクのスリップをちゃっかり着ているのです。
毒キノコをバスケットに入れたのは、この女か?それとも、親しい人の中に犯人がいるのか?

帯に「ER本格ミステリー」だと描いてありますが、そんなに本格的ではありません。安心してお読み下さい。

高尾慶子 『イギリス ウフフの年金生活』2007/02/11

この『イギリス ウフフの年金生活』を書いた高尾慶子さんは、イギリスに渡り、イギリス人と結婚し、日本に帰り、離婚。
その後またイギリスに渡り、ハウスキーパーなどをしながら、永住権を取り、20年以上もイギリスで働き続けた人です。
そのため、イギリス国籍を持っていなくても、イギリス政府から年金をもらい、イギリスに暮らしています。
日本では、日本国籍のない人が何年日本で働いていようが、年金はもらえないように思いますが。(違っていたら、教えてください)
第一税金をいくら払っていても、年取ったら自分でなんとかしろ、というのが日本ですから。

年金だけではありません。
なんとイギリスでは、住居費にも補助があり、住んでいるところによりますが、90%~  70%ぐらいも補助されるというのです。
なにか得意なことがあれば、イギリスに住み、働くというのはよさそうですね。
彼女曰く、歯科医、ガスボイラーの修繕工や配管工、電気技師、車の修理工などは出身国を問わずに受け入れたいということですので、興味のある方は調べてみると良いかも。

この本でびっくりしたのは、イギリスの女のゲイの夫婦が子供が欲しいからといって、インターネットでスパーム(精子)募集したそうです。
それだけでも驚きなのに、なんとその募集に応募した人がいるのです。
スパームの条件は、ハンサム、身長6フィート2インチ以上、大学出、優秀な企業に採用された実績があることだそうです。
これだけ聞くと、何様?と思ってしまいますね。
そして、もっとすごいことに、住所は○○だから、ドアの前に凍結させたスパームを入れた凍結ボトルを置いておいてほしいと書いたらしいのです。
冗談でしょと思ったら…。
なんと、数日後に凍結ボトルが1本置いてあったそうです。
あなたならどうします?
私なら、どこの誰のかわからないものを、絶対に使いません。
しかしイギリス人(にはこういう人ばかりだとは思わないけれど)は気にならないのですね。
そのスパームを使い、無事に妊娠して、女の子を出産したそうです。
信じられません。

まあ、イギリスは高尾さんには満足のいくところだったのですが、すべての人にとってはどうか、それはなんとも言えないところです。
でも、真面目に働いている人にとって、老後を心配しなくていいという所は、マネしてもらいたいですね。

末永蒼生 『「色彩セラピー」入門』2007/02/12

この本の著者、末永蒼生は「色彩学校」を主宰しています。
阪神・淡路大震災のショックで苦しむ子供のために、ボランティアとして、色彩セラピーにかかわってきたそうです。
この本に出ているのですが、彼が訪れた阪神・淡路の保育所では、子どもたちが夢中になって絵を描き続けたといいます。
いつもは5分と落ち着いていられない子どもたちが、絵を描くことによって、落ち着いていくのです。

最初は、爆発する火山、燃える家やパトカー、燃えるように赤く塗られた海、稲光や流星、地を出して死ぬ人や天使の絵、など赤や黄色、黒など原色の強いものが目立っていたそうです。
三ヶ月、半年と時間がたつ中で、目につき始めたのが、虹を描いた絵だそうです。
彼の経験から言うと、「虹の絵を描くときの子供の心理状態はそれまでに比べ感情の幅が広がっている」つまり、「驚きや悲しみなど強い感情や興奮にとらえられている状態だと、使う色数も限られてくるのである。その感情が和らぎ、さまざまの感情がバランスよく、回復した時には、それだけ色数の幅も広がる傾向がある」のだそうです。

色というのは、誠におもしろいものであると、本を読みながらつくづくと思いました。
「色彩学校」で、「色彩の自分史」という幼児期から記憶を遡り、心に残っている色彩を洗い出すカリキュラムがあり、色にまつわる事柄や生活誌を記入していくそうです。色彩と心理の関係を自分の体験を通して、はっきりつかめるので、自分を振り返るのにいいようです。
そういえば、仕事をし出してから、友だちが私の部屋に遊びに来たとき、カーテンを見て、「なんでもっときれいなカーテンにしないの」と言われたことがあります。その時のカーテンの色は「黒と白」でした。
その時の私の心理は、言うまでもありませんね。
誠に色は、その人の心理を的確に表しています。

倉田真由美 『花のオンナ道』2007/02/13

「くらたま」こと倉田真由美がこんなことまでやるの!ということをやっています。
いくらオンナを磨くからといってね…。
彼女の絵ははっきり言って、下手。
人気のある(?)『だめんず・うぉ~か~』なんて読むと、エ~、こんな人いるのぉ~、と叫びたくなるほどです。
こんな変な男は絶対パス、パス。
でも、なんでこんな奴と付き合うのよ。
普通の女はそう思います。

この本では、外見を磨くために、ありとあらゆる難行苦行に挑んだそうです。
『だめんず』の時の叫びが、この本でも出てきます。
矯正ブラ、歯のホームホワイトニング、オーダーメイド枕、ゲルマニウム温浴、レーザー脱毛などは、やってみるのもいいかも・・・と思えます。
しかし、腸内洗浄、コーヒー洗浄までやりますか?
便秘に悩む女性が多いそうですが、そんなことやって大丈夫なのだろうか?
それより、玄米とか五穀米、野菜を食え! 
自分は絶対にやらないなあ、ということまで、よく果敢にやりましたね。
まあ、こんなのもあるのね、という軽いのりで読んでください。
これを読んで、腸内洗浄に行こうと思ったあ・な・た。尊敬します。

