山本兼一 『利休にたずねよ』2009/01/26

今年の直木賞は、天童荒太の『悼む人』が取りました。
彼の作品の中で特に優れている作品だとは思いませんが、おめでとうございます。

もう一人、直木賞を取った人がいます。
『利休にたずねよ』を書いた山本兼一です。
私は彼の作品を全く読んだことがありません。
でも、”お茶”と”寺院”好きの私ですから、題名を見たとたんに、図書カードがあったので(なかったら買わなかったかも・・・)、買ってしまいました,笑。

千利休については、茶道の大家で、秀吉の黄金の茶室を作った人などということしか知りませんでした。
彼は、生まれは堺で、家が屋号「魚屋(ととや)」という商家。
若い頃から茶道に親しみ、17歳から師についたようです。

この物語は、利休が秀吉の怒りに触れ、切腹を言い渡され、切腹を決行する日から始まります。
もともと秀吉とはそりが合わなかったようです。
そりゃそうでしょう。
天下人になったからと、金にものをいわして、何でも手に入れようとしたのですから。
利休の美意識とはあまりにもかけ離れています。

利休が何故、美にそれほどのめり込んでしまったのでしょうか。
切腹の日から、過去に遡っていき、やがて明かされる、利休の秘密。

利休の茶会に行けるものなら、行ってみたかった・・・。