「コーラス」を観る2009/01/19

題名が「コーラス」ですから、映画の中には美しい歌声が…。
実は歌を聴きながら、涙が出てきました。
それほど、指揮者の子供時代を演じたジャン=バティスト・モニエ君の歌はすばらしいのです。
声変わりしてしまうと、二度と聴けない声です。
そのはかなさ故、心を打つのかもしれません。
(ネタバレあり)

世界的指揮者のピエール(ジャック・ペラン)は、母親の葬儀のために帰郷します。
そんな彼に会いにきた、古い友人のペピノが一冊の日記を手渡します。
その日記は、彼が音楽家を目指すきっかけを与えてくれた音楽教師マチュー(ジェラール・ジュニョ)の日記でした。

日記は1949年、問題児が集まる寄宿学校「地の底(すごい名前ですねぇ)」に、音楽への夢を捨てたマチューが舎監としてやってきたところから始まります。
その寄宿学校のモットーが、「やられたらやりかえせ」。
体罰が当たり前のように行われていました。
暴力は憎しみしか生まないということを、教育者である校長は知らないのでしょうか?
最初からとまどうことばかり。
やがてマチューの真心は子供達の心に届いていきます。
子供達が歌っているのを聞き、マチューは封印していた音楽への思いを解き放ちます。
子供達の中で一番やんちゃで「天使の顔をした悪魔」と呼ばれていたモランジュ(ジャン=バティスト・モニエ)は、非常に美しい声をしていました。
マチューは彼に音楽の才能があるのに気づきます。

モランジュは父親を知らない私生児でした。
母親は美しい人で、モランジュに会いに来た時にマチューと出会います。
マチューは彼女に淡い思いを持ちますが、それはかなわぬ思いでした。

マチューがコーラスを教えるようになってから、子供達は落ち着き、問題も少なくなりました。
校長はそんなマチューのことをよく思っていませんでした。
彼は子供のことよりも、自分の出世のことしか考えていないのです。
体育教師や数学教師、用務員などのサポートも得られるようになり、うまくいくかとおもえたのですが、前にあずかった問題児が追い出されたことを根に持ち、寄宿学校に火をつけます。
マチューはこのことで校長と言い争い、その結果、寄宿学校から追い出されてしまいます。
彼が去る時、子供達は別れを告げることを許されませんでした。
しかし、彼が学校から出ようとした時、窓から次々と紙飛行機が飛んできました。
そして、窓にはかわいらしい手が。
バスに乗ろうとした時、両親が死んだことを信じようとはせず、いつも土曜日に門で親を待っていたペピノ(マクサンス・ペラン)がやってきます。
彼はマチューに言います。「僕も連れて行って」
一度は追い返すマチューでしたが…。

こういう映画、大好きです。フランスでも大ヒットしたとか。
なんといっても、マチュー役の役者がうまいですね。
禿で小太りのおやじなんですが、人の良さが体全体から出ています。
子供達に「はげ」とか言われたり、はげの歌を歌われたりと、かわいそうなところがありましたがね。
モランジュ役のジャン君以外にも、ペピノ役の子がかわいいんです。
息子に欲しいわ。(私、ちょっと壊れてます)
サントラ買っちゃいます♪