アリス・キンバリー 『幽霊探偵からのメッセージ』2007/02/18

新しいコージー・ミステリ・シリーズです。

ニューヨークで出版会社に勤めていたペネロピーは、夫が自殺した後、息子のスペンサーと一緒に故郷のキンディコットに戻り、叔母とミステリ書店を経営することにします。
店の新しい名前も決まり、となりの空店舗を買い取り、有名な作家ティモシー・ブレナンの新しい本「裁き」のプロモーション・ツアーを行うことになります。
店の命運を賭け、一生懸命用意をしたのに、ティモシー・ブレナンは不満たらたらで、勝手に娘と婿に指示を出し、会場を変えてしまいます。

ブレナンが彼の書いた本について話し始めた時、ペネロピーの頭の中で、男の声がします。
その声は彼女にしか聞こえないようです。
ブレナンが咳をし出したので、ペネロピーは思わず、背後にあったペットボトルを渡します。
ところが、ペットボトルの水を飲んでからしばらくして、ブレナンは喉をかきむしり、倒れて死んでしまいます。
水に何かが入っていたのか?

ブレナンが死んだため、ペネロピーの店「バイ・ザ・ブック」で売った「裁き」は高額の値段がつき、お客が殺到します。
そのおかげで、周りの店も活気づき、思わぬ利益が舞い込みます。

ペネロピーの頭の中で聞こえた声は、買った空き店舗で死んだジャックという探偵の声でした。
彼は幽霊となり、空き店舗にいたのです。
何故かペネロピーには彼の声が聞こえ、ジャックにはペネロピーの考えていることがわかるのです。
ペネロピーはジャックの力を借りて、殺人者をつきとめていきます。

ミステリ書店が舞台になっているシリーズは他にもありますが、幽霊探偵が出てくるのは、初めてです。
結構この幽霊、すてきな男性です。
シリーズが進むにつれて、彼が何故殺されたかもわかってきそうで、楽しみなシリーズになりそうです。

二ノ宮知子 『のだめカンタービレ 17』2007/02/19

私の好きな漫画、『のだめカンタービレ』の17巻目が出ました。
千秋の指揮するマルレのコンサートは成功で終わりそうでした。
ところが、千秋の父親でピアニストの雅之が、コンサートを見に来ているのに気づいた千秋は動揺してしまい、ベートーベン「交響曲第4番」の途中、指揮するのを忘れてしまいます。
なんとかオーケストラの人たちのフォローでごまかせたのですが、千秋にとってはショックでした。
自分では父親のことを何とも思っていないつもりだったのですが、自分に興味のない父親を見返してやりたい思いで音楽をやっていた子供の頃を思い出してしまうのです。
のだめは雅之がどんなピアノを弾くのかを聞きに行き、「打倒千秋雅之」という新しい目標を掲げるのでした。
千秋は次なるコンサートのため、マルレの練習に行くのですが、前の失敗がどういう影響を与えているのかは、次回のお楽しみ。

相変わらずの、のだめちゃんの変態ぶりは健在です。
なかなか会えないからといって、千秋の邪魔をしないようにと、夜中にそっと千秋の寝室に入り込み、寝顔を写真で撮ったり、ブチューとしたり。かわいいですね。

千秋がコンサートで弾き振りをした、バッハの「ピアノ協奏曲第一番ニ短調」を聞きたくなりました。

R.スターク 『ラスト・ブレス―死ぬための技術』2007/02/20

『ラスト・ブレス(LAST BREATH)』とは「最後の一息」と言う題名です。
スポーツや一見安全に見えるレジャーの中に潜む危険がよくわかる本です。
人は生まれた瞬間から死ぬ運命です。
しかし、よくよく考えてみると、ほぼ90%に近い人(統計上は知りませんが、私の感覚では)は病院で、病にかかり死ぬのではないでしょうか。
ここに書かれている死に方は、あまり一般的ではないです。
しいて言うと、熱射病や低体温症、クラゲに刺されるぐらいですかね、誰でも遭遇しそうなのは。
急流下りによる溺死、アンナプルナ山頂登山による高山病、スノーボーダーの生き埋め、ヨットの航海による壊血病、ロック・クライミングによる墜落死、潜水による潜水病、砂漠の中の脱水症など、普通に暮らしている限り、絶対に起こりうることがない死に方が、物語形式で書かれています。
読みながら、どの死に方も嫌だなぁと思うほどです。
ちょっと詳しく書きすぎですよ、ピーターさん。

地球上で一番凶暴な動物は何だと思いますか?
そうです、ホモ・サピエンス、人類です。毎年世界中で起こっている戦争で94万人が、暴力犯罪で20万人が命を落としているそうです。
それに比べると、動物たちはかわいいものです。毒蛇の犠牲者は10万人、ワニは960人、虎、740人、サメ、9人、ダチョウ、14人。
意外と映画で有名になったサメの犠牲になる人は少ないのですね。
アメリカ合衆国でワニに襲われる可能性が一番高いのは、南部の湿地帯ではなく、ゴルフ場だそうです。へ~。

さて、詳しく死に行く様子が書かれていますが、あなたはどの死に方がお好みですか?