チェルシー ・ケイン 『獲物』2008/06/25

美貌の殺人鬼、グレッチェン登場。
なんと彼女は人をさらって、拷問するのが好きなのです。
その拷問の仕方はというと、パイプ・クリーナーを飲ませたり、肋骨を釘で打って折ったり、メスで刺したり…。
う~ん、想像したくない。

この物語の主人公のポートランド市警刑事アーチーは、グレッチェンにさらわれ、拷問されたのに、生き残った、ただ一人の人です。
何故、彼は生かされたのでしょうか?
彼とグレッチェンの間には何があったのでしょうか?
2人の関係が、このミステリーの鍵になりそうです。

拷問の後遺症で、体も心もメチャクチャにされ、家族と別居しているアーチーは、女子高生連続殺人事件のために、現場復帰しますが、薬物依存であることを、周りに隠していました。
一方グレッチェンは刑務所に入っています。
彼女は200人を拷問にかけ、殺したと言っていますが、その中の数人しかわかっていません。
アーチーと週に一回会うことを条件に、自分が殺した人の情報を小出しに教えています。
アーチーが復帰すると共に、「オレゴン・ヘラルド」の記者のスーザン・ワードがアーチーの記事を書くために、密着取材を始めます。
彼女はアーチーのことをよく知るためにと、グレッチェンに会いたいという手紙を書きます。
グレッチェンに会えたのはいいのですが、彼女に痛いところをつかれ、高校時代のことを思い出してしまいます。

グレッチェンが人を愚弄する様が、とっても魅力的に書かれています。
内容が内容なのに、そんなに気持ち悪くないのです。
ビューティ・キラーはシリーズ物で3巻まで書かれる予定だそうです。
第一巻目は合格。
この後、どうアーチーとスーザンをグレッチェンが弄ぶのか、乞うご期待という感じです。