「奇才コルプの世界」@オーチャード・ホール2009/01/22

<第一部>
「白鳥」  イーゴリ・コルプ
汚い(?)コートを着たコルプが登場。
おもむろにコートを脱ぐと、上の写真のような格好に。
ただの白鳥ではなく、白鳥に託した男の生き様を描いた作品ですかね。

「カジミールの色」  エリカ・カリッロ・カブレラ  ミハイル・カニスキン
白と黄色の水着のような衣装を着た男女が、キエフ生まれの芸術家、カジミール・マレーヴィッチの絵にちなんだダンスを踊ります。あまり印象が残りませんでした。

「デュエット」  ヴィクトリア・クテポワ   イーゴリ・コルプ
男女二人の愛の世界。最後に女が去る場面が印象的でした。

「道」  ナタリヤ・マツァーク
白いチュチュを着たナタリヤが、バレリーナの誕生とバレリーナになっていくまでの過程を踊ります。私の好きな踊りのひとつです。

「Something to say」   オウルジャン・ボロヴァ
口に黒いテープを張った男がひとり。彼は何を言いたいのだろうか?ロックに合わせた、とっても力強い踊りです。

「レダと白鳥」   草刈民代      イーゴリ・コルプ
バッハの2部合唱によるインベンションにのせた、「レダと白鳥」です。
ギリシャ神話のレダを愛したゼウスが白鳥に姿を変えて、彼女を誘惑することがモチーフだとか。
草刈さんは、始めてみました。はっきり言うと、可もなく、不可もなく。
この踊り自体はとっても好きです。
草刈さん以外の女性だったら、もっといやらしくなったかもしれないと、ちょっと残念に思いました。

<第2部>
「眠りの森の美女」よりグラン・パ・ド・ドゥ
      ヴィクトリア・クテポワ     ヴィクトル・イシュク
古典バレエはこれと「海賊」しかありません。
いわずと知れた、有名なグラン・バ・ド・ドゥです。
すみません。ちょっと記憶がありません。

「グラン・パ・クラシック」
      ナタリヤ・マツァーク     ミハイル・カニスキン
今回の公演で気に入ったのが、ナタリヤ・マツァークさんです。
「道」といい、これといい、上手いです。

「海賊」よりパ・ド・ドゥ
   オクサーナ・シェスタコワ   オグルキャン・ボロヴァ
レニングラード国立バレエ一番のプリマがシェスタコワさんなのでしょうね。
とにかく教本どおりにキメテイル?私にはそう思えてなりません。
地味だけど、上手い人ですね。

「ザ・グラン・パ・ド・ドゥ」
    エリサ・カリッロ・カブレラ    イーゴリ・コルプ
これは楽しいバレエです。なんとバレリーナとバレエダンサーが舞台の上で、争っちゃうんですから。
互いに蹴ったり、引きずったりと、こんなことしていいのと思うぐらいです。
ノリノリの二人でした。

<第三部>
「シーソーゲーム~ブランコのふたり~」
       ユリア・マハリナ        イーゴリ・コルプ
ファニーフェースのユリアさんです。
現代の男女のすれちがう心を電話を通して見せていくダンスです。

全体的にコンテンポラリーが多く、私的には期待通りではありませんでしたが、とても興味深い公演でした。
コルプさんは手や腕の動きの美しいダンサーだと思いました。
最後は、とてもスタイリッシュな終わり方でした。
幕が開くと、それぞれに正装したダンサーが後ろを向いて立っています。
そこにコルプが現れ、みんなでタンゴを踊り、最後は梯子を登っていき、宙ずりに…。
もう一度幕があくと、ダンサーたちの前でコルプがまた一人でタンゴを踊ります。
私が一番気に入ったのが、このタンゴを踊るコルプです。
すべてが終わった嬉しさからか、とても生き生きと踊っているんです。
音楽がテープだったので、音が悪く、それが残念でした。