優秀な盲導犬を増やせ!獣医 諏訪義典2007/09/26

先週の日曜日の「夢の扉」では、北海道盲導犬協会に勤めている獣医、諏訪義典(42)さんのことをやっていました。
自分がいつ失明するかはわかりませんが(しないかもしれませんが)、どうしてもこういう番組があると見てしまいます。
仕方ないですね。身近ですから。

この番組を見て驚いたのは、盲導犬にしようと訓練をした犬のすべてが盲導犬になれるわけではなく、たった36%の犬しか盲導犬になれないということです。
盲導犬が足りないという話を聞いたことがありますが、こういう理由があったのです。
盲導犬に必要なものは、注意力と集中力を維持することだそうです。
人間だって難しいのに。
その上、この2つの力は訓練では培われないそうです。
生まれ持っての性格なのだそうです。

番組で盲導犬としての合格犬と不合格犬の両方を見せてくれましたが、不合格犬は全く普通の犬です。
猫がいれば、猫の方に行くし、物が転がってくれば、物の方へ行って遊ぶし、何が悪いの、と言いたくなりますが、盲導犬は何が起ころうが平常心。
ピクリともしません。犬らしくないですよ。
だから特別なのですね。

 諏訪さんは大阪で生まれ、帯広畜産大学で獣医の勉強をして獣医になりますが、その後盲導犬訓練士に転職します。
1999年、盲導犬先進国のイギリスに行った時に、盲導犬の繁殖システムがあることを知り、日本で初めて凍結精子を使用しての人工授精を試みます。
彼の獣医としての経験が役にたったのです。
その後、北大の教授と共に、盲導犬に向いている遺伝子を探すという研究をやっています。
盲導犬に合格した犬と不合格になった犬の血液を採り、DNAを取り出し、落ち着きと注意力に関連のある遺伝子のパターンを見つけます。
このパターンの多い犬ほど盲導犬に向いているということになります。
そして、そういう犬の精子の冷凍保存したものを世界中から輸入し、雌に人工授精します。
犬には倫理的問題はないので、こういうことが可能なのです。
現時点では遺伝子がどれぐらい遺伝するかは実験段階なのですが、近い将来、盲導犬に向いた犬が量産できるようになるかもしれません。
そうなれば、どれほどの視覚障害者たちが助かることでしょうか。

諏訪さんのMY GOALは

「視覚障害者が安心してくらせるよう 優秀な盲導犬を増やしたい」

そういう世の中になることを切に望みます。